(1)市長選での売り言葉に買い言葉で、閉そく政治に独裁も必要と言った大阪市橋下新市長が正式就任のあとの引き継ぎも早々に3日間の東京「出張」に出かけた。大阪都構想の実現のために、法律改正(現在は首都のみが都制を名乗れる)のための国会の協力が必要で、各政党の協力を取り付けるためだ。
圧倒的な市民、府民の支持を背景に期待され、求められている自らの実行力、突破力を十分アピールする3日間になった。大阪都構想は前向きな行政改革政策のように見えて、実は今のところ橋下さんが主張する概念は、効率化による利益「率」優先主義の「内向き」の政策だ。
東京に次ぐ人口比率の高さながら、県民平均個人所得は全国5位と地盤沈下の顕著な大阪、関西圏をどう建て直すのか、府庁、市庁改革のみの強権性で政策実績のない「危うさ」も含めた橋下新市長、維新の会の実行力、突破力に市民、府民は期待している構図だ。
橋下さんへのこの圧倒的な大阪の期待はどこから来ているものなのか。
(2)大阪のロケーション(location)を考えると、①まず、東京、名古屋の手ごろな湾の先は開けた太平洋が広がる海上交通、貿易交流のロケーションの良さに比較して、大阪は湾の入り口に四国が立ちふさがり、その間に淡路島が居て(四国、淡路島に責任はないが)手狭な感じで使い勝手が悪い印象だ。
②内陸に目を向ければ、東京、名古屋は放射線状に180度広がる地理的経済圏を有しているが、大阪は周囲を古代からの歴史的古都の奈良、京都、そして港湾都市の神戸に囲まれている。近代化、経済産業化に一定の制約を受ける古都の奈良、京都が関西地域経済進行をブロック(block)する構図だ。
③国内交通システムの大動脈の新幹線は、東京、名古屋、京都はJR在来線の集結する総合駅に乗り入れて利便性が強く、一方大阪はJR在来線の総合駅の大阪駅から離れた新大阪駅止まりだ。東京、名古屋の駅周辺の整然と区画された都市化に比較して、大阪駅周辺の再開発事業が進んだとは言え混然とした使い勝手の悪い駅周辺の印象だ。
④研究教育でも、東京、名古屋、京都の大学機関からはノーベル賞授賞研究者を多く輩出しているが、大阪の大学機関からはまず記憶になくて、橋下府政の時に危機感から意図的に強権的な教育基本条例をまとめて教育再建を目指したほどだ。
⑤それでも人口比率が全国2位で、東京一極集中に目をそむけるアンチテーゼ(anti - these)としての「大阪人気質」が圧倒的な橋下支持を支える、やはり橋下さんの実行力、突破力へのパラドックス(paradox)としての「危うさ」への「アンチテーゼ支持(support as an anti-these)」だ。
(3)橋下さんは、大阪都構想を足がかりに関西圏の「州」構想への進化を目指していると言われており、アンチテーゼとしての「大阪人気質」を効率化、利益率の「内向き」志向だけでない、より発展的な「前向き」の行政改革につなげて、生かしていけるのか、その「変化」が大阪再生のポイントだ。
圧倒的な市民、府民の支持を背景に期待され、求められている自らの実行力、突破力を十分アピールする3日間になった。大阪都構想は前向きな行政改革政策のように見えて、実は今のところ橋下さんが主張する概念は、効率化による利益「率」優先主義の「内向き」の政策だ。
東京に次ぐ人口比率の高さながら、県民平均個人所得は全国5位と地盤沈下の顕著な大阪、関西圏をどう建て直すのか、府庁、市庁改革のみの強権性で政策実績のない「危うさ」も含めた橋下新市長、維新の会の実行力、突破力に市民、府民は期待している構図だ。
橋下さんへのこの圧倒的な大阪の期待はどこから来ているものなのか。
(2)大阪のロケーション(location)を考えると、①まず、東京、名古屋の手ごろな湾の先は開けた太平洋が広がる海上交通、貿易交流のロケーションの良さに比較して、大阪は湾の入り口に四国が立ちふさがり、その間に淡路島が居て(四国、淡路島に責任はないが)手狭な感じで使い勝手が悪い印象だ。
②内陸に目を向ければ、東京、名古屋は放射線状に180度広がる地理的経済圏を有しているが、大阪は周囲を古代からの歴史的古都の奈良、京都、そして港湾都市の神戸に囲まれている。近代化、経済産業化に一定の制約を受ける古都の奈良、京都が関西地域経済進行をブロック(block)する構図だ。
③国内交通システムの大動脈の新幹線は、東京、名古屋、京都はJR在来線の集結する総合駅に乗り入れて利便性が強く、一方大阪はJR在来線の総合駅の大阪駅から離れた新大阪駅止まりだ。東京、名古屋の駅周辺の整然と区画された都市化に比較して、大阪駅周辺の再開発事業が進んだとは言え混然とした使い勝手の悪い駅周辺の印象だ。
④研究教育でも、東京、名古屋、京都の大学機関からはノーベル賞授賞研究者を多く輩出しているが、大阪の大学機関からはまず記憶になくて、橋下府政の時に危機感から意図的に強権的な教育基本条例をまとめて教育再建を目指したほどだ。
⑤それでも人口比率が全国2位で、東京一極集中に目をそむけるアンチテーゼ(anti - these)としての「大阪人気質」が圧倒的な橋下支持を支える、やはり橋下さんの実行力、突破力へのパラドックス(paradox)としての「危うさ」への「アンチテーゼ支持(support as an anti-these)」だ。
(3)橋下さんは、大阪都構想を足がかりに関西圏の「州」構想への進化を目指していると言われており、アンチテーゼとしての「大阪人気質」を効率化、利益率の「内向き」志向だけでない、より発展的な「前向き」の行政改革につなげて、生かしていけるのか、その「変化」が大阪再生のポイントだ。