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いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

翁長知事の意志。 will of prefectural governor onaga

2018-08-09 20:27:22 | 日記
 (1)前知事の辺野古移設の承認撤回という最後の切り札を表明していた翁長沖縄県知事が病気で亡くなった。沖縄米軍基地問題、とりわけ住民生活に危険な普天間飛行場の辺野古移設は日米合意にもとづいて政府が唯一の解決策として強行して、これに米軍基地過重負担を負わされた沖縄の県知事として辺野古移設に反対を主張し続けてきた。

 国と沖縄の裁判訴訟にも持ち込まれて、政府の決定に沖縄県知事は逆らえないとの判決を受けて翁長知事は追い込まれていた。

 (2)翁長知事は自民党県連幹事長も務めて保守政治家であったが、前知事が沖縄振興策と引き換えの辺野古移設を承認したことに対して前回知事選に辺野古移設反対を訴えて県民党として前知事を破り、これまで一貫して政府の辺野古移設に知事の許認可権をたてに反対してきた。

 翁長知事の「沖縄が日本に甘えているのか、日本が沖縄に甘えているのか」の言葉には、沖縄がこれまで日本政府に対して抱えてきた疎外感がにじみでた真実が伝わってくるものだった。

 (3)政治というものは、とりわけ民主主義国家では大勢の意見、利益、権利が尊重されて、少数意見、利益、権利は二の次というのが原理原則だ。
 前防衛相の稲田議員は国会議員の性的弱者非難に対して自民党は少数意見を尊重するのが信条だとの趣旨発言をしていたが、沖縄問題については米国追随政策の陰で沖縄の(少数)意見は顧みられることがなかった。

 (4)前防衛相として社会問題に対しては都合のいい考えを示しながら、直接かかわった国防、沖縄米軍基地問題では少数意見尊重の原理原則が働かない二重基準(double standard)であり、これでは沖縄、国民の理解、信頼を得ることなど不可能なことだ。

 裁判訴訟でも判決のとおり日本政府の決定に沖縄県知事がさからえないということになれば、沖縄県民の意見、利益、権利を県知事は守る、保障することはできないことになる。

 (5)沖縄はもともと琉球王国であったものが日本に編入された歴史を持ち、沖縄米軍基地の過重負担解消に向けて一部には日本からの独立思想も聞かれたことがあるが、国民的議論の中で解決策を見出す作業が必要だ。

 以前の世論調査では中国の日本領域干渉、北朝鮮の脅威を受けて国民の過半数が沖縄に米軍基地が集中するのはやむを得ないと判断したこともあり、そこでの「沖縄が日本に甘えているのか、日本が沖縄に甘えているのか」の考えさせられる翁長知事発言と映る。

 (6)沖縄基地問題は米国を巻き込む日本の防衛、安全、軍事力体制の特権事項であり、これまで沖縄米軍基地の集中過重負担は国民的議論としてとりあげられることはなかった。

 日本政府に対して徹底抗戦の翁長知事は病で倒れた。県知事の反対にも裁判判決の限界、規制がある以上、国民が自らの問題として解決するしかない。

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