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JAZZ最中

考えてみればJAZZばかり聞いてきた。いまもJAZZ最中。

日本型組織の病を考える / 村木厚子 著

2020-02-26 07:48:15 | 


村木厚子さんとは、2009年6月、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課長時代に「障害者郵便制度悪用事件」で大阪地方検察庁に虚偽有印公文書作成・同行使罪で逮捕、のちに監察官の証拠改ざんなどが発覚し、無罪となった人。
ショッキングな事件だったので記憶にはあったけれど、その方が書いた本が出ていたのですね。1年半前に出版されていたらしいけど、ショップにあったのを見つけて購入。
普通読んだ本のことは書くけれど、個人嗜好だから推薦はあまりしない。でもこの本凄い。今更だけれどおすすめしたい。
当事者としての記述と回想、その重みが普通の事件ドキュメントを圧倒している。そして素直な人間性と官僚としての立ち位置の正しさに感度する。
なぜ検察は間違いに気づいてもそれを修正できなかったのかを日本の組織が持つ病理の解析にいたる。
氏は2015年厚生労働事務次官を最後に退官し、この逮捕劇で体験、気づいたことをもとに、「困難を抱える若い女性を支えるプロジェクト」を立ち上げたり、累犯障害者を支援する会「共生社会をつくる愛の基金」を支援していて、自分の信念を開示している。
最終章は「闘いを支え続けてくれた家族へ」でこの方の考え方のスタンスに大きく感銘を受けた。

再度いうけれど、今更だけど推薦です。
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カッティング・エッジ  ジェフリー・ディヴァー 著 池田真紀子 訳

2020-02-23 13:25:39 | 


ハードカバーは極力買わないようにしているけれど、買ってもいいかなと思うのはディヴァーの小説。ゆっくり堪能したいのもあるけど、結構長いので図書館のだとちょっと読み切りに自信がない。
今回は出版がわかって、すぐ申し込んだので待ち時間も少なくて済んだの借りることにした。
アメリアと夫婦になったリンカーン・ライムは二人の間の緊張感が若干薄れた感じ。今までと一番違うのは、犯人の残した微量残存物を小説内では書き出さないところ、ずっとそうしてきたから今回は代えてみたのでしょう。
もう一つ犯人の名が最初から出ていて、もちろんそれだけじゃないのはわかっているけれど、そこも違う。
こいつは怪しいいというのも最初から怪しくて、その点まいりましたという驚かせはなかった。
どうつながるのだろうというのが今回の面白さだったかも。
まあ後半はさすがだから、貸出期限な愛には読むことが出来ました。
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うそつき 夫・野坂昭如との53年 野坂暘子 著

2020-01-30 20:05:25 | 


新聞の広告でこの本はしっていたけれど、丁度図書館の返却棚にあったので借りてみた。
それこそ昔にデヴュー作といくつかは読んだけれど、特に追っかけではない。ただ長い間話題を振りまいてきた人だから人生的には身に近い作家だった。
酔っぱらっている姿はいくつか覚えている。
2015年に85才で亡くなっていたけれど、そのこともはっきりと記憶していなかった。最後の13年間は脳梗塞でたおれてオクサンの介護をうけている。
「日々酔如泥」と多くの色紙に書いてていた人だから、連れ添ったオクサンにお酒の迷惑を限りなくかけていたはず。本にもそのことはかいてあるけれど、そのオクサンがその酒飲みのことをどう書いているかが気になって借りてみた。
はい、こちらもオクサンにはかなり迷惑をかけている。

オクサンが語らう昭如との思いで、昭如から聞いた人生などがつづられた本、もちろん恨みつらみの本じゃないとはおもっていたけれど、野坂昭如とは幸せな人だったと思う。
私はこうはいかないだろうと思う。一般的ではない極氏的私情のあふれた本。
多くの人に勧める本ではないような気もするし、出版社にも怒られだろうけれど、こうしてみてはいかがだろうか。

あなたなの?

で始まる最初の10行を立ち読みしてみてることをお勧めする。
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死に山 《ディアトロフ峠事件の真相》 ドーニー・アイカー 著 安原和見 訳

2020-01-16 13:39:29 | 


面白そうなので図書館に予約して、半年たったら順番が廻ってってきた。読みたけれすぐ買えばいいけれどハード・カバーは扱いが大変だから、よっぽどでなければ買わない。
読み始めたらこれが面白い。今途中のベストセラー・ミステリーがページが進まないのがウソのように読みやすい。

ディアトロフ峠事件とは1959年2月2日の夜、当時のソ連領ウラル山脈北部で雪山登山をしていた男女9人が不可解な死を遂げたことで知られる事件である。
この本は、なぜ野外活動の経験豊富な男女9人が、零下30度という状況で、まともに服もつけずテントから飛び出し、確実な死に向かって1キロ半を歩き続けたを、アメリカのドキュメンタリー映画作成者が追求し、驚くべき結果が・・・という本。
極寒の状況で服を脱いでしまう現象は、本で読んで理解しているけれど、驚くべき結果とうのに惹かれて読み始めました。

これが読み始めたらとまらない、事件は1959年2月2日に起こったわけだけれど、このグループが準備の段階の同1月からの彼らと、遭難後の捜査隊の模様の2月中からの部分と、著者がこの事件を取材、検討する2012年のながれが、交互に書かれていて、さすがドキュメント映像作家と思う。
読み進んでもなぞは深まるばかりで、これはUFOの地球来襲としか思えない展開で止まらない。
もうほとんど最後になってやっとキーワードが決まるのだけれど、それはここでは書けない。
最後にこの隊の最後を再現するところ、強い意志の若者たちの無念が明らかにされ、それを突き詰めた著者には作家以上の尊敬が値すると思った。

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運命のコイン ジェフリー・アーチャー 著 戸田裕之 訳

2019-12-03 21:54:00 | 



「クリフトン年代記」が完結して一休み状態(短編集があるものの)だったけれど、すんなり次の長編が出て、ちょっと驚きながらもこれはうれしい。
ディヴァーと違って文庫で出てくれることもうれしい、もちろん即買い。
1968年ソ連ペテルスブルクで独自の労働組織をつくろうとした父親はKGBに抹殺され、なおKGBの手が迫る母エレーナと息子アレクサンドル。叔父の助けを借りて海外への密脱獄をかかる。どのコンテナにかくれるか、ニューヨークとロンドンに行く二つの箱、どちらにするかコインの裏表で選んでという始まり。
これは言っても怒られないだろうけれど、コインの裏表をそれぞれ描いていくという、さすがのストリー・テラー、アーチャーという感じ。
話の進みもコインの裏表、「ケインとアベル」を思い出させる進展はこれは実は久しぶりの興奮(アーチャーとして)です。クリフトンも面白かったけれど、こっちは興奮もの。
最後の7部の終わり方は寂しく感じてしまうけれど、それまでの6部で満足を通り越しているから文句はありません。
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病気自慢 からだの履歴書 玉村富男 著

2019-11-19 16:19:54 | 


東海林さだお氏のエッセイは近頃読んでいないけれど、「ガン入院オロオロ日記」というタイトルなので買ってみた。東海林さだお氏のちょっと斜めに構えた目で入院をどう見るか、ある意味貴重な示唆があるかもしれないと考えたわけです。
東海林氏書かれているジョージ君からみると若く感じるかもしれませんが、本年82歳だそうです。この入院は2016年(79才)の年だそうで疾患は肝細胞癌40日の入院だったそうです。入院日記の方は最初の3節50ページなので、これをもってほんのすべて出なかったのはちょっと残念。ただし達観した病院生活(と感じる)は身に着けていいのではと思う。



東海林氏それまではかなり健康で、入院歴はその前2回、齢はわかりませんが尿路結石で3日、鼠経ヘルニアで4日の7日間だけだそうで、これはうらやましいのかやっぱり79歳で40日はきついとかんじるか、どうかなというとでしょうか。

入院記は3パートだけなので、この本はここで終わりにして図書館で見つけた本がメイン。

玉村富男氏長野にワイナリーを作ってしまった食通のエッセイスト、自由な方と以前からあこがれていた人。この人の入院歴の本です。
この方37歳から73歳までに8病院14回入院されたそうで、こちらは多いといった方がいいかもしれない。書かれたものを読むといかにも健康的と思っていたのでちょっと驚きました。

最初が1972年、後部座席に乗っていての交通事故ですからこれは不可抗力でしょうか。この事故の影響で3回入院ですから残りが11回。
次が40才で大量吐血で転院を含めて3回入院。健康的な生活を送られていたと思ったのですがさすが流行作家、エネルギッシュというか無理じゃないという生活をされていたようです。日常生活は吐血した日もこうです。軽井沢の自宅近くでテニスを数時間、かえって夕食をつくりワインを飲みながらゆっくり食事、その後書斎に上がって、ジンを飲みながら執筆、最後はほとんどオンザロックで5,6時間、翌日11時過ぎに書き終えて、その後、前日のワインを飲んだらおなかがおかしい。トイレにいったら2Lの吐血だったそうで、私はこんなことはできません。一流はやはりタフなのですね。
12年後53才でお酒とマンゴーのアレルギーで高血糖をおこし虎ノ門に2回、計27日入院されたようです。ちょっと長くなっちゃうけど大問題なのでちょっと引用。

虎ノ門糖尿病病棟では
「ああ、これで一生、酒は飲めないのか」
「鰻も焼肉もダメなのかぁ」
「くえーっ、生ビールがのみてぇ」
みんな口ぎ地に、自由だった娑婆の世界を思いながら、塀の内側に ~  二度と忌まわしい生活習慣に戻らないよう、コンコンと説教されてからようやく解放されるのです。

絶対糖尿にならないようにしなければ(そのけがある)。
2001年56歳で胃潰瘍で入院。
2013年白内障の手術は入院なし。
2016年肝細胞がんでラジオ波焼灼術で入院。以後このRFA術で3回入院で14回か。
結局輸血により肝炎との闘いのようですが、玉村さんは冷静に事態をうけとって、逆にしらけるくらい自分にクール、自我の筋が一本十ている感じです。

病気内容も、原因も違うお二人ですが、世の中で一流とみられる人って強い人たちなのですね。

私1病院3回入院、それも最後が30年ぐらいまえで(不確か)東海林さだお氏よりすくなくて、内容は軽い。ちなみに入院内容は発見の遅れた虫垂炎と予後がわるて、数年の間に腸閉塞2回(これは死ぬおもいでした)です。軽い入院履歴の割には臆病なせいかくなのでできるだけ増やしたくない。きっとガクッとしてしまうだろう。
今回のこの2冊、お二人みたいに強くない人、自重しなさいよってことでしょうか。

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11月にさりし者 ルー・バーニー 著 加賀山卓朗 訳

2019-11-13 16:53:20 | 


まるで知らない人だったけど、ケネディ暗殺事件につながる、と逃亡劇ということで、面白そうなので買ってあった。面白い本が続いていてこれもそうだろうという期待感で読み始めた。
登場人物のキャラクターを把握できるまで、ちょっと読みずらかったけれど、そこがすんなりするとこえは素晴らしい。
スピーディーな、それも思わぬ展開が、これは映画になると確信するような運び。
切ない展開と落ち着いた着地、これも面白いにつながって今年は良い展開です。
主人公がジャズ好きで、ボッシュじゃないけれど随所にちょこっと出てきて、これも楽しい。
ラウンド・ミッドナイトなあんて、ある意味立て糸みたいに効いてくる。
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マチネの終わりに 平野啓一郎 著

2019-10-27 08:44:24 | 


ここのところ面白い本が続いて、もう駄目だろうと思うから、思い切って方向を変えてみた。映画が公開される恋愛小説『マチネの終わりに』、恋愛小説なんて何十年ぶりじゃないかな。
映画の方は主役のギタリストが福山雅治だそうですが、私が本を読んだ感じでは竹ノ内 豊の方があっている感じだけど、ギターが弾けるからしょうがないか。
クラシック・ギターの話が流れなので、それなりに面白く読んだけど、あんりゃなんて展開は、これが恋愛小説というものなのかと思いました。
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オーバー・エベレスト  陰謀の氷壁 嶋中 潤 著

2019-10-19 07:59:45 | 


読んだ小説が4つ、連続して面白かったのはまれにみることだけれど、そうなると5つ目が難しい。

実は2つの小説を買ってどっちにしようか迷っていた。久しぶりに関西に出張がはいったので、生き返りはどちらかを持っていこうときめていたら、なんと早朝ごたごたして家に忘れてしまった。
しょうがないから書類などを見ながら大阪へ、訪問するところの時間まで5分ぐらいあったので、駅のショップで買ったのがこの本。

日中合作の映画をノヴライズした小説だそうだけれど、ノベライズしたものって初めて。5分で選ぶのだからかなりエイ・ヤなんだけれど山ものは昔から嫌いでない。
まあ5つづけて面白さが増すというのは無理だろうけれど、列車の中で活字がないのは我慢できないのでしょうがない。
200ページに満たないからあっという間に読み進むけれど、プロットは単純、ただただ筋が進むのは映画もこうなのだろうか。
別所広司が演じる救助部隊の体調は好きだけれど、登場人物のほとんどがステレオ・タイプなので深くならない。
終わり方もまるで絵に描いたよう、って映画だった。
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訴訟王エジソンの標的  グレアム・ムーア 著  唐木田みゆき 訳

2019-10-11 16:14:48 | 


ここのところ読んだ本が3冊連続で面白度が増した。本読みにはうれしくなることだけど、次も続くかなと読み始めた。
名ミステリー「推定無罪」のスコット・トゥローも「綿密に構成された、とても面白い小説だ。」て言っている。

登場人物が発明王のエジソンで、19世紀末電球発明時の直流送電か交流送電かの選択戦争で、エジソンの策略に対抗した弁護士のはなし。
史実にのっとった展開だけれど、実は知らなかったエジソンが描かれていた。
著者は映画「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」の脚本家グレアム・ムーアで、こちらも史実を描いたものでとても面白かった。
狙撃手なんかは出てこないから、読み出しのペースは速くはないけれど、ジェフリー・アーチャーの「クリフトン年代記」を読んでいるような感じでとても良い。

主人公のポール・クラバスの恋心が横線にあって、こちらがいい色付け、528ページの長い本だけど、残り200ページあたりからがぜん面白くなってきた。

最後は止まらなくなって、とても面白かった。この前の狙撃手の本より面白いかというと方向がちがうからきめかねるけれど、これは差がつけられないくらい良かった。
次のも買ってあるけれど、こう順調だとちょっと怖い。

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