犀川の河川整備を考える会

犀川の辰巳ダム建設を契機に河川整備を考え、公共土木事業のあり方について問題提起をするブログ。

【日々是好日なり】加藤吉彦(えひこ)と賀茂真淵、謎解きをしてみた!

2024年06月22日 | 日々是好日なり
 古文書の会が震災のために中断。
 久しぶりに資料が送られてきた。
 加藤吉彦のメモ書きが掲載されていた。
 吉彦が真淵の歌を十五葉、書き写したメモである。
 真淵は歌人としても優れていた。
 吉彦も多くの和歌を残しており、ともに神官だったこともあって、真淵の和歌にも心惹かれたのだろう。

 陰ふかむ青葉のさくらわか楓夏によりてもあかぬ庭かな
 くたに吹園生の木々の若みとり夏好ましき宿にも有かな
 早苗草植うるときとてさみたれの雲も山田におり立にけり
 きのふけふ時きにけりと時鳥とはたのおもに早苗とる也
 はつ聲を都にいそけ郭公山かつならぬ人こそはまて
 なかむらん物とはなしに子規つらき時こそ猶またれけれ
 橘のかほれる宿の夕暮に二こへなきて行ほととぎす
 鈴鹿川はやく聞きつる子規いせまで今も思ひやるかな
 うの花を手ことにおりて帰らまし山郭公聞きししるしに
 五月雨はをやむもわかす谷の庵に雲より落つる槙の下露
 ふる雨に早苗をうゑて国の名のみつほの秋を待つそ楽しき
 橘のもとに道ふみ行かへりもとつひとにもあひにけるかも
 足ひきの岩ねすかはらいくつ度茂りゆくらん岩根すかはら
 ふるさとのみかきか原の夏草に夜はもえつつとふ蛍かな
 すすしさの大路の柳陰ことに馬も車もいこはぬそなき

●資料には、「加茂翁歌集」本体より吉彦がいかなる基準で抜書したのかはわからない、
 とあった。

〇「謎解き」に挑戦してみた。

 結論:何かの理由(意図は不明)だが、すべて「夏の歌」だけを選んで書き写した。

 夏は、旧暦で四、五、六月。
 早苗は夏。
 時鳥、郭公、子規は、いずれも「ほととぎす」で夏の季語。
 橘➡5,6月に白い花が咲く➡花橘(はなたちばな)は夏の季語。
 すかはら➡菅(スゲ)の茂っている原➡菅(スゲ)は夕菅(ゆうすげ)のことで夏の季語。
 蛍は、夏を代表する季語。
 涼しは、夏の季語。


コメント
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