息をするように本を読む

初めて読んだ本も、読み返した本も、
ジャンルも著者もおかまいなしの私的読書記録
と、なんだかだらだら日常のことなども

紫蘭の花嫁

2011-06-24 10:15:12 | 著者名 な行
乃南アサ 著

なんだか火曜サスペンスみたいなタイトルに微妙な印象を受けたが、
読んでみると、かなり成功だった一冊。

追ってくる男の影におびえ、転々と居場所を変える花屋の店員・夏季。
先が見えない連続殺人事件を追う小田垣刑事。

全く関係がなさそうな物語が絡み合い、やがてひとつにまとまる。
その構成はスゴイ。

常に息がきれているような追われる者と追う者の感情にのめりこみ、
登場人物とともに裏をかかれたり、してやられたり……って、
やられっぱなしじゃん!
そうなのだ。予想がつきそうでいてそうではなく、最後はかなり意外な展開。

たった一つ残念なのが、ちょっと偶然に頼りすぎた設定かな。
しかし、後味がよくすっきりとしたエンディング。
乃南アサはすごく面白いのだけど、どろどろした部分が気になることがあり、
時々苦手と感じる作品がある。
これは、それがなく気持ちよく読めた。
ま、好みの問題ですね、すみません。

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