masaring

自己チューの進行形日記でshow。

森のお店やさん。

2010年10月11日 | お薦めの一冊。

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【この吊り橋を渡れば「森のお店やさん」に行けるのかな?。】

※今回の記事に、上↑の橋は全く関係無いのですが、、。

Kigi

「森のお店やさん」とは、1998年に初版が発行された
児童書のタイトルである。

児童書であるが実は、現代という時代を生きる、おとなに贈る
メッセージ集であると思うのである。

林原玉枝さんの詩的で美しい言葉が、
はらだたけひでさんの絵とぴったりである。

森には、いろいろな動物たちが住んでいる。
その動物たち、実は、いろいろな「お店やさん」を
営んでいるという内容である。

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きつつきの「おとや」、たぬきの「おみくじや」。
はりねずみの「ぽけっとや」、きつねの「かげ売り」。
もぐらの「おやおやや」、かみきりむしの「空のおふねや」。
ぎんめっきごみぐもの「伝言板」。

音を売るきつつきのアイディアがとても愉快だ。
ほかにもたぬきやきつねなどが、タイトルどおり
それぞれの特技(?)を生かした
楽しいお店を開いているのだ。

ひとつひとつの話は短いのだが、
それぞれに森での
季節の移ろいも織り込まれていて、
心温まる1冊である。

この本、静かな秋から冬の夜に読むと
人間本来の心が取り戻せそうなのである。

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あみのむこうは、青い深い空。
あたらしい、銀色のあみの上に、
金色の糸で落書き。
「おはよう」
「だいすきな、あなたへ」
「とどけよう森のうた」
「あいしてる」

最後の作品では、雪の森が出てくる。
そう、雪景色である情景が浮かんでくる。

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どれもこれも、生活に不可欠ではないけれど、
なんだか楽しいお店の数々。

みんなに楽しんでもらおうと、
森の中で動物たちが、
はりきって仕事している
様子が想像できる。

でも、現代社会で忘れられたこと、
実は生きていくうえで、忘れてはいけない
大切なことを、この本は再認識させてくれる。

そう、実は生活に不可欠なものばかりなのである。

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ある方が「眠くなる本」とブログで紹介しているが、
退屈で眠くなるのではなく、
この本のような世界が、人間の世界でも
築けたら、安心して眠ることができる。という
願いを込めて掲載しているのだと思った。

実に奥深い本である。
そして何度も読み返したい本である。

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【動物たちは、森の中から人間の営みを観察してるんだよね。】

Kigi

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龍神温泉、元湯。2010。

2010年10月07日 | 温泉、至福の時。

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【日高川の河畔に建つ、日帰り湯。龍神温泉の元湯です。】

龍神を訪ねると、必ず湯浴みする「元湯」です。
でも、最近何かが違う。と感じていたのです。

龍神温泉を訪れたのは、10年ほど前。
ある団体の引率でした。

引率者が温泉に入るのは気が引けたので
その時は体感しなかったのです。

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しかし、数年前。プライベートで龍神を
訪れてからは、すっかり龍神ファン。

龍神の虜になったのです。

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理由は、「日本三美人の湯」として
名高い源泉100%の天然温泉。

1,300年も前に、役行者(えんのぎょうじゃ)という
修行僧に発見されたと言われ、

江戸時代には、紀州藩主徳川頼宣公の保護を受け
湯治場として栄えた歴史ある温泉。

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地下から汲み上げた48度の源泉をそのまま利用。
滑らかな手触りで、
湯上がり後は「肌がすべすべになる」と評判。

ラジウムの放射量が多く、皮膚病や胃腸病、
外傷などに効果があり、飲泉もOK。

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源泉掛け流し。が流行っていますが、
これがまた難しいのですよね。

全国殆どの温泉が
加温か、冷ましているのですから、、、。

48度の源泉をそのまま使うということは、
湯船に到達する頃は、40度前後。
理想的な温泉ですよね。それがファンになった理由。

龍神のあるホテルに宿泊し、翌日、元湯に浸かる。
すっかり定着したパターンになってしまいました。

男性は1階、女性は3階が浴室になっています。
浴室は露天風呂、ひのき風呂そして岩風呂の
三つの浴槽があります。

そのうち、ひのき風呂には
源泉が絶え間なく湧出しており、
飲むこともできます。

※飲泉は糖尿病にも効果があるとか。

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露天風呂からは日高川を望むことができ、
のんびりとつかれます。

極楽、極楽!!

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そうそう、インタープリターの方の説明に
出てきたひのき。檜。

この元湯のひのき風呂の檜が
新しいものになっていたのです。
檜の芳しい香りが引き立っているのです。

聞けば、ひのき風呂。
ひのきを全て入れ替えて
リニュアールしたとのこと。
それが、源泉とマッチしてすごく良いのです。

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檜は「火の木」とも言うとある方の説。
檜は生きている。だから芳しい。
温泉にとてもマッチする木材だと思いました。

大きな窓ガラスからは
自然の醍醐味あふれる眺望が楽しめる。
龍神村で唯一の源泉掛け流し温泉龍神温泉は
高野龍神国定公園、日高川沿いに位置する温泉郷。

島根県の湯の川温泉、群馬県の川中温泉とならび、
日本三美人の湯として有名。

元湯は、龍神温泉のオーナーで作る(有)元湯が運営する、
村内で唯一の源泉掛け流しの日帰り湯。

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この良質な龍神温泉は、元湯をはじめ、
旅館上御殿、旅館下御殿、旅館有軒屋、旅館坂井屋、
旅館萬屋と季楽里龍神の
6施設に供給されているそうです。

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秘湯ファンクラブというものが
あるそうで、元湯は県外からのライダーの
憩いの場でもあるようです。

ナンバーも和泉、奈良、神戸、一番遠くは
習志野ナンバーもこの日見かけました。

秘湯、恐るべしであります。

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【龍神温泉。現在と過去とが上手く調和している温泉郷です。】

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温泉は、地球からの贈り物。

地球の履歴書。

今を生きる人へのプレゼント。

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龍神・100年の森、其の弐。

2010年10月04日 | ちいさな旅。

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【林道に入ると、英さんは雨に濡れた地面に目を移した。何故?】

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【私は単なる道と思った。しかし彼は動物の足跡を見つけたのだ。】

Kigi

人が仕事をしている昼間、
動物の姿を見ることは皆無である。

しかし、彼は夜に活動する
動物の足跡を見逃さなかった。

鹿の足跡である。この季節、
鹿は夜、「ピーピー」と恋い啼きするそうである。

鹿は岩煙草を食する。
イノシシは豊かな土壌に姿を現すという。

この辺りには天然記念物のヤマネも生息していると言う。
夜は、ムササビが出現するらしい。
豊かな森である証拠なのだ。

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ヤマネは「紀州ヤマネ」。
ムササビは「和歌山ムササビ」と呼ぶ。

和歌山。特に龍神は北に住む動物と、
南に住む動物が
混在して暮らしていると言う。

豊かな山の証拠である。

紀州・木の国と謂う所以である。

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【この山肌は先の大戦で強制伐採。戦後植えられた杉である。】

豊かな自然も政治の力で破壊されたのだ。
しかし人々は再び、森の再生を始めた。

そして今、再び、豊かな森を取り戻した。

Kigi

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【このスポットが100年の森。下草を刈って、間伐した所である。】

しかし、見てください。↑。
所々にサカキが残されていますよね。

山の持ち主は自分のことだけを考えず、
自生した、サカキを残したのだ。

理由は、村の人にこのサカキを還元して、
村の人の収入源にしたのだ。

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さらに、尾根伝いの枯れた杉を
2本そのまま残したのである。

理由は、村の皆に話さなかったようだが、
枯れた杉の穴に住む、ムササビの
生活を乱したくないという配慮なのだ。

森の生態系を崩さないようにとの心配りだ。

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これは、意図したことでは無く
林業を生業とする人々の当然の行為である。

植物・動物、そして人間が共存している
この土地では当たり前のことなのだ。

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【林道を過ぎた所に、作業道を作っている。凄い勾配である。】

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これも、山と人間の折り合いをつけるための成せる業なのだ。

本来の森を守る人達は、命ぎりぎりで山を守っているのだ。

だからこそ、龍神に限らず、山を生業とする人々は今を生きる。
生命の大切さ。生命を次の時代に
リレーしようと努力しているのだ。

Kigi

龍神では、誰が教えるのでも無く
若者は、森に入る前には必ず
樹々に神酒を供え、昔ながらの
儀式を済ませてから
山に入るそうである。

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これこそ、次の世代へ
生命のリレーをしている姿だと思い知ったのである。


だからこそ、生命のリレーは

本当に、尊いのである。

Kigi

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【龍神温泉は美肌効果の高い泉質で日本三美人の湯の一つだ。】

何か、凄い神聖な気持ちになった私だが、散策が終わり
宿に戻ると、すぐ温泉に浸かったのである。

考えてみると温泉も自然だ。
温泉は、地球からの贈り物であり
地球の履歴書であると思うのだ。
今を生きる人へのプレゼントだ。

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そして今は、食欲の秋。
私達の口に入る、魚や肉、野菜に
感謝しながら、秋の夜も深けたのである。

生命の共存。生命のリレー。

私達が今、生きている証なんだよね。

Kigi

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龍神・100年の森。其の壱。

2010年10月02日 | ちいさな旅。

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【龍神に「100年の森」という地名は無い。でも存在していたのだ。】

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【インタープリターの案内で「龍神・100年の森」を体験したんだ。】

Kigi

インタープリターとは、自然と人との「仲介」となって
自然解説を行う人のことだ。

今回、龍神・宮代の「登美屋」の英さんに案内してもらった。

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インタープリターは、自然に詳しいだけではなく、
話術、突発的出来事への対応、
全体構成の企画演出、参加者との
一体感の創出といったことが
資質として要求されると知ったのである。

今回の参加者は、私ひとりである。
それにも関わらず

予想していた以上の、とても素敵な
散策の企画をしてくれたのである。

感謝!!感謝!!。

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【散策は日高川支流の寺谷川付近の寺野地区からスタート。】

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【杉は植林後、120年でスパンしているとのこと。気が遠くなる。】

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始めに、彼は山を見上げて、こんなことを話してくれた。

「杉の樹は山では、自己主張して堂々とした姿ですよね。
 それに比べ、檜はひっそりと生きているでしょう。

 でもネ。いざ家を建てる時に樹を使う時、立場は逆転。
 檜が主役になり、杉は脇役。何か不思議ですよね。」

ふーん。なるほど、そうだよね!。これが自然だ!!。

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【イワタバコ。高い所は葉が大きく、低い所は葉が小さいのだ。】

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たばこの葉っぱに似てるから、岩煙草だそうだ。
湿った薄暗い所に群生。

鹿が背の届くところは、イワタバコの葉を食べるので
葉は小さく、背の届かない所は葉が大きいのである。

ここは、人間と植物、そして動物が共存する場所なのだ。

そう!。自然の中で、生命の無駄は無い。

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【湧き水の横に木の枝?否ナナフシである。擬態なんだよね。】

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【サワガニ。体は小さくとも英雄。出遭ったものを威嚇するのだ。】

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【この森に住んでいた、猿の頭蓋骨。死骸は動物達の食物だ。】

Kigi

この森は私有林のため、
林道はあるが、部外者は無断で入れない。

森の案内人だけが
許可を得て、
この森に入ることが出来るのだ。

そして、そのインタープリターの
案内による、散策に参加したものだけに
与えられる、唯一の
貴重な体験の散策コースなのである。

Kigi

そう、この土地の人の生業の林業の膨大な森。
昔からの自然が、そのまま残っているのだ。

生きているもの全て、命に限りがある。

この森で生まれ生活していた、
猿は死んでも、その身を
他の動物が食べる。
即ち、生命のリレーなのである。

何度も書くが、自然の中で生命に無駄は無いのだ。

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Kigi

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