「音の風景」

 ある程度年配の方にお尋ねいたいのですが、子供の頃、らっばを吹きながらお豆腐屋がやってくるのは、一日のうち何時ごろだったでしょう。私にとって、豆腐屋さんの「音の風景」は夕方なのです。

 ところが、密蔵院の近所の人たちは「午前中の音の風景」なのだとか・・・。「冷蔵庫がない時代に、夕方まで豆腐が売れないんじゃ、悪くなるから午前中で売りきるものだよ」と説得力のある言葉。でも、私にとっては夕方の音なのです。

そんなことを思ったのは、昨日節分の後でお世話人と話している時に、私より10歳ほど年上の方々が「節分の夕方の"音の風景"は、町のあちこちで聞こえてくる大きな声の"鬼は外、福はうち"だった」というのです。

それが終って鬼が来ないように雨戸を閉めて、呼び込んだ福が逃げ出さないようにしたものだともおっしゃいます。それを聞いて、私も子供の頃は、豆まきを終えて戸締りをしたのを、懐かしく思いだしました。

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