ここしばらく続いた梅雨前線が齎す雨水が、やんばるほかのダム湖に注がれて現在は凡そ76%程度の貯水率にまで回復したらしい。ひところは平年値すら下回り渇水の懸念さえ浮かんだものだが、ここにきて台風(の雨)なしに小康を得たのは心強い。以前は取水制限やら断水がしょっちゅうだったらしいのに、少なくとも移住して以来そのような制限に出くわしたことはなく、精々台風時に可成り長めの停電やら電話回線切断の障害に見舞われた程度で、概ね(大震災前の)福島県在住時と大差ない平穏な自然環境に住まわしてもらっている。ここ沖縄本島北部、本部半島にある、東シナ海に面した今帰仁村は米軍基地もなく、オスプレイも飛ばず、黙っていれば普通の暮らしが望まれる緑豊かなリゾート地であり、近年の移住ブームで本土からの入県者が求めて土地を選び取っているため、徐々にではあるが新築される家宅が目立ち始めている。それだけ緑地が減少するわけで景観にしろ大きな生態系にしろ少しづつ変化していく形勢は防ぎようもない。老齢化が進むと所謂農業生計世帯が代替わりできずに土地を手放す例が見られ(筆者の所有地もこうした畑地の転売物件だ)、都市化というより人口だけ増えた特色のない村落が主流になっていくような感じだ。(つづく)
今帰仁城から眺望する東シナ海