
エンリオ・モリコーネが自らを語る2017年のドキュメンタリー・映画。
原題は「エンリオ」だけど日本では「モリコーネ」が通るのだろう。
モリコーネは2020年に亡くなっているからその数年前の貴重な映像と、彼の凄さを検証するドキュメンタリーだと思う。
モリコーネの音楽が大好きで、彼の作品集を見つけて喜んだ。
彼自身が指揮をとるコンサートは結構行われているようで、これも手に入れた。

演奏曲目はこのよう。

モリコーネの作品を演奏をしているミュージシャンはおおくて、ジャズの場合、特にニューシネマ・パラダイスが多いように思う。
そのメロディからとても色彩のつよい演奏になるからなのかもしれない。
モリコーネに特化(一部)したアルバムを並べたらこうなったが、どれも結構いいアルバムになっていると思う。



そして今回のDVDになるけれど、最初からモリコーネ(というより映画タイトルのエンリオの方がいい)が自宅でエクササイズをしている場面から始まる。
自らが、自分の軌道と感情を語る形式で進むドキュメンタリだから、かなり興味をそそられる。
ほとんどの曲で、これはやめるとか、これは面白くないとか言い続けているので、そのような性格なのだろうけど、実はその力とは裏返しで作品は素晴らしい。
映画では、エンリコ・ピエラヌンッエ,パット・メセニーやハービー・ハンコックが彼を語る。


楽団のトランペッターの父にトランペットを仕込まれ、その後楽曲を学んだエンリオは、編曲者からスタートを切ってヒット曲のアレンジを多くてがける。
そのあと、映画音楽の作曲を手掛けるようになるが、実はクラシックの作曲が本筋とおもっていたようで、映画監督とも折り合いが良くなかったと語っている。
しかし、作る曲は、監督を魅了し、それが語られる。
本人が語るからまさにそのままで、1986年のアカデミー賞候補、「ミッション」”ガヴィウリエルのオーボエ”ではハービー・ハンコックの”ラウンド・ミッドナイト”の方が受賞し、大きな不満ががうまれた。
次も「アンタチャブル」でh、これは坂本龍一の”ラスト・エンペラー”に阻まれた。
その後2作をもダメで、トランティーニの「ヘイト・フル・エイト」でやっとアカデミー賞を受賞した。
映画音楽が好きではないと、ちょっと引くところはあるかもしれないが、いかに音を映画に入れていくかのエンリオの話など、とても貴重な発言が収録されている。
これ見ていて、”ウエスタン”という曲がとてもきれいだと認識したし、”ワンス・アポンナ・ア・タイム・イン・アメリカ”はもう一度、見ようかなともおもった。
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