遥かなり白樺の国

2023年08月23日 | 読書
エッセー仲間の友人が、本棚から出てきたのよ、と1冊の冊子を貸してくれました。
裏表紙の内側に、限定2部とあり、1995年12月31日初稿と記されていました。
友人に寄れば、書いた原稿を職場の先輩にファツクスしたら、その方が冊子にしてくださった、と貸していただいた時にうかがったような気がします。

友人とはHさんです。
私、Hさんご夫妻の共同著書を5冊いただいていますが、この冊子はそれ以前のものです。
彼女はエッセー、ご主人は短歌と俳句です。

実はお借りしたまま3週間も積読状態でした。やつと読む順番が来て読み始めてびっくりです。
彼女のエッセーはいつもすばらしいのです。生き様を書いていらっしゃるから、この方の生き方が素晴らしいということでもあります。
夜中に読み始めて最後まで読み切りました。

「遥かなり白樺の国」と題されたこの本の中身は、彼女がロシア人の友人を訪ねて、ロシアへ旅立つところから始まっています。
その実、友人が初めてソ連に行ったのは、この日から25年前の1970年7月。
この頃のソ連は個人が自由に歩きまわったり、写真撮影ができなかった時代です。
この最初の旅で知り合ったロシア人との友情の物語でもあります。
ソ連がロシアになった時、友人の運命は大きく変わります。
その時エストニアに住んでいたのですが、エストニアのロシア人は追い出されてしまったのです。エストニアで豊かな生活を送っていたのに、シベリアに住まなければならなくて。
ソ連が1991年に解体したあとのことがよくわかりました。
そうだ今のウクライナのことも、友人のこの物語を読むと成程そういう歴史があったのかと。

友人ご夫妻はロシア語を話されます。
だからただの観光旅行に終わっていないのです。
旅行記が面白い・・・・・・と言っていいのか。
ソ連からロシアになった1995年当時のこの国の姿がよくわかります。

私がロシアに旅行したのは5年前。
まさしくの観光旅行で、ホテルは郊外で、ほとんど庶民の生活をかいまみることは出来ませんでした。
博物館でお宝の凄さに、かってのこの国の支配者の力を見、私はこの博物感で1日中見ていたいと思いました。

高校生の時、社会の授業で一人一国を新聞記事から調べるという課題があり、私はソ連でした。
一人ひとり発表する段になっても、私は発表する物がほぼありませんでした。先生は「それが分かればいい」とおっしゃられました。
ソ連は情報を出していなかったというか、じっさい国交もどうだったのでしょうね。
その時代から5年後位で友人は行っているのです。

兄が業界の視察で、ウラジオストック経由でモスクワに行ったのは、1975年頃でした。
この頃、ソ連から木材の輸入が盛んでした。木材は当時のソ連の最大の輸出品だったかもしれません。

兄のおみやげの琥珀が素晴らしかった記憶があります。。
それから45年たった私の旅のおみやげ屋で見た琥珀は誠にご粗末な物でした。
ガイドにそれを言うと、高級品の店に案内してくれると言います。絶対買わないからお断りしたけれど、兄の時代は観光客が多くなくて商売慣れしていなかったということでしょうね。

この旅行記、並大抵の内容ではありません。
世に出したいと思いました。
ただ、友人のロシア人に影響がなければですが。

友人夫妻は、この後も何度もロシアを訪ねているのです。
そしてその友人に物資を届けてもいるのです。
そんなロシアの事情が見えます。

お読みいただきありがとうございました。
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