哲学とワインと・・ 池田晶子ファンのブログ

文筆家池田晶子さんの連載もの等を中心に、興味あるテーマについて、まじめに書いていきたいと思います。

ワイン

2011-05-16 00:55:55 | ワイン
 このブログの題名に「哲学とワインと」と題していながら、ワインについてはほとんど書かなくなってしまった。もちろん普段ワインは飲んでいる。というより、自宅ではワインしか飲んでいない。このことを周りに話すとよく驚かれる。アルコールを嗜む普通の家では、まずビールがあるのが通常であり、あとは日本酒か焼酎が中心のようである。我が家の飲用アルコールは料理用以外にはワインしか置いていないし、そもそも自宅で毎日は晩酌はしない。アルコールを飲むのは基本的に週末だ。

 世間にとっては、ワイン選びは至難の業のように思われている。とくに赤ワインの味わいはバラエティーに富むうえ、世界各国からワインが輸入されているから、選びにくいのだろう。
 ワイン選びでお薦めしたいのは、まず店選びだ。ワインにこだわりのある中規模のショップあたりがよい。そうすれば、選ぶワインの数もあらかじめ絞られているし、店員からアドバイスも受けやすい。しかも流通過程でのワインの扱いが丁寧でなければならないから、その意味でも店選びは重要である。
 品揃えの多い店で選ぶ時に、他に目安がなければ値段を頼りにするが一番で、昔は2500円基準説(2500円以上だと大抵おいしい)ということが言われていた。最近は、アジア新興国の隆盛や円高等があり、この金額は多少流動的かもしれない。しかも、1000円でもおいしいワインがあったりする一方、2000円くらいしてもまずいワインもある(私も最近それにあたった)。安くておいしいワインを見つけるには、1000円くらいのワインをいろいろ試してみるしかないのかもしれない。


 さて、池田晶子さんは相当な酒豪であった。晩年は病気との関係で、あまり飲めなかったのではないかと推測するが、酒に関する文章もかつて書いている。


「私は、酔うほどに冴えてくる体質なのである。酔うほどに、理性と知性が燦然と冴えわたり、全宇宙の全事象がわかる、わかった、という感じになる。
酒のことを「スピリット」と名づけた感性は人類に共通しているようだ。あの液体は、私にとって、明らかに「精神」であり、思考の潤滑油もしくは起爆剤として作用する 。いや、作用したのだった、かつては。
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まだよく覚めやらぬまま、日も暮れてきた。今日の仕事は、これでおしまい、これ一本。さて、酒瓶抱えて、今宵も私は精神(スピリット)の旅に出る。」(『考える日々』「酔うほどに冴える、はずだったが」より)