今回は、仕掛けはそのまま上手くいっていません。
県民健康調査の甲状腺検査に関して、星座長が検討委員会を設けました。
これは、福島県小児科医会が「検査で不安が生じている」と検査規模の縮小も含めた見直しを提案したことをうけたものです。
しかしながら、委員からは反対意見が続出する状態。
当面検査は続けるべきとする話が多かった模様です。
元々仕掛け記事に飛び乗った、「福島民友新聞」でどう書いているのか。
なお、福島民友の仕掛けた過去記事はhttp://www.minyu-net.com/news/news/FM20160808-098813.php
実際の紙面はこのネット情報よりもかなり展開していますので、図書館などで確認ください。
8/8にこの記事が大きく打ち上げられ、8/25には小児科医会の要望という流れです。
「甲状腺検査...『在り方』議論」という中立的タイトル(他のマスコミでは<甲状腺検査「継続」意見相次ぐ>と明記する見出しもあります)。
しかし、本文中には下記のような記述が出ています。
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委員からは「甲状腺がんの手術を受けた子どもと家族の意見に沿った対応が必要。少なくとも10年は縮小せず進めるべき」「(放射線影響の有無を判断するための)データが少なくなっては県民が不幸。できる限りデータを集める方向で進むべき」などの意見が出た。
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つまり、県小児科医会や星座長などが動いて、いずれかと連携して甲状腺検査見直しを仕掛けた、福島民友紙自体の流れが、実質的には破たんしていることになります。
委員の内部で検査縮小に関しては否定的見解が強いことを書いているのですから。
なんというか、県民の被曝影響を長期的に見ていくことを主張することを言説として事実上放棄しようとした、福島民友という地元新聞が、地元ジャーナリズムとしての役割が破たんしていることが、まざまざと見せつけられた状態です。
しかし、それよりもこの仕掛け記事を、福島民友にやらせていた人や組織が誰なのか、本当に気になります。
表面上見えている座長や小児科医会そのものという場合もありえますが、それよりも大概は裏で仕掛けている人がだれか存在している時が多いですから。
そうした連中が、福島にいる疑いは強く持っておくしかないと思います。
そして、仕掛け記事は即効では効果は出ませんでした。逆作用の側面もあり、今回は事実上の失敗です。しかし、こうした仕掛けは一定期間を経過して、本当に進めるための前哨戦として為されている場合が構造的には多いですから、その後の言説で、事態の推移は見極めておかねばなりません。
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昨日のブログ記事で僕が疑問を指摘した、伊方町長選挙に出馬表明していた杉並区の36歳のフリーターは、一身上の都合で、突然に出馬を取りやめたそうです。記者会見を一昨日されて、翌日には出馬断念。
笑うしかありません。
こうした被曝回避や反原発という現場で、政治的に目立つ存在となることを目的とした他の事例は、来週のメルマガでもお伝えする予定です。是非、購読ください。