(1)すでに「技術の日本」は家電業界、企業では崩壊して過去のものとなっている。シャープが台湾大手半導体企業の傘下に入り、日本政府も台湾半導体企業の日本への工場進出を持ちかけて熊本に同工場の建設が始まっている。日本は情報化、IT、AI時代の主力半導体事業の立ち遅れで台湾企業の進出が著しい。
(2)自動車産業はトヨタが燃料節約型ハイブリッド技術で世界市場で主流を走ってきたが、欧州では近い将来ガソリン車の製造、販売停止を決めており脱炭素、カーボンニュートラル時代に向けEVへの移行が主流となっており、日本車の中国市場での販売不振で業績悪化が続きこのたび業績大幅悪化の日産は自力での回復をあきらめてホンダとの経営統合に向けて協議を始めた。
(3)立ち遅れのEV事業に向けてはすでにトヨタもマツダ、スズキ、IT企業と業務提携をして共同開発を進めて先行する米国、中国に対抗する体制を進めている。日本の輸出産業主力の自動車産業はEV化に向けて生き残りをかけて事業、業務提携、統合に向けた業界再編成を進めている。
(4)政治は10月の衆院選で裏金問題が影響した自公が大幅に後退して、立憲、国民民主など野党が躍進して国会で多数派勢力となった。これまで衆院で自民単独で3分の2以上を有して参院でも自公で過半数を占めていた国会情勢とは打って変わって、少数与党の自公は国会運営、審議で野党の協力がなければ予算、法案、政策が成立しない、進まない「宙づり国会」(hang parliament)だ。
(5)手取りを増やすスローガンで議席4倍増と躍進した国民民主は「103万円の壁」見直しで自公と協議を進めているが、引き上げ幅で税減収分を押えたい自公123万円、国民支持を背景に国民民主178万円と開きが大きく、協議は難航、宙づり状態だ。
(6)政治も野党同士が歩み寄れば政権交代も可能な情勢(選挙での国民の意思でもあった)だが、野党同士が主導権、勢力争いをしているなかでは少数与党とはいえ自公連立政権が続く不安定な政治、国会だ。まだ自公参院は過半数を占めているので来年夏の参院選が政権交代をかけた重要選挙になる。
(7)自動車産業の危機に面した再編、統合、結束、技術提携のように、野党も国民の審判、判断を受けて野党再編、連携強化で国民意思をいかした政権交代で日本の政治を変える好機であり、努力、必要がある。