哲学とワインと・・ 池田晶子ファンのブログ

文筆家池田晶子さんの連載もの等を中心に、興味あるテーマについて、まじめに書いていきたいと思います。

人間は堕落する(週刊新潮今週号の「人間自身」)

2007-01-22 07:23:45 | 哲学
 池田晶子さんの週刊新潮連載「人間自身」今週号は、「人間は堕落する」という題でした。学者や研究者のテレビタレント化を見ての話しだそうです。池田さんも少しは民放を見ておられるのでしょうか。



「人間というのは、より賢くなるために生きているのであって、より馬鹿になるために生きているのではない。
 しかし、違った。じつに多くの人間が、堕落する。続々と堕落してゆく。
 喜劇である。死ぬまで人間には道を誤る可能性があるのだ。なぜそれが可能なのだろうか。
 当たり前だが、これは裏返し、自分の道を見出していないからである。道は決して自明なものではない。だからこそ、常に自らに自らの道を問うことで、人は自らの道を確認するのだ。」



 水が低きに流れるように、人間も楽な方を好むと言えます。さらに、一般的には「有名になる」というほうが、「有名ではない」ことよりも価値が高く置かれます。これは有名なほうが、偉く思えたり金を稼げそうだからでしょう。
 ただ、池田さんの仰る通り、それは人生の本質と何の関係もありません。


 一方で、確かに「道」を見出した人間は、それを極めるべく突進していくことは結構容易に想像できます。まわりの誰に非難されようと、自分の道を選んだ以上、とやかく言われる筋合いはないからですね。
 この「道」というのが、池田さんに言わせれば「人生の本質」となるものなのでしょう。


 そうはいっても、「道」というのは必ずしも実現困難な高尚なものばかりを必ずしも言っているのではなく、つきつめれば普通に生きる事と何ら変わらないことになるのだろうと思います。


2 コメント

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コメントをありがとうございます。 (miyurin)
2007-01-28 18:29:30
早速ご紹介の本をパラパラと立ち読みしてきました。

不完全性定理や不確定性原理など、興味ある話題(科学、数学関連)が多かったのは魅力的でした。

冒頭の池田さんの文の引用は、哲学にのめり込むのは自殺行為である、というような文章でした。著者の自嘲なのでしょうね。
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Unknown (Unknown)
2007-01-26 01:39:54
面白い本を見つけました。

『哲学的な何か、あと科学とか』 飲茶著 二見書房

冒頭から「尊敬する哲学者・池田晶子先生・・・」で始まっています。
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