哲学とワインと・・ 池田晶子ファンのブログ

文筆家池田晶子さんの連載もの等を中心に、興味あるテーマについて、まじめに書いていきたいと思います。

塩野七生さんの「日本人へ」32

2005-12-11 06:05:57 | 時事
 今月の文藝春秋(1月号)の「日本人へ」は紀宮様についてでした。

 端的に要約すれば、「紀宮をこのまま民間人にするにはもったいない。今後も宮内庁の嘱託とかで、国の内外を問わず公式行事に出ていただいてはどうか。」ということでした。皇女としてしっかりしつけられ、そして自らの責務を果たす覚悟も皇后様から受け継いでおられるのが宮様時代の紀宮だそうです。

 しつけについて、悪いことだからやってはいけない、ではなく、見苦しいまねはしてはいけない、というように東京山の手の家庭ではしつけられたそうです。「善悪の問題ではなく見っともよいかないかだけなのだから、倫理道徳の問題というより立居振舞の問題であり、それゆえ家庭のしつけにすぎないのである。」と。

 倫理道徳の問題であれば、哲学も絡む全人類の問題ですが、立居振舞は選ばれた人間のみがなせる技術なのかもしれません。政治にはあまり必要な技術ではなさそうですが、対外的に国家の品格?を表現するには、手っ取り早い効用があるのかもしれません。