かたつむり・つれづれ

アズワンコミュニテイ暮らし みやちまさゆき

衣更え

2012-10-23 05:53:54 | アズワンコミュニテイ暮らし

 めっきり涼しくなった。

 お風呂も沸かすことが多くなってきた。

 どうせ沸かすんだったら、近くに暮らす娘一家もいっしょに入ろう。

 

 この間は、娘と小1の晴空(はるく)が夜やってきた。

 晴空は、食卓の上のクッキーを見つけて、「これ、食べてもいいか」と

食べ始めた。

 「おじいちゃんにも、ちょっと、おくれ。味みたいから」と言ったが、

「いや!」と返事。

 家のなかでは、好きなことを言って、好きなことしている。

 

 娘としばしおしゃべり。

 今朝、集団登校で集まっている子どものなかに、晴空がいた。

 なにか、家のなかでワガモノ顔で振る舞っている孫とは違う。

 「やけに、おとなしいというか、おすまししてるというか」とぼく。

 

 娘が衣更えの話をした。

 「涼しくなったから、そういう服を用意したんだけど、ふつうは

その日の天気の加減でなにを着ていくかって、考えるじゃん。

晴空は違うんよ。他の子どもたちがどんな服を着ているかって、

そのほうが大きいのよ」

 「へえーそうかあ」

 じぶんの子どものころをおもいだす。そういう気持ちの持ち方が

まったくなかったわけでもないだろうが、あんまり記憶に出てこない。

 

 中学生の男の子をもつお母さんから聞いたことがある。

 「雨の日、しきりに友だちがどんな格好で学校へ行っているか、

そこんとこ、ずいぶん気にしてるのよ」

 そんなこともないことなかったけど、切羽詰まったものはなかったかなあ。

 

 周りのことを気にすることに、小学校の1年ぐらいから、切羽詰まった

感じ、健気にまわりに合わせていこうという気持ちの持ち方。

 本人は、日常のあたりまえのこととしてやっていて、そんなに苦痛でも

ないときが多いのかもしれないが、そういうことは、その子のなかで

どうなっていくのかなあ。

 

 昔から、”内弁慶”ということが言われている。

 あんまり、気にすることもないのか。

 毎日の積み重ねがどんな人間になっていくのか、無理な

緊張で暮らしていくのは、なにか人の本来性をゆがめていくように

かんじるのだけど。

 

 その夜、「クッキーをもっと食べてもいいか」とばあさんに言いながら、

晴空はそのうちの一つをぼくにくれた。

 そのあと、やっとお風呂に入りに行った。