(1)国民が生活していくのに国として先行投資(precedence investment)がいいのか、結果責任(outcome duty)がいいのか選択肢がある。
欧州で広がりをみせているベーシック・インカム(basic income:基本所得)は国民に対して生活最低保障額を支給して貧困を解消しようという制度で、まだ実験段階であるが「就職活動中の人が増えた」(報道)という統計もあれば「労働意欲をそぎ、財政を圧迫する」(同)との反対論もあり、スイスでは国民投票で70%以上の反対で導入が否決されている。
(2)EUは政治、経済、平和の共同体としてヒト、モノ、カネの自由往来を基本理念とした格差解消に向けた壮大な実験場だが、実際の加盟国の財政、金融危機に対しては当該国がEUの示した改善対策に従わずにこれらの債務をEU諸国が負担することに異論も多く、壮大な理想主義に不協和音も聞かれる。
(3)長年の労働成果による国民積立負担を退職後に一定額の年金として受け取る社会保障も、少子高年令化社会では支える若年層の継続的な減少で恒常的な財源不足が社会問題化している。
日本の例では戦後の団塊世代の出現で大量労働力時代の中で高度経済成長を支え、社会保障制度を財源増で支えてきたが、その団塊世代がいよいよ自らが負担し支えてきた財源による年金を受け取る段階になると、今度はそれを支える側の若年層の減少で財源不足が生じて支給年金の先送り、支給額の減額というしわ寄せ不利益をこうむっている。
(4)本来なら長年の労働成果の負担の結果としての国が約束した社会保障支給スケジュールの不履行という政策違反だが、財源不足を理由にしかたがないではすまないとこがある。
少子高年令化社会は、戦後団塊世代が出現してからの人口推移を追えば現在の少子高年令化社会は十分予測できたにもかかわらずに、国、政府は適切な対応、対策を怠ってきた無作為政策の結果であり、本来的には国家予算の中で優先的に対応すべき政策であったが政策効果が目に見える公共事業、防衛、経済政策の後回しにされてきたものだ。
(5)これまでに国、政府から社会保障政策の見通しの甘さ、無作為、失敗について謝罪を聞いたことがない。
そこでベイシック・インカムだが、労働意欲をそぐという概念は必ずしもそうでもないと考えるが(安心感、安定感による向上心につながる人間性は誰もが持ち得る)、その財源は政府、政治の信頼関係が基本で、これまでのそして現在の日本政治事情では導入はむずかしいだろう。
(6)国民福祉、社会保障制度の行く末が先行投資がいいのか、結果責任がいいのかの判断は、人間世界だけではない宇宙、自然の世界の法則の中にあるのかもしれない。
欧州で広がりをみせているベーシック・インカム(basic income:基本所得)は国民に対して生活最低保障額を支給して貧困を解消しようという制度で、まだ実験段階であるが「就職活動中の人が増えた」(報道)という統計もあれば「労働意欲をそぎ、財政を圧迫する」(同)との反対論もあり、スイスでは国民投票で70%以上の反対で導入が否決されている。
(2)EUは政治、経済、平和の共同体としてヒト、モノ、カネの自由往来を基本理念とした格差解消に向けた壮大な実験場だが、実際の加盟国の財政、金融危機に対しては当該国がEUの示した改善対策に従わずにこれらの債務をEU諸国が負担することに異論も多く、壮大な理想主義に不協和音も聞かれる。
(3)長年の労働成果による国民積立負担を退職後に一定額の年金として受け取る社会保障も、少子高年令化社会では支える若年層の継続的な減少で恒常的な財源不足が社会問題化している。
日本の例では戦後の団塊世代の出現で大量労働力時代の中で高度経済成長を支え、社会保障制度を財源増で支えてきたが、その団塊世代がいよいよ自らが負担し支えてきた財源による年金を受け取る段階になると、今度はそれを支える側の若年層の減少で財源不足が生じて支給年金の先送り、支給額の減額というしわ寄せ不利益をこうむっている。
(4)本来なら長年の労働成果の負担の結果としての国が約束した社会保障支給スケジュールの不履行という政策違反だが、財源不足を理由にしかたがないではすまないとこがある。
少子高年令化社会は、戦後団塊世代が出現してからの人口推移を追えば現在の少子高年令化社会は十分予測できたにもかかわらずに、国、政府は適切な対応、対策を怠ってきた無作為政策の結果であり、本来的には国家予算の中で優先的に対応すべき政策であったが政策効果が目に見える公共事業、防衛、経済政策の後回しにされてきたものだ。
(5)これまでに国、政府から社会保障政策の見通しの甘さ、無作為、失敗について謝罪を聞いたことがない。
そこでベイシック・インカムだが、労働意欲をそぐという概念は必ずしもそうでもないと考えるが(安心感、安定感による向上心につながる人間性は誰もが持ち得る)、その財源は政府、政治の信頼関係が基本で、これまでのそして現在の日本政治事情では導入はむずかしいだろう。
(6)国民福祉、社会保障制度の行く末が先行投資がいいのか、結果責任がいいのかの判断は、人間世界だけではない宇宙、自然の世界の法則の中にあるのかもしれない。