哲学とワインと・・ 池田晶子ファンのブログ

文筆家池田晶子さんの連載もの等を中心に、興味あるテーマについて、まじめに書いていきたいと思います。

塩野七生さんの「日本人へ」35

2006-04-09 07:02:06 | 時事
 先月の出版ではありますが、今月の文藝春秋(4月号)の「日本人へ・35」は「乱世を生きのびるには・・」という題でした。

 端的に要約すると、「今年は面白くない年になりそうである。イランの核問題、パレスチナ問題、イスラム風刺問題、中国の問題・・。大国ではないゆえ問題を討議するグループからはじき出されている日本は、アイデアを出しても他国が乗ってこない状況がこれから多くあるだろう。というわけで提案なのだが、今は日本人だけで解決できる問題にエネルギーを集中してはどうか。それは経済力のさらなる向上、以外にはない。」



 世界と歴史を俯瞰して発言できる塩野七生さんならではの提案ですから、重みがあります。限られた資源の活用、輸出産業の推進、科学技術力の向上、日本文化の情報発信・・・等、できることからやっていってはどうかということですね。

 政治や外交が下手な日本人でも、経済の再発展に注力することならまだできそうな気がします。そのためには国内の問題はしっかり片付けなければなりません。塩野さんも書いている通り、財政再建については早急に的確な処理をしなくては日本の将来はないのでしょうし、国際的役割については決して背伸びをせず、後藤田正晴さんが仰っておられた通り、平和憲法に沿って行動をすべきなのでしょう。