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JAZZ最中

考えてみればJAZZばかり聞いてきた。いまもJAZZ最中。

エージェント17 ジョン・ブロウンロウ 著 武藤陽生 訳

2025-06-02 17:15:40 | 
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文春の評価がよかったので買ってみた。著者のジョン・ブロウンロウは英国の脚本家、小説家、映画監督だそうで、まさにそのような人が書いた本だった。
549頁もあって、これは大変かなと始める。ちなみに1ページ目のすこしを引用する。

 君はパーテーションで仕切られた部屋にいて、百ある無個性な狭いベージュ色の檻の一つに座り、オフィス用のシャツ、オフィス用の靴、オフィス用のネクタイという恰好で、エアコンのうねりを聞き、今日の食道の日替わりはなんだろうとか、午前11時はhhを過ぎたらノンデカフェをキメてやろうとか空想しながら、生後半年になるアゼルバイジャンの新聞を穴があくほどい見つめ、どんなくだらない断片でもいいから、首都バクーの政治的ヒエラルキーの底辺同士のいがみ合いのなかに、何かつけ込める情報はないだろうかと一縷の望みを抱いている。
 余談だか、バクーはイカれている。それもとんでもなく。ステロイイド漬けのドバイみたいなもんだが、もっと腕っぷしが強い。

コリャ参ったこれが500頁以上だと読み切れない。どうしようかとネットでけんさくしたら、50頁まで行くと快調になりますとあった。
結局そんなことはない、40ページ過ぎたころから快調、これが面白い。
話はセブンテーンと名付けられた超一流の殺し屋の話で、前任、隠遁している前任者を殺害を指示されることから始まるけど、これがまさに脚本家のかいている小節。
短い章割、それも時間の枠は外さない展開でとても読みやすくなる。って最初は何だったんだとおもいながた、話は中だるみもすることなく、そして6部143章など、切なくなる思いがあったりと、読みごたえも十分。ディヴァーの本を読んだあとだけど、こちらの方が軍配があがる、実にうまいと言いたくなる小説だった。 



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