日銀券を増刷して日本国を救う村島定行のBlog

①日本は世界最大の債権国、お金がなければ刷りなさい②英語を多用すると次第に馬鹿になる③靖国参拝は日本人の義務だ。

高橋洋一氏への疑問ー(1)現在の不況は3年前の金融引き締めが原因か

2009年01月19日 | 経済

 高橋洋一氏の金融政策に関する本を読んだがほとんど参考にならなかった。いくつも疑問がある。まず現在の不況はサブプライム問題の影響ではなく日銀の量的緩和の廃止とその後の金利引き揚げが原因と述べていることである。現在の不況には明らかにトヨタが2兆円の黒字から一転して赤字に転落したことが大きく影響している。これが日本経済に影響しないことはない。金融危機はサブプライムローンだけに起因するものではない。サブプライムローンにもとづく損失は多くて2兆円だから大きな影響はない。しかし仮に日銀が量的緩和を廃止せずゼロ金利のままであったとしても金融危機の基ではトヨタは赤字転落の可能性が大きく、世界同時不況になったであろう事は想像が付く。 現在の不況は日銀の2006年の金融引き締めの結果ではなく、内需を軽視し外需のみに依存した経済運営をやってきたことが大きく影響している。日本のような経済大国が外需に依存して景気を維持しようとしたことがそもそも間違いである。米国、欧州が不景気になり、産油国、ロシア、中国、インドが調子がおかしくなれば内需の縮小を放置していた日本は景気を支えるものがないのである。 小泉内閣のとき外需が旺盛で戦後最長の好景気と言っていたのが間違いであったと言うべきである。あだ花であったのである。その間、内需は縮小し続け、低所得層は増え続け、労使関係は不安定になり、労働分配率は悪化し続けたのである。国民の暮らしは一貫して悪化し続けたのである。ただ一部の外需産業だけが円安で物が売れて景気が良かっただけだ。 バブル崩壊からの立ち直りの過程で日本がとった戦略(内需を軽視し外需に依存する戦略)が間違っていたのだ。中川大臣は「日本のバブル崩壊で立ち直った経験を欧米諸国に伝授したい」といったが日本は内需崩壊からたち直りに失敗したのである。日本がバブル崩壊から立ち直りにもたもたしているうちに米国と欧州とその他の諸国が新たなバブルが崩壊したと言うところである。
 日本が豊かな暮らしを望むならば外需に依存してはその目標を達成することは不可能である。内需に依存せざるべからずである。外需で生きるのではなく、内需を育て内需で生きていかなければならない。

歳出削減と増税は国を滅ぼす、村島定行著、風詠社、500円、2008年11月

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする