哲学とワインと・・ 池田晶子ファンのブログ

文筆家池田晶子さんの連載もの等を中心に、興味あるテーマについて、まじめに書いていきたいと思います。

『17歳のための世界と日本の見方』

2007-04-01 08:52:50 | 知識人
 この本の題を新聞で見た時は、また池田さんの『14歳からの・・』の便乗かと思いましたが、今結構売れているそうです。

 著者の松岡正剛さんは、昔『遊』というアングラな雑誌を発行されていた方で、どうしてもアングラな博識者というイメージが私はぬぐえないのですが、今や編集工学の権威として表の活動をされています。


 この本の内容は、ある大学の講義録だそうで、大変読みやすいものです。一言で言えば、世界史と日本史のおもしろいところを編集しなおしたものといえるでしょうか。その中でも一番コアな内容は、ユダヤ教とキリスト教の話だと思います。世界のあり方に最も影響を与えた宗教だからでしょう。

 その他にも仏教や日本文化の話もあり、大変多岐にわたる内容ですが、物語として大変面白く読めます。


 池田晶子さんの本にもイエス・キリストや仏陀の言葉が時々出てきますが、その歴史的背景の整理に役立つ面白い本だと思いました。


2 コメント

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追記 (miyurin)
2007-04-01 20:10:00
 今回は能天気に『17歳のための世界と日本の見方』を紹介しましたが、細かく言えば池田ファンにとっては違和感のある文章もあります。

「・・悪は、もともと相対的なものであるはずです。・・仮に犯罪が悪だとしても、その犯罪には罰金や刑期が重いものや軽いものがあるように、やっぱり相対的なんです。」(P.187)

 上の話から、キリスト教などの一神教における善悪の絶対化の話に移行していいます。物語の流れとしては大変面白いのですが、善悪が相対的である、との言い方はやはり馴染めません。


 池田晶子さんは天才は好きでしたが、博学な知識人はお嫌いでしたから、もしかしたら松岡さんは嫌われる側だったかも知れません。
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読んでみます (久里浜@)
2007-04-02 22:23:32
 これからネット書店で発注して読んでみます。
 池田さんは古典を愛されましたが、ぼくは今のところ多読でいろいろな見方を学んでいこうと思います。
 今読んでいるのは村上春樹の新訳による「ロング・グッドバイ」と、中野孝次の「ローマの哲人セネカの言葉」と、幻冬舎新書の「会社を辞めるのは怖くない」です。多読というより、乱読かも。
 
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