毎月勤労統計に思う

2019年01月15日 | 日々のこと
年明け突然のように現れた「毎月勤労統計」。こうなった事情もわからなくはない。

 製材工場をやっていた10年前まで、私が引き受けていた統計調査の数は10を下りませんでした。

 会社の事業年度は4月から3月、ところが求めてくる統計調査は1月から12月が多かったのです。

 今ならパソコンだからパツパッと出るかもしれません。

 私が入社する以前から始まっていた工業統計調査、こちらも1月から12月まででした。

 私もだんだんベテランになりましたから、その対処の数字の把握も前もって準備するようにしてきましたが、1月から12月までを集計して、役所の回収日が1月7日か8日でした。最後の頃はもう少し遅くなっていましたが。

 休み明けのその日に回収となれば、年内に帳面を閉じなければならなりません。

 盆暮れ勘定の名残で、1月の支払いを12月末までに、そこでボーナスの支給の後年末調整し、棚卸に1日かけて最終に仮決算をするのが、ころの経理の務め。

 まあここまでしたから統計調査表に記入できたのかもしれません、いやここまでしなければ統計調査に記入できなかったためだとともいえます。

 ただ事務屋は仕事仕舞いになったとしても、バソコンになるまでの時代は30日午前中までは計算機をたたいていたものです。

 家に帰れば嫁でしたから、肩身の狭い思いをしたか分かりません。

 工業調査の内容はは売上に仕入からその他経費に始まり、一通りの数字が求められましたが、難解なのは、出荷した木材を丸太・角・板やらに分類した数字が求められることでした。これが一番大変。

 パソコンの設定でできるレベルではなくひたすら1年分を積み重ねなければ求められませんでした。


 会社に入社して30年過ぎた頃、その工業統計調査で長年の功績が認められて表彰を受けたことがありました。

 私かでなくて会社がです。

 県庁でその式がありました。

 大勢の表彰を受ける人が県庁の講堂に並びました。代表者が表彰状を受け取り私たちは一斉に頭を下げたのでした。

 その時・・・・私はこのために県庁に来たのかと思いました。お上ってやっぱり上から目線なのですね・・・・当時の私は若かったからそう思いました。

 統計調査、まじめにやろうと思えば限りなく大変なものです。

 

  これまでいろんな統計調査をお引き受けしてきました。同じような統計をいろんな役所がとっていることに疑問を感じました。

 それをこなしてきたのは、お断りできなかったこともありますが、統計調査をすることにより自社の数値が見えるからです。

 事務屋にとってその課題をもらうことにより自分の中で数値が明確になるのが面白かったのかもしれません。

 ただ一つ、「毎月勤労統計」はお断りしました。

 なぜって依頼に見えたのが12月27日なんです。役所の感覚では仕事が一段落なのでしょうが、私にとって暮の27日は1年で1番忙しい日なのです。

 これが1週間前なら、ハイハイって受けていましたよ、給料なんて毎月しっかり数字がでていますもの、少しも難しくも面倒でもありませんから。

 それでもね、依頼にみえる日が悪いわ、元帳閉じて棚卸して年末調整して仮決算組んでいるところなんだもの。

 ハイ、統計調査を初めてお断りしましたよ・・・・虫の居所が悪い日にお見えになられたということかもしれません(笑)


 今回のこと。

 統計を出す方も、集計する方も大変なのだと思います。

 統計調査、自分でやってみればどれだけ大変なのかそのあたりがわかります。

 事務屋もベテランになれば、日常の仕事の中で調査用の数字を日頃からアップしておきますが、なれない事務屋にとって突然求められた時、どの位正確な数字が出ているのでしょうか。

 統計とは「よくわからない数字が集まってゴチヤゴチャしてプラスマイナスして正当な数字になるのかしら」と。

 製材工場を閉じたことで、統計調査の数は格段に減りました。

 長年統計調査によって自社の分析ができたことはありがたかったと思っています。

 今回の毎月勤労統計は国民に国に対する不信感を感じさせたことは間違いがないと思います。

 この統計によって給付されるのが失業者だったり、労災に遭ったりの人だけに、問題が大きいと言わざるをえません。

                                                依田美恵子
       軽井沢・佐久で建てる外断熱・省エネ住宅 中島木材の家


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