12月19日にブッシュ大統領は、経営危機に瀕している
GMとクライスラー両社に対して総額174億ドルのつなぎ
融資の支出を決定しました。
自動車産業界の環境技術開発支援に 備えて、議会で
予算化が決定されている250億ドルの中から、転用して
緊急融資されるものです。
来年の3月中に債務と人件費の大幅な削減について
国民や議会を納得させることが出来る合理化計画書の
提出が求められていて、もし、内容が充たされていない
場合には、経営破綻に直結します。
GMのワゴナー会長は、融資への謝意とともに新車の
品質改善や環境技術の向上に努めると述べています。
この資金が当初の支援目的である、次世代の車の
環境技術向上に、どれほど生かされるかは極めて
疑問で、当座の運転資金に消えてしまうのではないかと
する悲観的な見方が少なくありません。
燃料電池自動車やプラグイン電気自動車などの開発に
アメリカ国内では多くの企業や研究所が取り組んでいます。
実用化にこぎつけるには長期的な、かつ大規模な投資が
必要であり、政府の強力なバックアップが不可欠です。
開発競争が激化している世界の自動車産業界の中で、
本来の目的外に資金が転用され、ビッグ3に開発支援金
が吸い込まれてしまうことは、アメリカの自動車産業の
将来に大きな不安を抱かせることになります。
「備えよ常に! 備えあれば憂いなし」です。
安全と安心の非常持出袋の準備は?