水戸梅日記

水戸・いばらき

「学問は驚きだ -地球の行方-」

2005-08-15 | 読んだ本
前回の続きです。智慧の実を食べよう「学問は驚きだ」(糸井重里)という本の中の2つ目のお話です。

「地球の行方」松井孝典さんのお話です。

katurahama地球とはシステムだそうですが、1万年前に人間圏ができた(農耕をはじめた)ときから、地球システムの物質循環の速度は約十万倍になっているそうです
例えば、数千年先には(※プレートテクニクス的には)オーストラリア大陸はいずれ日本列島にぶつかるらしいですが,現在は,あっという間にオーストラリアの鉄鉱石が日本で鉄になってしまうわけです。

宇宙の歴史、地球の歴史、生命の歴史、人類の歴史を一言で言うと「分化」だそうです。(※人間圏に共同体が作られるようなことが分化の方向だそうです。)これが歴史の発展方向なのですが、著者は「インターネット社会」の出現で、「分化」とは逆のことが起きている(※エントロピーが増大してる=均質化)と感じています
「分化」とは逆の同質化過程にある情報社会の中で、どのような共同幻想が生み出されるのか、その幻想が地球システムと調和的な人間圏に資するようなものでなければ未来は見えてこないとしています


それって、人間圏の未来を見通すのは、数億年後の地球を見通すことより難しいって事なんだなぁ・・・やっぱり人間ってわからなさ過ぎると思いました。そして、ここまでさえ,私にはかなり理解が難しかったのですが、最後には、科学から哲学の領域に入っていきまして、「何が普遍で、何が特殊か」についても著者は考えを巡らせています。
私たちが思い描いている世界は宇宙というスケールでは特殊なのだそう・・・だから、日常のいろいろな事象のひとつひとつについて、それが普遍か特殊か,しっかり疑いを持ちながら考えることが生きていく上では重要!とのお話でした。

なるほどなぁ・・・と感心しながら(私はすぐ感心します。しかもかなり簡単に。)毎日,いろいろ考えているとあっという間に時間は過ぎます。(何も自分からは生まれないけど・・・)テレビも見ず、新聞もろくに読まずに・・・気がつくと深夜。でもなんか楽しいんです。(ヘンですね。)

※写真は,桂浜の月です。








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懐かしの女子大生

2005-08-15 |  ひとりごと
cake

去年の今頃は女子大生でした・・・(え?ホントだってば!)。5ヶ月という短い期間でしたが、一応、問題意識を持って勉強してました(お酒も普段より飲んだせいか、覚えてないことも多いですけどね)。で、1年前を振り返ると、現在、こんなだらーっとした生活をしていいのかしら・・・という不安に駆られることがしばしばあります。

そんなこともあって,来週は鳥取で開かれる2日間の「自治体学会」に参加することにしたのでした。多分内容は難しくて全部は理解できないと思うのですが,そこに集まる人たちから“何か”を感じられることを期待して・・・行きます。

仕事帰りに、前に同じ職場だったSさんに会いました。モー娘のディナーショーやら香港ツアーに行くのだとうれしそうに教えてくれました。香港でなっち(?)にちょっと会えるだけで23万円・・・?んーん。ま、価値観は人それぞれ違うからいいんですけど・・・。(それを言ったら、私もある行政学の先生に会えるだけで6万円・・・ですから。)

でも、彼は勉強する必要性がないくらい頭が良い人(著名な法学部教授をして、彼の法律感覚にはかなわないと言わしめた人)なのですが、なんか・・・勉強って、やっぱりする必要がある人がするんだなぁ・・・と思ったのでした。

※写真は、ある方にいただいた卒業祝ケーキです。なぜか・・・自治大卒業・・・となっていたのですが・・・、とてもとてもうれしかったです。ローソクを自分で吹き消すなんて・・・しばらくぶりでした。






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「学問は驚きだ -会社の行方-」

2005-08-15 | 読んだ本
智慧の実を食べよう「学問は驚きだ」(糸井重里)という本が面白かったので,その内容を少し紹介します。

最初は,「会社の行方」岩井克人さんのお話です。

会社は「ヒト」としての性質を持つと同時に,「モノ」としての性質を持っているそうです

「ヒト」としてはいわゆる「法人」ということであり,「モノ」としての会社が「株式」であるということ。

これを出発点にするだけで,いろいろなことが上手に説明できてしまうのだという事実に驚きました。(私は実は20くらいの会社の株主なのですが,モノとしての株式を所有しているだけで,その会社自体はヒトとして活動(財産管理など)もしているわけで,・・・なるほど,会社は株主のモノとは一概に言いきれないんだなぁということをすっきり理解したのでした。)株主主権論が幅をきかせていますが、そうではないということがわかります。こういうことを頭の中で整理できる人というのはすごいと思います。

また,こういう研究をしている経緯も知ることができましたが(経済学の主流から外れたことなど),「人間とは何か」ということを,経済学の中で考えていくのが大切だと気がついたことが,ある意味で著者の転換点だったようです。経済的合理性によって行動するだけが人間じゃないと思い始めた・・・。(でも,それは少なくともその時点では経済学の主流にはならなかった・・・)

「会社の行方」を考えるにあたって著者は「信任」という言葉に注目してます。

資本主義における基本的な関係は「契約関係」とされていますが,本当にそうなのか?「信任関係」じゃないのかと考え始めていて,その違いを理論化しようとしています。資本主義の一番中核には「会社」があるけれど,その真ん中には,実は利益追求とは対立する経営者の「倫理」があって,そもそもこれがないと会社制度は成り立たないというような思索・・・なんかすごいっ!と思わされたお話でした。(ちなみに、うちの会社の行方には非常に大きな不安を感じている私です。)





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