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関西国際空港と千葉県松戸市で麻疹(はしか)流行の怖れ、防御策として提案するN95マスクの着用。

2016-09-08 20:49:00 | その他

麻疹、はしかが流行する可能性が生じています。

千葉県松戸市周辺では、この夏に下記のような状態となっていました。

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平成28年 千葉県の麻しん発生状況 (8月31日現在)

 第29週(7月18日から7月24日) 1例(33歳) 届出:松戸保健所

 第30週(7月25日から7月31日) 1例(0歳10か月) 届出:松戸保健所

 第31週(8月1日から8月7日)   1例(4歳) 届出:松戸保健所

 第32週(8月8日から8月14日)  1例(1歳) 届出:松戸保健所

 第33週(8月15日から8月21日) 6例(0歳6か月2名、1歳、6歳、15歳、28歳) 届出:松戸保健所

 第44週(8月22日から8月28日) 4例(1歳、5歳、6歳、20歳) 届出:松戸保健所3例、船橋保健所1例

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そして、より深刻なのは関西国際空港です。

すでに、従業員や一般客、周辺施設来場者にまで麻疹(はしか)となっていて、現在およそ40人の患者とされています。

これは、最近では大きい発生事例で、しかも巨大国際空港での事案ですから深刻な話です。

しかも、この麻疹罹患者のうち、聞き取りが出来ている関西空港関係者33人のうちで、15人は過去に罹患経験がなく、更に予防接種を受けていなかったり、受けた記憶があいまいな人たちでした。

けれども、予防接種を一度受けたと申告した人が5人、二度受けていると申告した人が13人となっていて、実は今回、関西空港関連で陽性となった半数以上が、予防接種していたのにも関わらず、感染し発症していることはほぼ間違いない状態です。大阪府のHPより、下のグラフは引用しています。


ですから、これから関空を利用する可能性がある場合に、過去に予防接種を受けていることが、どれだけリスク回避できるのかは、実は予断を許さない状態です。

一般的に一回の接種で万全でないとされますが、二回接種でも避けられない状態。

中国由来とされ、最近多く発生がないH1型であることも、関係しているかもしれません。

しかも、どうやらワクチン品薄は徐々に拡大しつつあり、おそらく更に完全拡大が始まると、なかなか受けられない人も出てくる可能性が強まると思います。

こうした中でも、空港に行くリスクがある方は防備の方法がなくて困ると思います。

麻疹(はしか)に罹患している世代はかかりにくい可能性は高いのですが(空港関係者などの陽性になったのは全て40歳以下)、これも偶然かもしれませんから、確定的に安全とは言えません。

「この麻疹ワクチンは、風しんとのMR混合ワクチンを打つことになります。単独のワクチンは殆どありません。ワクチンは値段は安くなくて、おおよそ8000円程度だろうと思います(医師の裁量で価格は違います)。しかも、二回打たないと完全に作用しませんから。昔、一度しか売っていない、今の二十代から三十代が特に弱い可能性があります。これをやっておくと、それで完全に防げるわけではなくても、症状は弱くなると思いますから。もちろん、過去に罹患した方が遥かに強い状態ですが。」と三田医師は話します。

こういう意味で、効きの弱さを感じながらも、対応してくれる病院が近隣にあれば、ワクチン接種は一つの方法です。

但し、これは品薄が始まっていますから、場所によっては対応できない可能性が生じているかもしれません。

実際にこういう掲示もされていたクリニックもありました。

「麻疹風疹混合ワクチン不足のため、予約中断
本日、卸からの連絡で、しばらく麻疹風疹ワクチンの供給がストップすることになりました。(毎度のワクチン不足です。)」

こうしたワクチンに関しても三田医師に聞きました。

「やっぱり、関西空港利用者のうちで、事前にワクチン接種する人も増えるから、需要が多くなると、ワクチンの供給が難しくなる。そうすると普段このワクチンをよく使っている病院には優先的にいきわたっても、なかなか全体には難しくなるかもしれません。これは頭が痛い話ですよ。」

更に、大阪府の担当セクションとも話しましたが、「ワクチンがどこまで効くのかということは、今回の聞き取りを見たら、いろいろとおもわれるかもしれませんが、まあそれしか防備する対策がなかなか難しいです。」と率直に話されます。

他の対策も尋ねましたが、有効な解答は特にありませんでした。

また、現況では千葉・松戸の状態と、関西空港の発生とが関連があるのかどうかも分かっていないそうです。

こうした中で、それでもワクチンに加えて、もしくは別に、何かないのかと探しました。

少し役立つものが、被曝回避を続けている貴女には、おなじみの道具にあったのです。

国立感染症研究所HPで次のような記載がありました。

「麻疹は空気感染する疾患ですので、免疫がないスタッフが対応する場合には本人の防護のためにN95マスクあるいはそれ以上の性能のものを着用すべきです。」

麻疹は、感染力が強くてマスクは役に立たないと常識的に言われていますが、小さい粒子もとらえることが可能であるN95マスクは、麻疹対策として万全ではなくても、一定程度は有効性があるということと思います。

麻疹(はしか)に対応する医療スタッフの中で、過去に罹患していなかったり、予防接種を二回していない人にとって、出来る最大限の防御としてN95マスク着用を国立感染症研究所が勧めているのですから。

これは、当然ながら、一般人が同じ条件で、関空などリスクが高い場所を訪れる時、ワクチン以外で防備する手助けになる数少ないモノということになります。

 

こうした被曝回避で、僕たちがよく使っているモノが、実は違うクライシス(今回は麻疹という感染症の国際空港内などでの発生)にも一定程度は役立つ可能性を示しているということです。これは被曝回避的リスク回避感覚の有用性を、違う形として示したことにもなると僕は感じています。


 

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