ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
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メイシオ・パーカー@ビルボードライヴ東京

2013-02-08 18:15:51 | ソウル、ファンク
MACEO PARKER / SOUTHERN EXPOSURE

2月1日、ビルボードライヴにてメイシオ・パーカーを観てまいりました。私が観たのは2ndショー。前日の1月31日は前回のブログに書いた通り、ミーターズ・エクスペリエンスでフレッド・ウェスリーを観ました。そしてその翌日にメイシオ・パーカーです。JBホーンズの2連ちゃんであり、2晩続けてのファンク漬けです。

さて、頻繁に来日しているメイシオ・パーカーですが、今回はなんと古稀記念ステージだそうで、つまり、メイシオは今月14日に70歳を迎えるそうなんです。え!もうそんな歳なの?と驚きつつも、60年代からジェイムス・ブラウンのバックで活躍してきた訳ですから、それぐらいになりますよね、と納得。いや~、でも若い!!

バック・バンドが演奏する「Fiesta」で幕を開けたステージ。メンバーはお馴染みのウィル・ブールウェア(key)、ブルーノ・スペイト(g)、ロドニー・”スキート”・カーティス(b)という鉄壁の3人衆に加え、ドラムスにはマーカス・パーカー 。彼はメイシオと共にジェイムス・ブラウンのバックを務めた弟メルヴィン・パーカーの息子さんだそう。メイシオから見れば甥っ子さんですね。さらにコーラスにダーリーン・パーカーとマーサ・ハイが並ぶ。豪華ですね~。マーサ・ハイですよ!! 元JB一座の歌姫であり、昨年はスピードメーターとの共演作も評判だったあのマーサ・ハイですよ! そのマーサがバック・コーラスですからね~。

そして「Fiesta」の演奏中に紹介され登場するメイシオ・パーカー。ですがステージには向かわずいきなり2階席へ上がって大きく両腕を上げてアピール。盛り上がる観客。前方のお客さんは既に立ち上がって拍手で迎えてる。流石のオーラを放ちながらステージに上がるメイシオ。1曲目は「Off The Hook」。アルト・サックスの音色はもちろん、歌声も、身のこなしも、70歳になるとは思えない切れ味。ファンキーこの上ない!まさに衰え知らず。もちろんバンドも最高! 私も1曲目から我慢出来ず、立ち上がって踊り出しちゃいました!

一応、メモを取りながら観てたんですけどね、1曲目から踊り出しちゃったこともあり、正直、セットリストはよく分りません。って言うか作れません。例えば「Off The Hook」の途中ではパーラメントの「P. Funk (Wants To Get Funked Up) 」やスライの「In Time」の一節が歌われたり、「Gimme Some More」では「Giving Up Food For Funk」とか、「Pass the Peas」では「Soul Power」とか、1曲の中に色々な要素が詰まってて、始まった時と終わった時で曲が変わってるんじゃないの?と思わせられることもしばしば。あと曲間にメイシオとウィル・ブールウェアの鍵盤とのデュオ編成で小曲をちょこちょこと演奏してましたし。例えば「Satin Doll」とか、「Love Me Tender」とか。(このジャジー&メロウな色合いが濃密ファンクのインタールード的な味わいでかなり良かったんですけどね)。という訳で完璧なセットリストは作れないものの、その核となる曲を順番に並べてみるとこんな感じ。


Fiesta
Off The Hook
Make It Funky
Baby Knows
Gimme Some More
Gonna Have A Funky Good Time
Keep On Marching
--------------------------------------
Pass the Peas


どうですか?ファンキーに攻めまくってますよね~! 我らがメイシオ、70歳にして攻めまくりです。ず~っと立ちっぱなしですし。時には華麗なステップも見せてくれます。なんかこのまま衰える姿が想像出来ない元気っぷり。彼を支えるバンド・メンバーも絶好調。トロンボーン奏者のデニス・ローリンズも随所でファンキーなソロを聴かせてくれましたし、ブルーノ・スペイトがもの凄いギターソロを披露したのは「Baby Knows」だったかな? 涼しい顔してギンギンに切れ込んでくるそのソロの格好良いこと! そして細かいコードチェンジを捌くキレと安定感が堪らなく気持ち良い! ホント、凄いギタリストです。

「Make It Funky」、「Gimme Some More」、「Gonna Have A Funky Good Time」など、JB'S関連の名曲を演ってくれたのも嬉しかったですね。やっぱり「Gonna Have A Funky Good Time」のリフって言うのは異様に腰に来ますね。これぞファンク! そしてブルーノ・スペイトがイントロを弾き始めた瞬間に、ウオ!っと驚いたのが「Keep On Marching」。メイシオの93年作「SOUTHERN EXPOSURE」収録曲ですが、オリジナルはミーターズ! そして「SOUTHERN EXPOSURE」でもこの曲でレオ・ノッセンテリがゲストとしてギターを弾いてるんです。そうです、昨日この同じステージでライヴをやっていたレオ・ノッセンテリです。おそらく彼へのリスペクトを込めた選曲なのかな~?なんて思ったり。ここでレオ本人が出て来たらもっと凄かったんですが、残念ながらそんなスペシャル・サプライズはありませんでしたけどね…。

アンコールはJB'Sのキラー・チューン「Pass the Peas 」。必殺のホーンリフですよ! バンドのソリッド且つ懐の深いグルーヴも堪らなくファンキー。すぐに「Soul Power」のリフレインに雪崩れ込み、最後はファンク・ジャムのような感じで終了。1時間半弱ぐらいだったでしょうか? 最初っから観客も盛り上がりっぱなしの濃密且つ爽快なファンク・ライヴ。楽しかったー!

それにしても恐るべしメイシオ・パーカー! 70歳にしてますます盛ん。だってマーサ・ハイの見せ場すら無しですからね。ちょっと勿体ない気もしますが、その分、切れ目無しにメイシオのファンクを堪能出来た訳ですけどね。純度100%のメイシオ印。恐れ入りました。

実はこの翌日の1stショーがフジテレビNEXTで生中継されまして、その時はマーサ・ハイとダーリーン・パーカーのソロ・コーナーもしっかりあったんですよね~。マーサは「Think」、ダーリーン・パーカーは「Stand By Me」を歌っていました。それとマーカス・パーカーのドラム・ソロもあったんですよね~。生で観たかったですけど、ま、こればっかりはしょうがないですね。



ちなみに私、昔はJB’S/JBホーンズが大好きでして、メイシオ、フレッド、ピ-ウィーが3人揃って来日していた時はもちろん、メイシオがソロになってからも来る度に観に行っていたんです。ですが最近はすっかり足が遠のいてしまって…。今回、メイシオを観るのは5年振り。まだビルボードライヴが出来たばかりの頃、久々にJBホーンズの3人が揃ったライヴを観に行った以来でした。あの頃はまだビルボードも手探りだったのか、せっかく盛り上がってきて前方のお客さんが総立ち状態になっても、係員が動き出してすぐに全員座らされたものです。おそらく後方のお客さんが見えなくなるからということだと思いますが、ファンクのコンサートでそれは無いんじゃない?なんて憤慨した覚えもあったり。ま、今はビルボード様々ですけどね…。今回も1曲目から立ち上がっちゃいましたけど、まさかまた座らせられることは無いだろうと、安心して立ち上がりました。


いやはや、前日のフレッド・ウェスリーを擁するミーターズ・エクスペリエンスからメイシオ・パーカーと、2夜連続で堪能したファンク大会。堪らない2日間でした!!



*曲目等、間違いがあったらごめんなさいね。