息をするように本を読む

初めて読んだ本も、読み返した本も、
ジャンルも著者もおかまいなしの私的読書記録
と、なんだかだらだら日常のことなども

迷宮百年の睡魔

2014-05-03 10:07:31 | 著者名 ま行
森博嗣 著

これは百年シリーズとよばれているものらしい。
そして「女王の百年密室」に続く2巻目。
……またやってしまいました。でも別に問題なく面白かったけど。

2115年近未来の世界は、都市国家がそれぞれに独立し、発達したテクノロジーと
どこかレトロな雰囲気が共存している。
ウォーカロンと呼ばれるヒューマノイドが、人のサポートを行い、労働を担う。
エネルギー問題は革新的な解決をみ、暮らしは豊かであるが、地域によっては
閉鎖的である。

主人公のサエバ・ミチルはジャーナリスト。ウォーカロンのロイディとともに
取材に訪れた島イル・サン・ジャックで、僧侶の殺人事件に巻き込まれる。
モン・サン・ミッシェルを思わせる島は、中世の雰囲気がそのまま残る。
一夜にして森が海になり、一夜にしてそれが砂になる。
それを不思議とおもわない人々。
ゆるやかに回転する島。

実在しない世界とまだ現実ではないヒューマノイド。それを前提とした
いわば奇想天外な物語でありながら、子供向けのファンタジーにならないのはさすが。
夢にひきこまれていくように、物語の世界に取り込まれてしまう。
この世界観は好きだなあ。
これはやはりシリーズのほかの作品も読むべきだなあ。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿