ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

@東京JAZZ CIRCUIT その2

2010-09-05 18:29:29 | フェス、イベント
今日も東京国際フォーラムにて東京ジャズ・サーキットです。今日はお昼から現地入りして、Manami Moritaなど色々楽しんでます!夕方からはノルウェーのジャズ・アーティストが3組出演するので、これも楽しみです。夏の終わりの野外ジャズ、いい感じです!




帰宅後追記:

正午、まずはアメリカ在住の日本人ピアニスト、マナミ・モリタから。普段はバンドで活動しているそうですが、今回は珍しくピアノソロ。しかも浴衣を着ての登場と、昨年新宿タワーレコードのインストア・イベントで観た時とは大分雰囲気が違いましたね。ですがピアノを弾き始めれば、その天真爛漫な音のハネ具合はやはりマナミ・モリタ。そしてMCは相変わらずハイ・テンション! 演奏曲には、オリジナル曲の他にスタンダードやカーペンターズのカヴァーなんかも織り交ぜて、ヴァラエティ豊かに聴かせてくれました。終演後はサイン会と新作販売に長蛇の列が出来ていました。私もその新作、買いたかったんですけどね、貧乏なので今回は我慢しました。いづれ買いたいとは思いますけど…。

続いてフランスからギタリストのダヴィド・ラインハルト。オルガンとドラムスとのトリオでした。やはりオルガンが入るとグッとソウルフルになりますよね。ドラムスもタイトで良かったですし。とは言え私はダヴィド・ラインハルトが弾くギターのいかにもジャズなバカテク振りに目が釘付けだったり。変幻自在なコード・ワークも凄いですし、フレッド上を滑るが如く繰り出される多彩なフレージングにも圧倒されました。しかも涼しい顔して、めちゃくちゃスウィンギーなんですよ! あとで知ったことなんですが、この人、あのジャンゴ・ラインハルトのお孫さんだそうです。どうりで上手い訳です。

そしてビリー・バング。フリー・ジャズ、ロフト・ジャズ系のヴァイオリニストですけど、この人、レオ・ノッセンテリやアルヴィン・ヤングブラッド・ハートなんかが参加していた、コンジュアというキップ・ハンラハンのプロジェクトでヴァイオリンを弾いてた人なんですね。今回はベースにトッド・ニコルソン、ドラムスに羽野昌ニというトリオ。まあ、フリーキーなインプロの応酬でしたよ。リード楽器がサックスとかじゃなくてヴァイオリンというところが、よりディープな感じで良かったですね。ざらついた音色と、とぐろを巻くような旋律が。とにかく格好良かったです!ドラムも凄まじかったですし!

夕方からはノルウェーのジャズ・アーティスト達が3組登場。歪んだギターにツイン・ドラムという大迫力で、ジャズと言うよりはプログレかポスト・ロックか?という先鋭さを突き刺したアイヴィン・オールセットは強烈でしたね。それにしてもツイン・ドラムには驚きました。しかも次に登場したマティアス・アイクは、もう少しアダルトな感じのジャズでしたが、何故かこちらもツイン・ドラム。ノルウェーのジャズ界ではツイン・ドラムが流行ってるんですかね? 最後は北欧ジャズの四天王に称えられると言うベーシスト、アーリル・アンダーシェン。やはり現代的でフリーキーな感じでしたが、そのウッド・ベースから溢れる温もりのあるふくよかな低音は本当に素晴らしかったですね! スローな曲も、超高速な曲も、とにかくベースの音を追ってしまいました。ベース・ソロもめちゃくちゃ格好良かったですしね。

夏の終わりのジャズ三昧。楽しい1日でした!




MANAMI MORITA / COLORS
マナミ・モリタの前作にあたる1st作。この日のライヴでも最後に演った「My Favorite Things」は、アレンジも格好良くって良いんですよね~。



CONJURE / BAD MOUTH
こちらはビリー・バングが参加したコンジュアの05年作。イシュメル・リードの詩とキップ・ハンランハンの音楽とのコラボレーション。ジャズやブルースもソウルも、ニューオーリンズ、アフリカ、カリブ、ラテン、ありとあらゆるものを飲み込んだディープな音像。リフがミーターズの「Just Kissed My Baby」そのまんまな「Mo Ku Lana, Mo Jinde Loni」や、ビリー・バングの怪演が光る「Tokyo Woman Blues」など。レオ・ノッセンテリ、アルヴィン・ヤングブラッド・ハートの他、アンソニー・コックス(b)、デビッド・マーレー(ts)なども参加。


フジロック・ベスト・アクト 第5位!

2010-09-05 11:20:53 | フジロック
CORINNE BAILEY RAE / THE SEA

さて、フジロックから既に1ヶ月が経ってしまいましたが、今年もやりますよ! 「ルーツな日記」的フジロック・ベストアクト! という訳で、今日はその第5位です。それはコリーヌ・ベイリー・レイ!!

初日、ホワイト・ステージのトリ前に登場したコリーヌ・ベイリー・レイ。私にとってこの日のメインでした。一昨年に旦那さんを事故で亡くすという悲劇に遭い、それを乗り越えてフジに来てくれたコリーヌ。やっぱり応援したくなっちゃいますよね。しかもそれ以上にその悲しみや苦しみが癒える間もなく製作されたであろう最新作「THE SEA」の素晴らしさたるや!この日のステージを期待せずにはいられませんでした。

ステージに登場したコリーヌ・ベイリー・レイ。小柄な身体に黒い衣装、肩まで伸びたアフロのような髪型がよく似合います。最新作から「Are You Here」で幕を開けたステージ。彼女らしい朗らかな雰囲気とスウィートな歌声に嬉しくなりましたが、やはりそれまでの可憐なイメージより、強い女性のオーラを感じさせられましたね。序盤はキャッチーなアップ・ナンバー「Paris Nights/ New York Mornings」が印象的でした。ただただ悲しみに暮れるのではなく、こういったポップな曲を歌えるコリーヌはやはり素敵なシンガーです。

しかしこの夜、何よりも圧巻だったのは中盤の「Love's On Its Way」からでした。愛を求めて深く祈るようなサビのリフレインが、ホワイトに垂れ込む闇のしじまにしっとりと溶け込んでいく。たまらない程エモーショナルなコリーヌの歌唱に心が震えましたね。そしてファンキーに黒光りする「The Blackest Lily」。さらに「I'd Do It All Again」ですよ! 「Love's On Its Way」の濃密な空気を引き継ぎつつ、これらの曲がトロリとしたブラック・フィーリングを醸し出し、その香りが徐々に辺りを満たしていく。なかでも私は最新作で「I'd Do It All Again」が1番好きなのですが、生で聴くとそれはまた格別。まるで波のように引いては寄せてくるソウルネス、サビへ向けての感情の高なりと高揚感。またそれが森の中という空気によく合うんですよ! 感動でした!

そしてデビュー作から「Put Your Records On」。ディープなヴァイヴに満たされあとは、オーガニックで明るいイメージのこの曲。いい曲ですよね。幸せな気分になりますよね~。歌詞は分からずとも思わず一緒に口ずさんでしまう。そして名曲「Like A Star」。舌ったらずな甘え声にうっとりとしながらも、おそらく亡き旦那様のことを思いながら歌っているのだろうと思うと胸が締め付けられる。

この曲に限った話ではないですけど、コリーヌの歌声は情感豊かで本当に素晴らしかったですね。まるで吐息のような静謐さや、深く沈むようなファルセット、そして燃え上がるような感情の発露。決してテクニカルなシンガーではない故に、かえって人間的な弱さも強さもストレートに伝わってくるような。そして現代的なSSWとかR&B的な雰囲気を醸しつつ、それ以上に一人のソウル・シンガーとしての魅力を感じました。

それはアンコールで歌われたドリス・デイの「Que Sera Sera」に特に顕著。ドリス・デイというより完全にスライ&ザ・ファミリー・ストーンのヴァージョンを下敷きにしたカヴァー。この黒さが堪らない。これは素晴らしかった! ソウルフルでしたね~。サビの『ケ~、セラ~、セラ~!」ていう歌唱はなんか突き抜けてましたしね。バックの演奏も良かった! この曲ではバック・コーラスの男性が1節でリードをとりましたが、これがまたソウルフルで、良い感じでしたね。

短いライヴではありましたが、コリーヌの持つエモーションが充分に滲みたステージでした。ちなみに、この夜のセットリストをEMIのサイトから見付けました。→http://twitpic.com/2a0r8c これをあらためて書き直すと下のような感じです。

01. Are You Here
02. Paris Nights/ New York Mornings
03. Closer
04. Love's On Its Way
05. The Blackest Lily
06. I'd Do It All Again
07 .Put Your Records On
08. Like A Star
09. Diving For Hearts
10. The Sea
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11. Que Sera Sera