ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

2012年 ブライテストホープ

2013-02-14 16:19:47 | 2012年総括

MICHAEL KIWANUKA / HOME AGAIN
NATALIE DUNCAN / DEVIL IN ME

昨年、2012年も沢山の新しいアーティストとの出会いがありましたが、その中でも「ルーツな日記」的ベスト・ニュー・アーティストは?と問われれば、この2人と答えます。という訳で、遅ればせながら昨年のブライテストホープ企画、まずはマイケル・キワヌカです。

英ノース・ロンドン出身の黒人シンガー・ソング・ライター。デビュー・アルバムのリリース前から英BBC「Sound Of 2012」のトップに選ばれるなど、注目されていたマイケル・キワヌカ。そしてこのデビュー作「HOME AGAIN」。ここで聴ける彼の素朴且つ穏やかな歌声の中に潜む深いフィーリングは、ただソウルフルというだけではなく、何処か浮世離れしたピュアネスを感じさせ、それはヒップホップが全てを飲み込んだような黒人音楽界にあってまったくもって特異な存在と言えるでしょう。両親はウガンダからの移民だそうで、そのアフリカン・スピリッツが彼の個性の大きな一因になっているのでしょうね。昨年のフジロックで観たステージも素晴らしかったです。疲れた体を彼の暖かい歌声が癒してくれました。そして今年4月にはビルボードライヴでの再来日も控えています。


http://www.youtube.com/watch?v=TpoVVdL3lDA
「HOME AGAIN」の1曲目を飾る「Tell Me A Tale」のライヴ映像。この曲は70年代のニューソウルな息吹を感じさせられて格好良い!

http://www.youtube.com/watch?v=cnRsdSRFYHw
「I'm Getting Ready」。こういうアコギ弾き語りこそ彼の魅力ですよね。こういうフィーリングを末永く持ち続けて欲しいです。



そしてもう一人はナタリー・ダンカン。英ウェスト・ロンドンはノッティンガム出身の女性シンガー・ソング・ライター。あのジョー・ヘンリーがプロデュースしているということで手にしてみた彼女のデビュー・アルバム「DEVIL IN ME」(写真)。そのタイトルトラックとなる1曲目「Devil In Me」の冒頭、彼女がアカペラで歌うその歌唱を聴いた瞬間、体が凍り付くような衝撃を覚えました。傷心と憂いを絞り出すかのように歌われるその歌声に。ジャズとブルースの狭間で悪魔と対話するような曲調もさることながら、彼女のその歌唱の凄みががただ事じゃない。聴けば聴く程引き込まれていきます。まったくもって恐るべき新人さんです。この曲があまりに凄すぎて、返ってそれ以降の曲に物足りなさを感じてしまうほど。でもこの1曲で彼女に対する期待値というのは個人的にMAXなのです。(アルバムの出来としては個人的にはちょっと不満だったりするんですけどね…。)

今年に入ってようやく日本盤でも彼女のデビュー・アルバム「DEVIL IN ME」がリリースされましたし、今月半ばにはビルボードライヴでの初来日も控えいますからね、これから日本でナタリー旋風が巻き起こるかもしれません。っていうか来日はもうすぐですね。もちろん私も観に行きますよ! 彼女の歌声を、生で、間近で見れると思うと、今からゾクゾクしてしまいます。


http://www.youtube.com/watch?v=JX_b1KU3GWY
「DEVIL IN ME」、素晴らしい! これで23歳ですからね~。末恐ろしいです。


http://www.youtube.com/watch?v=72YaaQnj9MI
ドラムンベース界を代表する鬼才ゴールディ。この曲「Freedom」でフューチャーされている強烈な女性ヴォーカルが、実はこのナタリー・ダンカンと知ってさらにびっくり。格好良いですよ!



なんか結局ビルボードライヴの宣伝のようになってしまった感もありますが、別に回し者ではありません。

グラミー賞授賞式

2013-02-12 17:32:54 | フェス、イベント
MUMFORD & SONS / BABEL

今年のグラミー賞授賞式も、豪華共演有り、サプライズ有りで盛り上がりましたね。最後に発表された『ALBUM OF THE YEAR』はマムフォード&サンズの「Babel」でした。正直、これは意外でしたね。てっきりブラック・キーズかフランク・オーシャンのどちらかだと思っていたんですけどね~。個人的にはブラック・キーズに獲ってもらいたかったのですが、発表直前にパフォーマンスをするのがフランク・オーシャンだったので、これはフランク・オーシャンかな~、なんて思っていたら、まさかのマムフォード&サンズですよ! これはこれで嬉しい!!

ちなみにブラック・キーズは主要部門こそ逃しましたが、ロック系部門で3部門、さらにダン・オーバックが『PRODUCER OF THE YEAR, NON-CLASSICAL』も受賞しましたから、それも含め計4部門の受賞は今回最多だそうです。

そして気になる『BEST NEW ARTIST』はFun.でした。期待していたアラバマ・シェイクスは残念でしたね~。 

その他、「ルーツな日記」的に気になるる受賞結果は以下の通り。

『BEST ROCK ALBUM』The Black Keys / El Camino
『BEST R&B ALBUM』Robert Glasper Experiment / Black Radio
『BEST COUNTRY ALBUM』Zac Brown Band / Uncaged
『BEST JAZZ VOCAL ALBUM』Esperanza Spalding / Radio Music Society
『BEST GOSPEL ALBUM』Lecrae / Gravity
『BEST AMERICANA ALBUM』Bonnie Raitt / Slipstream
『BEST BLUEGRASS ALBUM』Steep Canyon Rangers / Nobody Knows You
『BEST BLUES ALBUM』Dr. John / Locked Down
『BEST FOLK ALBUM』Yo-Yo Ma, Stuart Duncan, Edgar Meyer & Chris Thile / The Goat Rodeo Sessions
『BEST REGIONAL ROOTS MUSIC ALBUM』 Wayne Toups, Steve Riley & Wilson Savoy / The Band Courtbouillon
『BEST REGGAE ALBUM』Jimmy Cliff / Rebirth
『BEST WORLD MUSIC ALBUM』Ravi Shankar / The Living Room Sessions Part 1
『BEST HISTORICAL ALBUM』The Beach Boys / The Smile Sessions (Deluxe Box Set)


『BEST R&B ALBUM』をロバート・グラスパーが受賞する辺りは流石はグラミー賞ですね。そして『BEST GOSPEL ALBUM』のルクレイはアーバンなラップなんですよね~。英詩が解らない私には全くゴスペルに聴こえないんですけど、そういう時代なんですね~。

AMERICANA、BLUES、FOLKについては概ね予想通りと言いますか、取りそうな人が取った印象。『BEST REGIONAL ROOTS MUSIC ALBUM』を受賞したウェイン・トゥープス、スティーヴ・ライリー&ウィルソン・サヴォワの「The Band Courtbouillon」は、南西ルイジアナの大物アコーディオン奏者3人が集まったプロジェクトだそうで、これはケイジャン・ファンにとっては堪らない作品ですよね。私は残念ながらこのアルバムを持っていないのですが、これはぜひ聴いてみたいです!


さて、受賞式の方ですが、今年も凄いパフォーマンスの連続でしたね。個人的にはブラック・キーズとドクター・ジョンのパフォーマンスが良かったですね。だってこの2組より目立っちゃってんじゃないの?っていうホーン隊はプリザベーション・ホール・ジャズ・バンドでしたからね! ニューオーリンズ好きには堪らないセッションでした。そしてリヴォン・ヘルム・トリビュート。これはエルトン・ジョンを中心に、マムフォード&サンズやメイヴィス・ステイプル等が参加した豪華共演による「The Weight」だった訳ですが、やはりメイヴィスは素晴らしかったですね。彼女あってのこのトリビュート!という印象でした。アラバマ・シェイクスのブリタニー・ハワードも存在感を発揮していました。

その他ではアリシア・キーズとか、リアーナとか、ジャック・ホワイトなんかも印象に残っています。あと、パティ・ペイジとキャロル・キングを讃えてケリー・クラークソンが歌った「Tennessee Waltz」と「A Natural Woman」のメドレーも素敵でした。

パフォーマンス以外では、最初に発表された『BEST POP SOLO PERFORMANCE』の受賞者がアデルで、最後に発表された『ALBUM OF THE YEAR』のプレゼンターを務めたのもアデルという、なんか持ってる人は違うな、と言いますか、昨年のアデル旋風の余波を感じさせられました。あとプレゼンターで登場したプリンスの存在感も凄いものがありましたね。



超直前!気になるグラミー・ノミネート

2013-02-10 15:18:54 | フェス、イベント
YO-YO MA, STUART DUNCAN, EDGAR MEYER, CHRIS THILE / THE GOAT RODEO SESSIONS

上の写真、真ん中に写っているのは次世代ブルーグラスの旗手パンチ・ブラザーズのクリス・シーリ。その右隣、少し高いところにスチュアート・ダンカン、左端のコントラバスはエドガー・メイヤー、そして右端に写っているチェロ奏者はヨーヨー・マ。一見、クリス・シーリのニュー・プロジェクトのような佇まいですが、この作品はヨーヨー・マが取り組んだブルーグラス・プロジェクト。もう1年以上も前に出ていたアルバムですが、こんな凄いの出てたんですね~。これ、グラミー賞の『BEST FOLK ALBUM』にノミネートされてるんですが、そのノミネート・リストを見て初めて知りました。日頃タワレコなんかに行くと、必ずフォーク/カントリー/ブルーグラスのコーナーをチェックするんですけど、これはそこにはなかったんですよね~。ヨーヨー・マの作品だから、クラシックのフロアにあったんですよ。でもグラミーのおかげでこうして手元にある訳ですけど。こういう出会いがあるからグラミー賞は侮れません。ちなみに写真はDVD付きのデラックス・エディションです。穏やかさの中に緊張感のあるセッション風景も素晴らしい!


という訳で、明日に迫ったグラミー賞。一応、気になるところを纏めておきます。

とは言え、ここは「ルーツな日記」ですからね。やはり『BEST BLUES ALBUM』、『BEST AMERICANA ALBUM』、『BEST FOLK ALBUM』、『BEST REGIONAL ROOTS MUSIC ALBUM』辺りという偏ったチョイスです。この辺りは毎年個人的に大激戦なのですが、今年も濃いです!



では、まず『BEST BLUES ALBUM』。

33 1/3
Shemekia Copeland

Locked Down
Dr. John

Let It Burn
Ruthie Foster

And Still I Rise
Heritage Blues Orchestra

Bring It On Home
Joan Osborne

ここはおそらくドクター・ジョンではないかと思いますが、個人的一押しはルーシー・フォスターです。このアルバムは良いですよ~。そしてヘリテイジ・ブルース・オーケストラも面白い存在。昔は、例えばタジ・マハールのようにブルースを独自のミクスチャー感覚で聴かせるような人は割りと亜流なイメージを持たれたように思うのですが、現在では逆にそれがトレンドとも言えて、ブルースを含めたルーツ・ミュージックを独自の配合でいかに芳醇に聴かせるかがキーになっているように感じます。そういう意味でもルーシー・フォスターはもちろん、ヘリテイジ・ブルース・オーケストラも成功してますよね。


次は『BEST AMERICANA ALBUM』。

The Carpenter
The Avett Brothers

From The Ground Up
John Fullbright

The Lumineers
The Lumineers

Babel
Mumford & Sons

Slipstream
Bonnie Raitt

普通に考えたらボニー・レイットが強そうですが、アヴェット・ブラザーズやルミニアーズ、さらにマムフォード&サンズまでここに入ってくるんですね。ここも混戦模様。個人的にはJohn Fullbrightにとって欲しい! オクラホマ出身の白人フォーク/ブルース・シンガーだそうで、スタジオ作としては昨年、1枚目を出したばかりの若手です。ですが若手とは思えない渋さなんです。ボニー・レイットやマムフォード&サンズを押さえて受賞したら結構な快挙なんですけどね~。



続いて『BEST FOLK ALBUM』。

Leaving Eden
Carolina Chocolate Drops

Election Special
Ry Cooder

Hambone's Meditations
Luther Dickinson

The Goat Rodeo Sessions
Yo-Yo Ma, Stuart Duncan, Edgar Meyer & Chris Thile

This One's For Him: A Tribute To Guy Clark
(Various Artists)

ここはヨーヨー・マです。クラシックのチェロ奏者ですけど、今回はブルーグラスをやってます。しかもスチュアート・ダンカンやパンチ・ブラザーズのクリス・シーリと一緒に。この異色コラボが想像以上に良いんです! 美しい! まさに故きを温ねて新しきを知る。まるでトラディショナルを現代解釈したような新感覚の室内楽。いやジャンルを超えた現代のストリングス・バンドです。こういうの聴くと音楽って素晴らしいな、って思います。そして対抗はキャロライナ・チョコレート・ドロップスかな。この時代に黒人ストリングス・バンドを甦らせる奇跡のトリオ。彼らにはもっと光が当たって欲しい! あとガイ・クラークのトリビュート盤も忘れられませんし、ライ・クーダーも強そう。



最後は『BEST REGIONAL ROOTS MUSIC ALBUM』

Malama Ko Aloha (Keep Your Love)
Keola Beamer

Shi Kéyah – Songs For The People
Radmilla Cody

Pilialoha
Weldon Kekauoha

Nothin' But The Best
Corey Ledet With Anthony Dopsie And André Thierry

The Band Courtbouillon
Wayne Toups, Steve Riley & Wilson Savoy

この部門はいまいちよく分からない括りなんですが、「REGIONAL」は直訳すると「地域」とか「地方」でしょうか。つまり地域色の濃い米ルーツ・ミュージックってことですかね? ここにルイジアナ/ニューオーリンズ系のアーティストがノミネートされます。今回はケイジャン、ザディコから2組。コーリー・レデットとウェイン・トゥープス。特にコーリー・レデットのこのアルバムは評判良いですよね~。あとは正直、失礼ながら知らない名前が並んでいますが、ちょっと調べたところ、Keola BeamerとWeldon Kekauohaはハワイアン、Radmilla Codyはナバホ族 のアーティストのようです。

他にも『BEST BLUEGRASS ALBUM』とか、『BEST REGGAE ALBUM』、『BEST WORLD MUSIC ALBUM』、『BEST HISTORICAL ALBUM』など気になる部門は沢山あるんですけど、切りがありませんからね…。


でも最後に主要部門界隈にちょっと触れますと、やはりブラック・キーズが気になりますね~。ギター&ドラムス編成のブルース・ロック・デュオですが、元々はファット・ポッサム所属ですからね~。その爆裂振りが伺われます。そして話題のヒップホップ集団OFWGKTA一派の中でも異才を放つフランク・オーシャン。この2組が何部門で受賞するのか、ちょっと楽しみです。ちなみにブラック・キーズのダン・オーバックは『PRODUCER OF THE YEAR, NON-CLASSICAL』にもノミネートされていますし、彼がプロデュースしたドクター・ジョンの「Locked Down」は『BEST BLUES ALBUM』にノミネートされていますからね。

あとは『BEST NEW ARTIST』にノミネートされたアラバマ・シェイクスとザ・ルミニアーズも気になるところですが、ファン.とフランク・オーシャンがやはり強そう。でも意外とカントリー界から狙っているハンター・ヘイズもあるかも。まだ幼さの残る若者ですけど、この先、男性版テイラー・スウィフトみたいな大スターになる予感もありますよね。で、この彼、ルイジアナ生まれで、ケイジャンなんかを聴いて育ったらしい。なんか応援したくなります。正直、今年は主要部門の中でこの新人賞が一番面白い!




DR. JOHN / LOCKED DOWN
ブラック・キーズのダン・オーバックがプロデュースしたドクター・ジョンの「LOCKED DOWN」。ニューオーリンズと言うより、流行のレトロR&Bな雰囲気を感じさせられますが、ドクターらしいドロドロとした妖気が堪らなく格好良い!!
 


RUTHIE FOSTER / LET IT BURN
これは名盤ですよ! ニューオーリンズ録音。リズム隊はラッセル・バティステ&ジョージ・ポーター・ジュニア。ペダル・スティールのデイヴ・イーズリーが良い! ゲストにブラインド・ボーイズ・オブ・アラバマとウィリアム・ベルも参加。



HERITAGE BLUES ORCHESTRA / AND STILL RISE
グループ名に“HERITAGE”と付いていたり、ジャケのまるでブルース版キャロライナ・チョコレート・ドロップスのような佇まいから、鄙びたブルースを連想しましたが、これが意外とアーバンで骨太なブルースを聴かせてくれる。デルタ・ブルースからゴスペル、ニューオーリンズ等独自の咀嚼振りが素晴らしい。この名義ではデビュー作だそうですが、メンバーにはマディー・ウォーターズやハウリン・ウルフと共演歴があり、映画「キャデラックレコーズ」の音楽監修にも関わったなんていう経歴の持ち主がいたり、その腕前も確か。



CAROLINA CHOCOLATE DROPS / LEAVING EDEN
そしてキャロライナ・チョコレート・ドロップス。こちらは完全にいにしえのストリングス・バンドにタイムスリップ。このシンプルなプリミティヴ感は奇跡です。なんてったってプロデューサーはバディ・ミラーですからね。悪かろうはずがありません。実はこのトリオ、前作「GENUINE NEGRO JIG」でグラミー賞『Best Traditional Folk Album』部門を受賞してるんですよね~。2連覇なるか!



JOHN FULLBRIGHT / FROM THE GROUND UP
実は私、このJohn Fullbrightを知ったのは、Twitterで南部系に造詣の深い方が彼について呟いているのを読んだからでした。このジャケ写の雰囲気からしてただ者ではない感じですよね。若者らしい蒼さと若者とは思えない渋さが混じりあったような歌声が良いです。アメリカーナな作風以上に、そのストーリーテラー的な表現力に大器を予感させられます。



さて、日本時間で明日はいよいよ授賞式、楽しみですね~。

メイシオ・パーカー@ビルボードライヴ東京

2013-02-08 18:15:51 | ソウル、ファンク
MACEO PARKER / SOUTHERN EXPOSURE

2月1日、ビルボードライヴにてメイシオ・パーカーを観てまいりました。私が観たのは2ndショー。前日の1月31日は前回のブログに書いた通り、ミーターズ・エクスペリエンスでフレッド・ウェスリーを観ました。そしてその翌日にメイシオ・パーカーです。JBホーンズの2連ちゃんであり、2晩続けてのファンク漬けです。

さて、頻繁に来日しているメイシオ・パーカーですが、今回はなんと古稀記念ステージだそうで、つまり、メイシオは今月14日に70歳を迎えるそうなんです。え!もうそんな歳なの?と驚きつつも、60年代からジェイムス・ブラウンのバックで活躍してきた訳ですから、それぐらいになりますよね、と納得。いや~、でも若い!!

バック・バンドが演奏する「Fiesta」で幕を開けたステージ。メンバーはお馴染みのウィル・ブールウェア(key)、ブルーノ・スペイト(g)、ロドニー・”スキート”・カーティス(b)という鉄壁の3人衆に加え、ドラムスにはマーカス・パーカー 。彼はメイシオと共にジェイムス・ブラウンのバックを務めた弟メルヴィン・パーカーの息子さんだそう。メイシオから見れば甥っ子さんですね。さらにコーラスにダーリーン・パーカーとマーサ・ハイが並ぶ。豪華ですね~。マーサ・ハイですよ!! 元JB一座の歌姫であり、昨年はスピードメーターとの共演作も評判だったあのマーサ・ハイですよ! そのマーサがバック・コーラスですからね~。

そして「Fiesta」の演奏中に紹介され登場するメイシオ・パーカー。ですがステージには向かわずいきなり2階席へ上がって大きく両腕を上げてアピール。盛り上がる観客。前方のお客さんは既に立ち上がって拍手で迎えてる。流石のオーラを放ちながらステージに上がるメイシオ。1曲目は「Off The Hook」。アルト・サックスの音色はもちろん、歌声も、身のこなしも、70歳になるとは思えない切れ味。ファンキーこの上ない!まさに衰え知らず。もちろんバンドも最高! 私も1曲目から我慢出来ず、立ち上がって踊り出しちゃいました!

一応、メモを取りながら観てたんですけどね、1曲目から踊り出しちゃったこともあり、正直、セットリストはよく分りません。って言うか作れません。例えば「Off The Hook」の途中ではパーラメントの「P. Funk (Wants To Get Funked Up) 」やスライの「In Time」の一節が歌われたり、「Gimme Some More」では「Giving Up Food For Funk」とか、「Pass the Peas」では「Soul Power」とか、1曲の中に色々な要素が詰まってて、始まった時と終わった時で曲が変わってるんじゃないの?と思わせられることもしばしば。あと曲間にメイシオとウィル・ブールウェアの鍵盤とのデュオ編成で小曲をちょこちょこと演奏してましたし。例えば「Satin Doll」とか、「Love Me Tender」とか。(このジャジー&メロウな色合いが濃密ファンクのインタールード的な味わいでかなり良かったんですけどね)。という訳で完璧なセットリストは作れないものの、その核となる曲を順番に並べてみるとこんな感じ。


Fiesta
Off The Hook
Make It Funky
Baby Knows
Gimme Some More
Gonna Have A Funky Good Time
Keep On Marching
--------------------------------------
Pass the Peas


どうですか?ファンキーに攻めまくってますよね~! 我らがメイシオ、70歳にして攻めまくりです。ず~っと立ちっぱなしですし。時には華麗なステップも見せてくれます。なんかこのまま衰える姿が想像出来ない元気っぷり。彼を支えるバンド・メンバーも絶好調。トロンボーン奏者のデニス・ローリンズも随所でファンキーなソロを聴かせてくれましたし、ブルーノ・スペイトがもの凄いギターソロを披露したのは「Baby Knows」だったかな? 涼しい顔してギンギンに切れ込んでくるそのソロの格好良いこと! そして細かいコードチェンジを捌くキレと安定感が堪らなく気持ち良い! ホント、凄いギタリストです。

「Make It Funky」、「Gimme Some More」、「Gonna Have A Funky Good Time」など、JB'S関連の名曲を演ってくれたのも嬉しかったですね。やっぱり「Gonna Have A Funky Good Time」のリフって言うのは異様に腰に来ますね。これぞファンク! そしてブルーノ・スペイトがイントロを弾き始めた瞬間に、ウオ!っと驚いたのが「Keep On Marching」。メイシオの93年作「SOUTHERN EXPOSURE」収録曲ですが、オリジナルはミーターズ! そして「SOUTHERN EXPOSURE」でもこの曲でレオ・ノッセンテリがゲストとしてギターを弾いてるんです。そうです、昨日この同じステージでライヴをやっていたレオ・ノッセンテリです。おそらく彼へのリスペクトを込めた選曲なのかな~?なんて思ったり。ここでレオ本人が出て来たらもっと凄かったんですが、残念ながらそんなスペシャル・サプライズはありませんでしたけどね…。

アンコールはJB'Sのキラー・チューン「Pass the Peas 」。必殺のホーンリフですよ! バンドのソリッド且つ懐の深いグルーヴも堪らなくファンキー。すぐに「Soul Power」のリフレインに雪崩れ込み、最後はファンク・ジャムのような感じで終了。1時間半弱ぐらいだったでしょうか? 最初っから観客も盛り上がりっぱなしの濃密且つ爽快なファンク・ライヴ。楽しかったー!

それにしても恐るべしメイシオ・パーカー! 70歳にしてますます盛ん。だってマーサ・ハイの見せ場すら無しですからね。ちょっと勿体ない気もしますが、その分、切れ目無しにメイシオのファンクを堪能出来た訳ですけどね。純度100%のメイシオ印。恐れ入りました。

実はこの翌日の1stショーがフジテレビNEXTで生中継されまして、その時はマーサ・ハイとダーリーン・パーカーのソロ・コーナーもしっかりあったんですよね~。マーサは「Think」、ダーリーン・パーカーは「Stand By Me」を歌っていました。それとマーカス・パーカーのドラム・ソロもあったんですよね~。生で観たかったですけど、ま、こればっかりはしょうがないですね。



ちなみに私、昔はJB’S/JBホーンズが大好きでして、メイシオ、フレッド、ピ-ウィーが3人揃って来日していた時はもちろん、メイシオがソロになってからも来る度に観に行っていたんです。ですが最近はすっかり足が遠のいてしまって…。今回、メイシオを観るのは5年振り。まだビルボードライヴが出来たばかりの頃、久々にJBホーンズの3人が揃ったライヴを観に行った以来でした。あの頃はまだビルボードも手探りだったのか、せっかく盛り上がってきて前方のお客さんが総立ち状態になっても、係員が動き出してすぐに全員座らされたものです。おそらく後方のお客さんが見えなくなるからということだと思いますが、ファンクのコンサートでそれは無いんじゃない?なんて憤慨した覚えもあったり。ま、今はビルボード様々ですけどね…。今回も1曲目から立ち上がっちゃいましたけど、まさかまた座らせられることは無いだろうと、安心して立ち上がりました。


いやはや、前日のフレッド・ウェスリーを擁するミーターズ・エクスペリエンスからメイシオ・パーカーと、2夜連続で堪能したファンク大会。堪らない2日間でした!!



*曲目等、間違いがあったらごめんなさいね。


ミーターズExperience@ビルボードライヴ東京

2013-02-07 13:30:03 | ニューオーリンズ

1月31日、ビルボードライヴ東京にて、ミーターズ・エクスペリエンスを観てまいりました。ミーターズの伝説的ギタリスト、レオ・ノッセンテリを中心にしたスーパー・ファンク・バンドです。私は最前列ど真ん中のテーブル、椅子で数えると前から2列目。レオ・ノッセンテリの目の前の席に座りました。

開演予定時刻を数分過ぎてステージに現れたのは首領レオ・ノッセンテリ(g)を中心に、スタントン・ムーア(ds)、ビル・ディケンズ(b)、CRグルーヴァー(key)、スティーヴ・ペリルー(per)の5人。間近で見るレオ・ノッセンテリはその体格も含めなかなかの迫力。そしてドラム・セットの奥に腰掛けるスタントン・ムーア。もちろんギャラクティックのあのスタントン・ムーアです。1曲目、いきなりミーターズの名曲「 You've Got To Change(You've Got To Reform)」。私がギターアンプの目の前に居たせいか、とにかくレオ・ノッセンテリのギターの音がでかいでかい。アンプ直でビンビンに響いてくる。そしてそのレオが弾くギター・リフのタイム感と言うかフィーリングが堪らない。ねっとりともっちゃりと、まさにミーターズのノリ。その独特なグルーヴそのままにキメのギター・ブレイクも炸裂! もちろんスタントン・ムーアのドラムも良い! レオのバックでスタントン・ムーアがミーターズ曲を叩くというのもなんか感慨深いものがありますよね~。

この2人のコンビネーションがさらに濃密グルーヴを醸したのが「Cardova」。ミーターズの1st作収録曲。いわゆる初期ミーターズの肝である“間”を活かしたファンクです。タメの効いたスタントンのドラミングに絡むレオのギター・リフ。骨格だけでディープなグルーヴを生み出す、これぞニューオーリンズ・ファンクですよ! ベースのビル・ディケンズも流石の職人振り。7弦ベースを駆使するスラップ・ベースの巨人ですが、正直、ミーターズのジョージ・ポーター・ジュニアとはあまりにもタイプが違うのではないか?と思い心配していたんですが、これはあくまでもミーターズではなくミーターズ・エクスペリエンスですからね。彼の存在こそがミーターズとは違うモンスター・バンドを演出していたように思いました。そして切れ目無く初期ミーターズの代名詞「Cissy Strut」へと至福のリレー。やっぱりレオ・ノッセンテリのギターの存在感が強烈。もう言ってしまいますよ、彼こそミーターズです!!

実は私にとってのミーターズのファンクネスって、やっぱりジガブーとジョージのリズム隊こそっていう印象があったんですよね~。ちなみに私がレオ・ノッセンテリを初めて生で見たのは93年にミーターズが初来日した時で、その時のレオに抱いた印象はやたら弾き過ぎていて、あまりミーターズらしく無いな~というものでした。いやはや、あの頃の私はレオのギターを解っていませんでした…。もちろん今回も弾きまくってましたよ。ミーターズ曲もジャム・バンド的な展開になり、レオも曲想から逸脱したようなフリーキーなソロを決めまくってました。ですがそんなソロも含めて、レオの弾くギターに内包された独特のフィーリング、特にギター・リフにおけるネチネチとしたグルーヴ感は、まさにミーターズ!いや、これこそミーターズ!!と叫びたいぐらいでした。しかもアンプ直の爆音ですからね。もう浴びるようでしたよ。

しかし今回はミーターズ・エクスペリエンスです。レオ以外のメンバーも見せてくれます。「Cissy Strut」で気を吐いたのはスタントン・ムーア。彼のドラムはファンキーと言う以上に歌心がありますよね。この曲の後半、単独ドラム・ソロに雪崩れ込みましたが、これがまた最高でした。別に派手なことはしませんよ。あくまでも素人目線の感想ですけどね、いたってオーセンティックな印象。ですが人間味溢れる抑揚があって、歌心を感じさせてくれるんですよ。叩いてる時のエモーショナルな表情もまたチャーミング。それも含めて彼のドラミングには妙に引き込まれますね。

またオルガンを弾くCRグルーヴァーも地味ながら良い仕事してましたね。この人は元々はアトランタのサザン・ロック・バンド、OUTFORMATIONなどジャム・バンド界隈で鳴らしていた方だそうで、現在はニューオーリンズで活躍している鍵盤奏者です。レオ・ノッセンテリを始め数々のニューオーリンズ・レジェンドのバックを務めているようですが、近年はラジエイターズのReggie Scanlan(b)、ダーティ・ダズン・ブラス・バンドのJake Eckert(g)、ネヴィル・ブラザーズのWillie Green(ds)達とTHE NEW ORLEANS SUSPECTSというバンドを結成し、昨年デビュー・アルバムもリリースしているようなので、今後、さらに注目を浴びる逸材かもしれませんね。

さて、いきなりのミーターズ3連発に続き、ここで2人のファンク・レジェンドが紹介される。1人はジェイムス・ブラウンのバックを支えたトロンボーン奏者、フレッド・ウェスリー!! もう一人はP-FUNK軍団の名物鍵盤奏者バーニー・ウォーレル!! 彼らの登場で場内の熱気がまた上がる。もうこうなっちゃうとステージ上の誰を見れば良いか分らない状態。まずはフレッドをフューチャーしてJB'Sの「Pass the Peas」。フレッドはいつも通りに伝家の宝刀なトロンボーン・フレーズをファンキーに繰り出します。ですがレオのカッティングがどうにもこうにもミーターズなノリでまったくJBファンクになりません! でもそれがミーターズ・エクスペリエンス。続いてフレッドの18番「House Party」。お馴染みの “パーティ!パーティ!” というコール&レスポンスで盛り上がる。途中、フレッドは時計を見て「あ、もう僕、時間だから帰らなくっちゃ」って感じで立ち上がり、それをレオが「いやいや、ちょっと待ってくれよ」的に引き止めるような一幕があったんですけど、その時のフレッドの困った顔が可愛かったです。フレッドってホント楽しい人ですね。

それにしてもフレッド・ウェスリーとレオ・ノッセンテリが並んでプレイするステージ、感激でしたね! 93年にミーターズとJBホーンズの共演ライヴ盤がリリースされ、私も大好きな両雄の合流に興奮したものですが、それを思い出させられました。私にとっては夢の共演。しかもここで鍵盤を弾いてるのはバーニーウォーレルですから! P-FUNKのエッセンスも入っちゃってます。(フレッド・ウェスリーもP-FUNKですけどね)。

さて、そのバーニーがウニョウニョとキーボード・ソロを弾き始めると、会場の空気もまた一段と密度が上がる感じ。ゴスペルっぽいオルガン・ソロにシフトし、そのままファンカデリックの「Red Hot Mama」へ。もちろん歌うはバーニー様。“Red hot mama from Louisiana!” ですからね。その辺を意識した選曲でしょうか? この曲ではビル・ディケンズのベース・ソロがあったんですが、これがまた強力でした。これが7弦ベースの音なのか、それともエフェクトを効かせてるのか?もうほとんどギターソロ。しかもソロを弾きながら2階席まで上がっていき会場を一周。観客への激しいアピールもあって盛り上がる盛り上がる。あの時の彼はまさにヒーローでした。

本編ラストは P-FUNKが誇るファンクの代名詞「We Want the Funk」で大団円。結局、JBファンクもP-FUNKも全て爆音ミーターズなノリで弾き倒したレオ・ノッセンテリでした。このアクの強さ、自己主張の強さ、まさにワン&オンリーの個性です!

ステージを去りかけたメンバー達ですが、鳴り止まない拍手にまた戻ってくる。そしてスタントン・ムーアが叩き始めたビートは「Hey Pocky A-Way」ですよ! キター!!って感じですが、そのビートに合わせるレオのチャカチャカしたカッティング!! まさに「Hey Pocky A-Way」!! これまで色々なライヴで生「Hey Pocky A-Way」を聴いてきました。例えばネヴィル・ブラザーズとか、シリル・ネヴィルのソロとか、ファンキー・ミーターズとか。ですがこのレオのカッティングを聞いた瞬間が一番しっくりきましたね。これぞ本家ですよ! やっぱりミーターズのグルーヴに果たしたレオの役割って言うのは半端無いなと実感させられましたね。私の中でのレオ・ノッセンテリの株が急上昇です!

最後はジャラジャラしたネックレスをメンバー達が観客達に投げまくってマルディグラ的な盛り上がりで終了。およそ1時間半のファンク絵巻でした。


この日の2ndショー、セットリスト↓

1. You've Got To Change(You've Got To Reform)
2. Cardova
3. Cissy Strut
4. Pass the Peas
5. House Party
6. Red Hot Mama
7. We Want the Funk
---------------------------
8. Hey Pocky A-Way



ちなみに、私が見た日の1stショーがフジテレビNEXTで生中継されていました。私も録画して帰宅後ゆっくり鑑賞したのですが、印象がまるで違います。何が違うかって、レオ・ノッセンテリが弾くギターの音量がちょうど良いんです…。流石はライン録り!って思いましたが、なんかつまんないんですよね~。実際の会場、少なくとも私が観た位置では、全ての楽器の音量より桁違いにレオの音がでかかったんです。バッキングしててもレオの音が一番でかいんです。ヴォーカルよりも、他の人のソロよりも。初めは流石にこの音量バランスは酷いんじゃないか?と思いましたが、聴いてるうちにレオのグルーヴに飲み込まれていくんです。そして全てを自分流に弾き倒す彼の我の強さにやられまくったのです。アンプの目の前と言う、音量バランス最悪の席に座ったがために、返ってレオの凄みを味わってしまったのかもしれません…。まあ、何はともあれレオ・ノッセンテリ、決して器用なタイプのギタリストではありませんが、ニューオーリンズが生んだ怪物の一人と言って間違いないでしょう。天晴でした!!




さて、ここからは恒例のサイン自慢です。今回は出演メンバー全員によるサイン会という大盤振る舞い。私もグッズ売り場で買ったレオ・ノッセンテリの写真にサインして頂きました(写真上)。もうどれが誰のだか分らない感じですが、みんながレオの腕に入れ墨の如くサインをしていく中、一人余白に書いてくれたのはフレッド・ウェスリーです。




FRED WESLEY / FULL CIRCLE
こちらは私が持参したフレッド・ウェスリーの99年作「FULL CIRCLE」。私がこのジャケットをフレッドに渡すと、彼は隣に居たバーニー・ウォーレルにそれを見せ、クレジット欄を見ながら何やら2人で盛り上がってる。サイン会そっちのけな感じで…。もちろん英語の分らない私も蚊帳の外。私は単純にサインを頂くのに良い色目のジャケを選んで持って来ただけだったのですが、迂闊でした、このアルバムにはバーニー・ウォーレルも参加していたんですね~。すっかり忘れていました…。



LEO NOCENTELLI / LIVE IN SANFRANCISCO
本日の主役、レオ・ノッセンテリにも単独でサインを頂きました。



STANTON MOORE / GROOVE ALCHEMY
最後はスタントン・ムーア。この時もこのアルバムをスタントンに渡すと、彼は隣に居たビル・ディケンズにそれを見せ、なにやら説明し出しちゃって、なんか2人で盛り上がってる。もちろん私は蚊帳の外でその話が終わるのを待っている…。とは言え私が持って来たアルバムで盛り上がってくれるのは嬉しいですけどね~! でも私の後ろに並んでいた方々、妙に時間かかっちゃってごめんなさいね。 

スーパーボウルのビヨンセ

2013-02-06 20:08:36 | R&B、HIPHOP
BEYONCE / 4

いや~、スーパーボウルのビヨンセ、凄かったですね~。開演を告げる激しい火柱から、ビヨンセのシルエットが浮かび上がった瞬間、もう既に興奮。そのシルエットがせり上がり、挨拶代わりに「Love on Top」の一節を歌う、いや吠えるに近い、そんな迫力。ほとんどアカペラながらその声の突き抜けるような勢いとハジケまくる弾力が半端無い。そして初めてビヨンセにスポットが上がり「スーパー・ドーム、1、2、3、4」の掛け声で「Crazy in Love」に突入。もう完璧なオープニング。格好良すぎですよ!

「Crazy in Love」を歌いながら服を脱ぎ捨てていくビヨンセ。ルービン・シンガーによるカスタムメイドというセクシーな黒い衣装。迫力満点のボディ・ラインが躍動する。バックはもちろん女性だけで編成されたあのバック・バンド。フットボールの試合が一転してビヨンセのゴージャスな世界に塗り替えられる。20数人の女性ダンサーを引き連れての「End of Time」、分身の術のような映像に目を奪われた「Baby Boy」、どれもこれも格好良過ぎる。相変わらずキレまくりな歌唱力はもちろんですが、肉感的なダンスがまた堪らない! 舞台そのものが巨大ヴィジョンになっているようなステージ・セットも格好良い!!

そして歓喜の瞬間はこの直後。「Bootylicious」のイントロにのってケリー・ローランドとミッシェル・ウィリアムズが次々に舞台の下から飛び出すように登場。デスティニーズ・チャイルドのスペシャルな再結成。3人が鉄壁のコーラスを聴かせてくれる。続いて「Independent Women (Part 1)」、さらにビヨンセの大ヒット曲「Single Ladies (Put a Ring On It)」も3人で。最後はビヨンセが「Halo」を熱唱。後ろでは花火がボンボン上がってる。

締めて圧巻の約14分程。たったの14分ですよ。あっと言うまでした。ですがこれほど濃密な14分もそうそう無いでしょう。矢継ぎ早に繰り出される楽曲全てがハイライト。もうビヨンセ!ビヨンセ!ビヨンセーーーー!!!って感じですよ! 既に私はビヨンセに惚れまくってますが、あらためて惚れ直しました。ビヨンセ最強です!!

で、このビヨンセのショーの後、試合後半が始まった訳ですが、程なくしてまさかの停電となり、30分以上の試合中断となったそうです。これはビヨンセが派手にやり過ぎたからじゃないのか?みたいな憶測が飛んだりして。もちろんそんな理由じゃないでしょうけどね。ですがこれもビヨンセのライヴが如何に凄かったか?というエピソードと言えるかもしれませんね。


セットリスト↓ そう言えば、披露されるのでは?と噂になっていたデスチャの新曲「Nuclear」はやりませんでしたね~。

01. Love on Top
02. Crazy in Love
03. End of Time
05. Baby Boy
05. Bootylicious
06. Independent Women (Part 1)
07. Single Ladies (Put a Ring On It)
08. Halo



ビヨンセと言えば、先月はオバマ大統領二期目の就任式で歌った米国歌が口パクだったと騒ぎになっていましたが、今回のハーフタイム・ショーがそんな風評も軽々と吹き飛ばしてしまいましたね。なんでも3ヶ月に渡ってリハーサルを重ねていたとか。ビヨンセの気合いも半端無かったようですね。MTV JAPANのニュースによれば、ビヨンセはオバマ大統領の国歌斉唱を事前録音にした理由について、オーケストラと一緒にリハーサルする時間が作れなかったと語っているそうで、しかもそれはスーパーボウルのための練習をしていたからだとか。ビヨンセのこのショーに賭ける思いや、米国におけるスーパーボウルの注目度の巨大さが伺われますね。もちろんオバマ大統領の就任式についてもあの時の条件下で最善の選択だったことでしょうし、「自分のパフォーマンスをとても誇りに思っています」と語っているそうです。→MTV JAPAN http://www.mtvjapan.com/news/music/22143


ちなみに、今回のスーパーボウルはルイジアナ州ニューオーリンズのメルセデス・ベンツ・スーパードームで開催されたのですが、このドーム、05年のハリケーン・カトリーナ被災の時に避難所となったドームなんですね。なんか感慨深いものがありました。ビヨンセのショーが始まる直前、会場にはミーターズの「Cissy Strut」がかかってました。流石はニューオーリオンズ!

そして今回、国歌斉唱したのはアリシア・キーズ。ちょっとビヨンセの圧倒的なステージの前では霞んでしまいがちですが、これも素晴らしかった! ピアノ弾き語りでの独唱。アリシア・キーズらしいしっとりとしたピュアな力強さを感じさせる、美しくも感動的な国歌斉唱。出場選手達が涙を流しながら聴いているのも印象的でした。そしてこの国歌斉唱の前、愛国歌「America the Beautiful」を歌ったのがジェニファ・ハドソン。コーラスに並んだ子供達は、昨年、銃乱射事件の惨劇に見舞われたコネティカット州サンディフック小学校の生徒達だそうで、このパフォーマンスも感動的でした。



それにしても、ハーフタイムがビヨンセ、国歌斉唱がアリシア・キーズ、愛国歌にジェニファ・ハドソンなんて、私にとってはもうこれ以上にない、スーパーボウルでした。


あ、肝心な試合の方は、ボルチモア・レイブンズとサンフランシスコ・フォーティナイナーズが対戦し、34対31でレイヴンズが勝ったそうです。すいません、試合にはほとんど興味なくて…。でもジャコビー・ジョーンズ という選手のタッチ・ダウンは凄かった!!


そそるライヴ 2月編

2013-02-02 23:25:20 | そそるライヴ
関東近辺にて2月に行われるライヴ、フェス、イベントのなかで、気になるものをピックアップしてみました。

2/01(金)Maceo Parker @ビルボードライヴ東京
2/03(日)Hostess Club Weekender @ZEPPダイバーシティ東京
2/08(金)MONTY ALEXANDER THE HARLEM-KINGSTON EXPRESS @ブルーノート東京
2/09(土)Jim Boggia & Pete Donnelly  @高円寺 The Cluracan
2/10(日)TRISTAN PRETTYMAN @渋谷 CLUB QUATTRO
2/11(月)José James @タワーレコード渋谷店(インストア・イベント) 要入場予備券
2/14(木)José James @ビルボードライヴ東京
2/14(木)Charlie Hunter & Scott Amendola @六本木 SuperDeluxe
2/14(木)坂田明 @タワーレコード新宿店(インストア・イベント) 観覧フリー!
2/18(月)RAMSEY LEWIS & HIS ELECTRIC BAND with special guest PHILIP BAILEY @ブルーノート東京
2/18(月)Natalie Duncan @ビルボードライヴ東京
2/18(月)CLARE AND THE REASONS @丸の内コットンクラブ
2/20(水)SIM REDMOND BAND  @代官山 UNIT
2/22(金)Tryo @代官山 蔦屋書店3号館 (インストア・イベント) 観覧フリー!
2/23(土)David T. Walker @ビルボードライヴ東京
2/24(日)LES DUDEK @下北沢 Garden
2/25(月)RINGO STARR & HIS ALL STARR BAND @ZEPP TOKYO
2/26(火)ROY HARGROVE & his RH FACTOR BAND @ブルーノート東京
2/27(水)CHUCHO VALDES piano solo @丸の内コットンクラブ
2/27(水)Stochelo Rosenberg Trio @銀座 王子ホール



お出かけの際は事前のご確認をお願いいたしま~す!