風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

ブルームーン

2017-11-25 21:01:43 | グルメとして
 「大気中の塵の影響により月が青く見える現象」をブルームーンと呼び(Wikipedia)、滅多に見ることはないため、「19世紀半ばには"once in a blue moon"は『極めて稀なこと』『決してあり得ないこと』といった意味で使われる慣用句となった。そういった意味を含めて、ブルームーンという言葉で特別なことを指す場合もある」(同)という。なかなか謎めいたところがある、雰囲気のある名前だ。しかしここで言いたいのは実はビールのことだ。確かに私にとっては「特別なこと」だった。
 アメリカ出張中、いろいろビールを試したが、一番記憶に残るのがこの「ブルームーン」だったのだ。否、そればかりではない。ギリシャ料理や、アメリカンなステーキや、シーフードや、タイ料理も、確かに美味かったが、そんな40ドルから60ドルもするような豪華な食事より、一番記憶に残る食事が、土曜の昼さがり、ナショナル・ギャラリーやスミソニアン博物館を訪れた帰りに立ち寄った薄暗いバーで食べたピリ辛のチキン・ウィングと昼間っから飲んだ「ブルームーン」の僅か10ドルの組み合わせだったのだ。実に安上がりな男だ(笑)。
 これまで慎重に「記憶に残る」と書いて来たが、美味くないわけではない。だからと言ってビールとして断トツに美味いかと問われると自信がない。しかしコクがあってクセになる。どうクセになるというのか。
 ウェブサイト(http://bluemoonbrewing.jp/)を覗いてみると、Belgian-Style Wheat Aleとあり(でも、アメリカ製である)、Profileには次の様に記されている。
(引用)
・原材料、成分:麦芽、ホップ、小麦、オーツ麦、コリアンダーシード、オレンジピール ※麦芽使用率:50%以上
・ルックス:より深いフレーバーを残すために濾過処理をしないため濁りがあります。
・アロマ:シトラスの香りあふれるフルーティーな風味と、軽くスパイシーな小麦のアロマ。
・テイスト:口に含むとまず、すがすがしいフレーバーが広がり、コリアンダーとオレンジのぴりっとした香味が残る。そこにバレンシアオレンジピールが、ほのかな甘味を添えている。
・口当たり:オーツ麦が生み出す、複雑でクリーミーなミディアムボディ。そして、しっかりしたコク。
・後味:クリーミー、コリアンダーとオレンジの香味。スパイスのかすかな余韻を残す。
(引用おわり)
 分かったようでなんだかよく分からないかも知れないが(苦笑)、何度も飲んだ私には、キーワードにはいちいち心当たりがある。より深いフレーバー、シトラスの香り、フルーティーな風味、軽くスパイシー、バレンシアオレンジビール、クリーミー、しっかりしたコク・・・念のために言っておくが、ビールである。そうか、このクセのある、まったりとした味わいには、オレンジが使われていたのか。言われてみれば合点する。都内でも手に入るし、あちらこちらの飲み屋にも卸されているようなので、見かけたら、是非、お試しあれ。クセになること請け合いです。
コメント
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