JAZZ最中

考えてみればJAZZばかり聞いてきた。いまもJAZZ最中。

ヨーロッパ・ジャズ黄金時代 / 星野秋男

2009-11-14 16:21:08 | 


UNにアルバムをみにいったらこの本がビニールケースに包まれて販売されていました。
大体、本というのは手にとって内容を少し見てから買えるのに、まるでどのようなものか解らない。“金の帯にはジャズ史にそびえる金文字塔”とあり第一人者が満を持して世に問う本邦初の本格的解説書とあります。
ヨーロッパジャズを良く聴きますが、集大成してくれているのでしょうか、お値段2,800円はちょっとお高いけど、買ってみました。

ヨーロッパ・ジャズとは何だろう?の書き出しで始まる星野氏の著書は、ヨーロッパジャズの歴史を紐解いたあと、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、北欧、東欧、その他の国のそれぞれの発展とミュージシャンを解説、加えてプログレシブ、ロック、クラブ・ミュージック、クラシック音楽とジャズの関係を記した力作だと思う。

ただ、基本的には認識の甘い私が、内容を見ることが出来ない状態で購入したためちょっと想像とは異なっていました。
最近のヨーロッパジャズを多く聞く私は、そこ等辺がテーマかと期待してしまいました、なんせ今はヨーロッパジャズの黄金時代、ではと思い込みがあったからいけない。
「ヨーロッパ・ジャズの黄金時代」と呼ぶのは、アメリカのジャズのコピーから60年代初頭の試行錯誤、中期の激動をへて60年代後半に完成、70年代初頭まで継続した画期的な時を言うのだそうで、そもそもそこを間違えた。
しかしいい機会なのでお勉強することにしました。

図書館で期限のある本をつい借りてしまうので、こちらにはなかなか集中できないのですが、ヨーロッパ・ジャズの歴史という部分とイギリス部分を読んだところでです。
この時代のヨーロッパ・ジャズの特徴を言えば、「クラシックの圧倒的な伝統をバックに、音楽的知識と演奏技術に優れ、アメリカのモード奏法やフルージャズを消化した上で、そこにクラシックや現代音楽、ユーロロック等のセンスを加えながら、エモーションを一度解体し、ヨーロッパ特有の知性と感性で再構築する独自な手法や独特の深み、ニュアンス等があげられるが、アメリカのジャズと一味違うこした独自制こそがヨーロッパ・ジャズの魅力といえるだろう」ということになります。
そしてもう一つの特徴として「楽器のテクニックの高いことが上げられる。これは長いクラシックの訓練の後にジャズに転向する者が多いためだろう。」
確りと文にしていただくと、日ごろ考えることがとても収まりよくなりました。
ヨーロッパ・ジャズで私が感じるのは、クラシックの圧倒的伝統に繋がるのでしょうが、ロマ(ジプシー)の存在です。
各地を放浪し、現地の音楽に影響し影響され相互に発展しながら、国の枠を超えた繋がりが形成されているようで、そこには国ごとの解説とは別の、音楽の流れがあるように思います。
さてこの本、この章でちょっと話が飛んでしまいます。革新をとげている偉大なジャズに対して、『ある人が「モーニング娘」が大好きだとしても、だからといっていってそれがコルトレーンの「至上の愛」よりも価値が高いことにならない。」という論、「ジャズ・ファンはかれる・ボエリーのような聴き易いピアノ・トリオばかりでなく、たまにはそうした硬派な演奏にも目を向けるべきだろう。ジャズはきれいなメロディで単に癒されればいいという音楽ではないし、暇つぶしの娯楽でもない。」
ということがヨーロッパ・ジャズの歴史の最後の部分に論じられます。もちろんこの論に対しては拍手を送る側ですが、かといってこれがこの章に必要だったかどうか。

星野さんのこの本、力作であり、そんななか総論の中で自説を主張をされたかったのでしょうね。
この本に感謝しなければいけないことは、私のようなあやふやなことしか知らないものが記事など書くわけですから、適当なことがたくさんあります。
先日、曖昧なままに書いた、ガトー・バルビエリの記事に関し、それを正す解説がありました。(2009年10月2日の記事)
おかげさまで、記事に追記という形で、正確な部分を追加することが出来ました。

http://blog.goo.ne.jp/monakasm/d/20091002

星野秋男さん、ありがとうございました。













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3 コメント

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Unknown (criss)
2009-11-15 20:02:02
monakaさん、今晩わ。
結婚式、お疲れ様です。

僕も先ほど、当直先の病院から帰宅したところです。

偶然に同時にアップしたみたいですね。
monakaさんは「ヨーロッパのジャズ・ディスク1800 」はご存じなかったですかね。

もう10年前のジャズ批評の別冊ながら、今でも高価で取引されている名著です。岡崎氏とか星野氏とか、トンデモもなく優秀なブレインがいたし、原田氏もまだいたころなので、パワーがありました。今後、もうあのうような雑誌はでてこないのでしょうね。機会があったら拾ってみてください。DUあたりだと5000円ぐらいでときたま店頭に並んでいることがありますので。

ということで、こちらからもTBさせていたさきます。


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訂正 (criss)
2009-11-15 20:05:11
monakaさん、ごめんなさい。

名前を間違ってしまいました。

岡崎氏ではなく、岡島(豊樹)氏です。
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最近です (monaka)
2009-11-15 20:32:56
crissさん、こんにちは、私が皆さんにまちがっったことを言ってはまずいと思い出したのは、つい最近です。
そんなもんで、権威ある著書などは読んでいませんでした。
この本で勉強になったと思ったりしています。
レベルアップをするようにがんばります。
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