いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

外交成果と争点のインバランス。 imbalance of diplomatic result and a disputed point

2022-07-01 20:38:54 | 日記
 (1)岸田首相が参院選中にG7サミット(独)、NATO首脳会議(スペイン)に出席をしたのはやはりよくわからない。G7はメンバー国で来年広島でのG7サミット開催国としての立場もあり今回出席するのはまだわかるが(それなら参院選日程を考慮すべきだった)、その後のスペインでのNATO首脳会議にパートナー国として招待されて出席し、演説したのはまるでわからない。

 (2)NATOは北大西洋条約機構であり、欧州での自由主義、民主主義陣営が社会主義露と対峙するための軍事同盟であり、NATO拡大が露の反発を買って露のウクライナ軍事侵攻につながったといわれており、そのNATO首脳会議に招待されたとはいえ日本では岸田政権にとっては今後の安定政権につながる大事な参院選中であり、メンバー国でもない利益共有性もなくなじみも薄い軍事同盟のNATO首脳会議の出席は断ることもできたはずだ。

 (3)NATOとしては露への経済制裁強化のために欧米に歩調をあわせて積極的に協力、対応しているメンバー国以外の日本、韓国、豪、ニュージーランドを招待して結束を示して、露への制裁圧力を強めようという目論見があるのだろうが、日本は十分露への経済制裁に強力、参加して国内経済でも露産石油禁輸により夏のエネルギー不足、高騰の国民生活リスクを負っているのだから、岸田首相としてはここは参院選に集中してよかった。

 (4)岸田首相の参院選中のG7サミット、NATO会議出席は参院(選)軽視の批判を受けそうなもので、岸田首相は外交成果を示して参院選応援にはずみをつけたい意向のようだが、参院選は相次ぐ物価値上げに追いつかない政府の経済対策が争点であり、外交成果どころではない国内選挙事情だ。

 (5)G7メンバー国は欧米中心であり、NATOメンバー国と共通性があり、岸田首相としては対露制裁結束を示すうえでも欧米、とりわけバイデン大統領の顔をたてての参院選中のG7、NATO会議出席の選択だったと考える。

 岸田首相はヨーロッパで起きることはアジアでも起きる危険性があるとしてNATO会議出席を説明しているが、これでかえって露、中国の反発も買っており問題をさらに深刻化させる要素にもなるものだ。

 (6)露のウクライナ軍事侵攻には世界の良識ある国、地域にとっては協力、結束して停戦に向けて行動しなければならないもので、そのために欧米と協力、結束して対露経済制裁強化の効果をはからなければならないが、米国もNATO非加盟国ウクライナに対しては直接的な軍事支援参加は避けており、まして岸田首相が参院選中にNATO会議に出席してNATO結束に協力する筋道、問題とは違う。

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