(1)昨日の日韓首脳会議、思惑のあるところがまったく違って噛み合わずに(don't bite with each other)、お互いに言いっぱなしの異例の首脳会談となった。まるで韓国が北朝鮮と会談する構図を見る思いだ。
韓国大統領は来日前に、韓国憲法裁判所が旧日本軍の従軍慰安婦問題で韓国政府が日本に賠償請求権を行使しないのは憲法違反だと判断したのを受けて、この問題について日本政府に進展を求めることがすでに予測されていた。
(2)日本政府のこの問題での対応は、65年の日韓国交正常化にともなう両国間の「請求権放棄」の確認により、法的に「問題解決済み」であると言う見解だった。
1時間の日韓首脳会談のほとんどを韓国大統領は、日本首相の経済問題ほかの他の問題提起を遮(さえぎ)り、韓国違憲裁判と世論を背景にしたこの問題を取り上げた。
日本首相の「政治決断」を迫ったのに対して、日本首相はすでに法的に「解決済み」との主張で応酬し、かろうじて「人道的見地から知恵を絞っていく」と実質上は応じられないとの外交辞令を付け加えて、従来の立場を変えなかった。
(3)それぞれの国の立場、他の問題への影響波及もあって、噛み合わない論議ではあったが、
日本の主張論理はまるで北朝鮮が「拉致問題」の進展に対して「解決済み」と繰り返す「やり方」と同じで、善意を感じない違和感を覚えた。
戦争行為そのもの、それにかかわる軍事行動に正義とか良心とか人道を求めることはあり得ない非人間的理念、行為であるから、まったく理不尽でこれほど不幸なことはない。人類が人類を否定する「自己矛盾」の悪のスパイラル(spiral)の中で常軌を失うことにマヒしている精神構造だ。
しかし、だからと言って非人道的、非人間的な行為が許されるものでもなく、「事実」関係に基づいて場合によっては政治責任からは逃れられないものだ。「請求権放棄」のような政治的思惑だけでこの問題の「解決」を済ませれるものではない。
(4)日本も「拉致問題」の解決を抱えて、その事実を認めた北朝鮮の一方的な「解決済み」主張に解決の門戸を閉ざされている中、北朝鮮と同じ論理での一方的な「解決済み」主張の繰り返しではなく、事実関係の検証による「人道的(humane)」配慮の政治責任について善良な管理者(指導者)として出来る限りの善意を示すべきだ。
(5)そうこうしている内に、本日、北朝鮮の金総書記の突然の病死(北朝鮮報道)のニュースが伝えられた。北朝鮮は、しばらくは軍部指導層がより台頭するのではないのか。ますます独裁下のもと保護志向が強まって外国敵視化が進む危惧がある。
今後の北朝鮮情勢の流動性、不安定要素を考えると、危険ゾーン(dangerous zone)を共有する日韓両国の緊密な協力体制はますます重要だ。
(6)戦時下での日韓併合の歴史問題から始まって、領海、領土問題、経済関係でも競合する現在の日韓関係に、日韓(民族間)の間には根強い反感情もある。
その不幸な両国間の歴史的問題は繰り返してはならないし、忘れてもならないが、国民世代間では時間とともに「事実」から遠くもなってきている。
韓国大統領は来日前に、韓国憲法裁判所が旧日本軍の従軍慰安婦問題で韓国政府が日本に賠償請求権を行使しないのは憲法違反だと判断したのを受けて、この問題について日本政府に進展を求めることがすでに予測されていた。
(2)日本政府のこの問題での対応は、65年の日韓国交正常化にともなう両国間の「請求権放棄」の確認により、法的に「問題解決済み」であると言う見解だった。
1時間の日韓首脳会談のほとんどを韓国大統領は、日本首相の経済問題ほかの他の問題提起を遮(さえぎ)り、韓国違憲裁判と世論を背景にしたこの問題を取り上げた。
日本首相の「政治決断」を迫ったのに対して、日本首相はすでに法的に「解決済み」との主張で応酬し、かろうじて「人道的見地から知恵を絞っていく」と実質上は応じられないとの外交辞令を付け加えて、従来の立場を変えなかった。
(3)それぞれの国の立場、他の問題への影響波及もあって、噛み合わない論議ではあったが、
日本の主張論理はまるで北朝鮮が「拉致問題」の進展に対して「解決済み」と繰り返す「やり方」と同じで、善意を感じない違和感を覚えた。
戦争行為そのもの、それにかかわる軍事行動に正義とか良心とか人道を求めることはあり得ない非人間的理念、行為であるから、まったく理不尽でこれほど不幸なことはない。人類が人類を否定する「自己矛盾」の悪のスパイラル(spiral)の中で常軌を失うことにマヒしている精神構造だ。
しかし、だからと言って非人道的、非人間的な行為が許されるものでもなく、「事実」関係に基づいて場合によっては政治責任からは逃れられないものだ。「請求権放棄」のような政治的思惑だけでこの問題の「解決」を済ませれるものではない。
(4)日本も「拉致問題」の解決を抱えて、その事実を認めた北朝鮮の一方的な「解決済み」主張に解決の門戸を閉ざされている中、北朝鮮と同じ論理での一方的な「解決済み」主張の繰り返しではなく、事実関係の検証による「人道的(humane)」配慮の政治責任について善良な管理者(指導者)として出来る限りの善意を示すべきだ。
(5)そうこうしている内に、本日、北朝鮮の金総書記の突然の病死(北朝鮮報道)のニュースが伝えられた。北朝鮮は、しばらくは軍部指導層がより台頭するのではないのか。ますます独裁下のもと保護志向が強まって外国敵視化が進む危惧がある。
今後の北朝鮮情勢の流動性、不安定要素を考えると、危険ゾーン(dangerous zone)を共有する日韓両国の緊密な協力体制はますます重要だ。
(6)戦時下での日韓併合の歴史問題から始まって、領海、領土問題、経済関係でも競合する現在の日韓関係に、日韓(民族間)の間には根強い反感情もある。
その不幸な両国間の歴史的問題は繰り返してはならないし、忘れてもならないが、国民世代間では時間とともに「事実」から遠くもなってきている。