岩井志麻子 著
主人公・タミエは無理心中に巻き込まれ、左目の視力を失う。
それとひきかえのように、見えないはずのもの、不思議な幻が見え始める。
遠い昔に死んだはずの者、未来に起こる出来事、ないはずの左目に映るものを
求めて、“霊媒師”タミエのもとに人が集まり始める。
訪れてくる人々は生きたものなのか既に死んでいるのか。
欲望と不思議とあやうい雰囲気と。
なんとも頼りないタミエの能力なのだが、それでも小さな事件が一つずつ
解決されていく。
怖いのはやはり人間。あやかしよりも化物よりも、人を陥れ金を手に入れようとする
欲望に満ちた人間ほど、どうしようもないものはない。
この力をなんとか商売にしようとするタミエの両親は、依頼人の下調べをし、
タミエを立派な霊媒師に仕立て上げようと必死だが、これも男にキズモノにされた
娘と自分たちの生活を成り立たせるため。
人助けは二の次三の次なのがなんとも現実的だ。
著者の作品は土着の暗さも湿り気もすべて許容したうえで、割り切って暮らす
強さがある。
土地の魅力も嫌なところもすべてまるごと引き受ける強さがうらやましい。
ホラーなのに怖いはずなのに、不思議な魅力のある作品。
主人公・タミエは無理心中に巻き込まれ、左目の視力を失う。
それとひきかえのように、見えないはずのもの、不思議な幻が見え始める。
遠い昔に死んだはずの者、未来に起こる出来事、ないはずの左目に映るものを
求めて、“霊媒師”タミエのもとに人が集まり始める。
訪れてくる人々は生きたものなのか既に死んでいるのか。
欲望と不思議とあやうい雰囲気と。
なんとも頼りないタミエの能力なのだが、それでも小さな事件が一つずつ
解決されていく。
怖いのはやはり人間。あやかしよりも化物よりも、人を陥れ金を手に入れようとする
欲望に満ちた人間ほど、どうしようもないものはない。
この力をなんとか商売にしようとするタミエの両親は、依頼人の下調べをし、
タミエを立派な霊媒師に仕立て上げようと必死だが、これも男にキズモノにされた
娘と自分たちの生活を成り立たせるため。
人助けは二の次三の次なのがなんとも現実的だ。
著者の作品は土着の暗さも湿り気もすべて許容したうえで、割り切って暮らす
強さがある。
土地の魅力も嫌なところもすべてまるごと引き受ける強さがうらやましい。
ホラーなのに怖いはずなのに、不思議な魅力のある作品。
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