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アッパレじゃ!

大好物は舞台観劇♪ようござんすか?ようござんすね。”私見”バリバリ入りますっ!ネタばれアリアリ~。

毛谷村 (けやむら)

2005年06月29日 | 歌舞伎
彦山権現誓助/毛谷村
(ひこさんごんげんちかいのすけだち)

2004年 2月 歌舞伎座
2005年 6月 歌舞伎チャンネル

豊前国(ぶぜんのくに:福岡県東部と大分県北部)
彦山(彦英山)に近い毛谷村に住む六助は、
ヌボ~っとしてるんだけど腕が立つ!
なもんだから、
お城で召し抱えてやるって誘われてるのに断わっている。
なんでだろー。

ある日、
『六助に打ち勝ったなら、五百石を与える』とおふれが出た。

ひょっこり現われた男が言うことにぁ、
「身体の弱い母を喜ばせる為に、どうかあなたに勝たせて欲しい」
志しに感じ入った六助は、わざと負けてあげちゃった~。

でも、そいつは仕官が叶うと、急に態度がデカクなった。
六助の眉間に、わざと傷を負わちゃうッ。なんて野郎だぁ。
なのに、親孝行の手助けが出来てニッコニコの六助。人がイイよなぁ。


六助が中村吉右衛門で、男は中村歌昇。
いいわねぇこのコンビ。息ピッタンコ。
空気が同じ。”古風”な空気。

焼き物に例えると『唐津焼』
同じ佐賀県でも、『有田焼』の明るさやゴージャスさは無い。
“都会のきらびやかさ”の替りに、
“地方の大人しさ”がある。って感じ。
目新しくはないけれど、
いつまでも飽きがこなくて、そこにあるとホッとするもの。


日暮れ時、1人の少年が帰って来た。
六助が、盗賊に襲われているところを助けてあげたのだ。
連れの老人は、その時に死んでしまったので、
何処から来て何処へ行くつもりだったのか、
誰にも判らない…。

目印になるように、少年の着物を物干し竿に掛けているんだ。

やって来た一人の虚無僧。
着物を目に止めっ。
家の中へズカズカ入って「家来の仇!」と大暴れ。

天蓋を取った虚無僧は、なんと女であったっ。
「身に覚えがないこと」と、刀を避ける六助。
そこへ出てきた少年が「叔母様!?」

どーなっとるんじゃ?。
誤解を解く為に、一生懸命話しをする六助。
カッカしていた女虚無僧は、六助の素性を知ると、
突然しおらしくなっちゃった。なんで(・・?
彼は、お園が初めて会う許婚なのでありましたー(*^_^*)。


女虚無僧=お園を演じるのは中村時蔵。
いつ見ても手垢がついてない。
っつう感じなのは、全くマスコミに出ないからかね。
歌舞伎座の中だけで生息している、天然記念物みたいなもんだ。
貴重だ。


女房きどりで世話を焼く。
女武道家だから力持ち。巨大な石を何なく動かしちゃった。
でも、おさんどんは苦手みたい。
釜炊きしようと、尺八でヒーフー息を吹きかけてみたりする。

そのちぐはぐさがチャーミングなんだけど”、笑える”(^O^)。
これに反応する六助も、
ドーンと構えてるんだか、あたふたしてるんだか…。
右往左往する姿が、これまた”笑える”(^O^)。
この場面でこんなに可笑しいのは初めてだ。\(^O^)/\(^O^)/\(^O^)/

奥の一間から婆さんが現われた。
この人こそお園の父の後室・お幸。
めでたく、六助とお園を祝言させます。

でもお幸様ったら、ただの旅の人だと六助に思わせて、
奥で寝ていたのヨ。
こんなずうずうしいお婆さんに親切にする六助って、人が良過ぎじゃぁ??


その、お騒がせな婆さん役は、中村東蔵。
座をビシッと引き締めていたのでした。


村人が担ぎ込んだ死体から、
さっき六助が、わざと負けてやった親孝行男の嘘が判明。
しかもしかも!
奴こそ、お園達が命を懸けて探している仇っ!
お園の父であり、六助の師匠を殺した男っ!

「なんだとぉぉ~!!」
滅多に怒らぬ六助が大怒りっ!大沸騰っ!
衣服を改めた六助。
お園からは梅の枝。お幸からは椿の枝を貰い、
仇と御前試合をする為に、小倉城へ向けて発つのでありました。

『ビシッと観せて、ドバッと笑わせる』
この折り目正しい緩急のつけ方は、あっぱれ。
吉右衛門一座、やはりツボはしっかり押さえていたのでありました。
こういう感覚は滅多に味わえません。
“古風”。これって大切なんですわ。ホント。


☆あくまでも主観で書いたものです。特に他意はありませんので平に容赦下さい。

        


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