日銀券を増刷して日本国を救う村島定行のBlog

①日本は世界最大の債権国、お金がなければ刷りなさい②英語を多用すると次第に馬鹿になる③靖国参拝は日本人の義務だ。

高橋洋一氏への疑問ーー(2)変動相場制のもとでは財政政策は効かないか

2009年01月20日 | 経済

 高橋洋一氏の金融政策の本を読んだ。いくつも疑問がある。変動相場制のもとでは公共投資や減税などの財政政策は円高になり輸出減少、輸入増加で財政政策の効果が海外に流出するから効果がないと述べている点もおかしい。マンデル、フレミング理論というものらしいが日本にはそういう例は過去にあったであろうか。景気がよくなって輸入増になるというのは高度成長以前にはあったかもしれないが最近では聞いたかことがない。韓国で景気がよくなると日本からの輸入が増えると言うのは聞いたことがある。これは韓国が全面的に日本の技術に依存しているという特殊事情からきている。米国は大量に外国から輸入しているからそういうことはあるかもしれないが日本では殆どのものは国産で間に合うというより国産志向が強い国では輸入増には結びつかない。ここ30年ほど国内の好況不況にかかわらずコンスタントに10兆円程度の黒字国であった。だからマンデルフレミング理論は日本には当てはまらないと言えるであろう。公共投資が円高に結びつくと言うのも怪しいものである。 高橋洋一氏はマンデルフレミング理論をあげて財政政策は効かないと主張するが近年の日本は財政出動を封印してきて、まともな財政政策はなかったといえる。今回の麻生総理大臣の定額給付金は財政出動と言えない。GDPの0.4%にしかならないのである。日本経済にさざなみ程度の影響も起こせないほど規模が小さい。これが景気浮揚にきかないことは明らかであるがマンデルフレミング理論により効かないのではなくて金額が小さすぎるから効かないのである。
 高橋洋一氏が唯一あげている例が宮沢内閣で打った16兆円の経済対策である。これが景気浮揚にまったく効かなかったのはマンデルフレミング効果というのである。たしかに大きな景気浮揚効果はなかったが円高に振れたと言う事実もないし、効果が海外に流出したと言う事実もない。マンデルフレミング効果の正しさを主張する根拠にならない。

 歳出削減と増税は国を滅ぼす、村島定行著、風詠社、500円、2008年11月

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