JAZZ最中

考えてみればJAZZばかり聞いてきた。いまもJAZZ最中。

今年一番の驚き Where Is Home (Haw Ke Kae) / Abel Selaocoe

2022-09-30 09:31:12 | チェロ無難


久しぶりにショップに行ってチェロのアルバム2枚とジャズを一枚(全部記事にする予定)の一枚。
その一枚がこれで実に適当なせんたくだったけれど、これが大当たり。
実は、ヘンリー王子とメイガン妃のロイヤル・ウェディングで演奏したシェク・カネー=メイソンの新しいアルバムかと(これまで一枚も持っていない)思ってよく見ずに買ってきた。
曲名を見てもよくわからない、バッハの名前があるのが判るだけ。それで聞いてみたのだけれど、1曲目”Ibuyile I'Africa / Africa is back”でぶっ飛びました。クラシックの棚にはあったけれど、これはその範疇ではない。何とも美しい賛歌ではないか、”Africa is back”なのだ。Yo-Yo Maも高い評価をもっていて、ボストンからリモートで録音に参加、感極まった表情で演奏している。



全部で16曲、アベル・セラオコーの曲が10曲、ジョバンニ・プラッティのチェロソナタバッハの無伴奏チェロ組曲から2曲になっている。
1曲目の”Ibuyile I'Africa / Africa is back”の美しさにびっくり、しちゃったけれど、その後も驚くことがある。12曲目バッハの”無伴奏チェロ組曲第3番ハ長調 BWV.1009~ IV:サラバンド”だけど、なんとセラオコーがチェロを弾きながら歌うのである。
3曲目、ちょっとだみ声の歌にはタンザニアとかアフリカという言葉がでてきて、旋律、和音と同じように民族というものが要素として同じような重さである。9曲目”Qhawe / Hero”ではだみ声のお経みたいにきこえなくもなく、好みじゃないとなるかもしれないけれど、11曲目”Seipone / Mirror”では、ケチャのようで、そういえばジョン・マクラフリンが同じように演っていたのを思い出した。
4曲目から7曲目のプラッティのチェロ・ソナタはバロック。チェロをつかっていてバロック音楽なので、クラシックの棚にあるのだけれど、セオコラーの曲6曲ではエレベが使われている。クラシックとはジャズという枠はなく、先に書いた旋律、和音、に民族というものになんの違和がないということなのだろう。クラシックの日地はかなりの衝撃ではないだろうか。
こちらも衝撃を受けたわけだけれど、そういえばリチャード・ボナが登場したときに感じたものを思い出す。
ジャズとして聞くとかの問題ではないけれど、テキストの中、「compositions/inprovisations Abel Selaocoe」と明記されているからその部分も大雪で、9曲目などでチェロがまさにインプロしているのを聴くことができる。

今年一番驚いたアルバムに偶然巡り合うことが出来た。皆さんにも聞いてほしいと思ったらネットに1曲目の演奏があった。
ぜひちょっと驚いてみて下さい。



Where Is Home (Haw Ke Kae) / Abel Selaocoe

アベル・セラオコー(チェロ:2,4-7,11,15/チェロ&ヴォーカル:1,3,8-10,12-14/ヴァーカル&パーカッション:16)
ヨーヨー・マ(チェロ:1)
コリン・アレクサンダー(チェロ:1,3,10)
Simran Singh, violin(1,3,9,10,13,14)
Max Baillie, violin(1,3,10)
Rakhvinder Singh, violin(9,13,14)
Ruth Gibson, viola(9,13,14)
Fred Thomas, piano(1); high percussion(3,8,10,13-16); double-bass(4,6,7)
Alan Keary, electric bass(3,8,9,10,13,14)
Sidiki Dembele, calabash & djembe(3,8,10,13,14)
Mamadou Sarr, congas & talking drum(3,10,13,14)
Kadialy Kouyate, kora(4,6,7)
Elizabeth Kenny, theorbo(4-7)
Alice Zawadzki, voice(1,3,8,13,14)
Cherise Adams-Burnett, voice(1,3)
Thandanani Gumede, voice(1,3)
The Selaocoe Family, voices(16)

録音時期:2021年8月26日
録音場所:ロンドン、Church Studios
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
*ヨーヨー・マは2021年9月23日、ボストンからリモート参加

1. アベル・セラオコー:Ibuyile I'Africa / Africa is back
2. アベル・セラオコー:Dipolelo / Recite
3. アベル・セラオコー:Zawose (for Hukwe Zawose)
4-7. ジョヴァンニ・プラッティ:チェロ・ソナタ第7番ニ長調 I.84
8. アベル・セラオコー:Hlokomela / Take care
9. アベル・セラオコー:Qhawe / Hero
10. アベル・セラオコー:Lerato / Love
11. アベル・セラオコー:Seipone / Mirror
12. J.Sバッハ:無伴奏チェロ組曲第3番ハ長調 BWV.1009~ IV:サラバンド
13. アベル・セラオコー:Invocation
14. アベル・セラオコー:Ka Bohaleng / On the Sharp Side
15. J.Sバッハ:無伴奏チェロ組曲第5番ハ短調 BWV.1011~ IV:サラバンド
16. アベル・セラオコー:Ancestral Affirmations



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