風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

これもアメリカ~合理性

2017-11-11 12:29:30 | 永遠の旅人
 ダラス・フォートワース空港で乗ったタクシーは、ナビがないだけでなく、メーターもクレジットカード決済端末もない普通の車だったが、スマホにアダプターをつけると簡単にクレジットカード決済が出来た。画面が小さいから地図を表示しなかっただけのことだったようだ。領収書が欲しいと頼むと、おもむろにスマホを差し出し、携帯電話にSMSで送るから電話番号を入力しろと言う。日本だけど大丈夫か?と聞いても頓着しない。とにかく仕事を早く終えたい一心・・・これがアメリカ人だ。国際電話アクセスのための「プラス」記号が必要だったことを思い出し、「0」を長押しすると確かに「プラス」記号が出て来て、+81・・・で確認ボタンを押して、なんとか完了した。携帯電話が圏外になってしまっていて、まだ確認出来ていないが・・・。
 ワシントンDCのロナルド・レーガン空港で乗ったタクシーも、やはりメーターもクレジットカード決済端末もない普通の車で、i-Padが掲げられ、地図と走行ルートと値段が表示されていた。領収書が欲しいと頼むと、メールアドレスを入力しろと言う。なんとか完了したようで、ホテルに戻ってメールをチェックすると、確かに領収書が届いていた。
 ところが・・・
 この歳になって、署名に代わってメールアドレスの入力などという、七面倒な新たなステップが入ると、そのことに夢中になって、うっかりクレジットカードを受け取るのを忘れてしまった。相手が気が回らなかっただけだと言いたいところだが、私も注意散漫だった。いずれにしても、タクシーを降りて、ホテル・ロビーに一歩、足を踏み入れたところで気がついたが、後の祭り。仕方なく日本のオフィスに電話して、クレジットカードの失効手続きをとってもらった。出張初日にして、なんたる失態・・・。
 ところが程なくして、タクシーの運ちゃんから電話が入った。降ろしたホテル名とクレジットカード記載の名前を頼りに、追いかけてくれたようで、どうする? と。ホテルまで届けてもいいけど、運賃を払ってね、と。勿論、支払うから待っていると答えると、運ちゃん自身の電話番号を教えてくれて、ちょっとアメリカ人を見直した瞬間だった。
 そこまでされると、カードが戻ってくることが確信できたので、早速、東京に電話して失効手続きを止めようとしたが、一歩、間に合わなかった。
 そして何も知らないその運ちゃんは、失効したクレジットカードをホテルまで届けてくれた。最初にホテルに到着したときにはチップ込みで25ドル支払ったが、15ドルでいいと言う。サバを読んでいるかも知れないし、もはや失効したカードだったけれども、気持ちが嬉しかったので20ドル札を渡した。運ちゃんも心なしか嬉しそうにトイレに向かった・・・。
 というわけで、アメリカはペーパーレス社会で、スマホがないと生活できそうにない。アメリカ担当営業の知人に聞くと、タクシーを拾った!?と馬鹿にされた。今どき、当然の如くUberらしい。私は・・・と言うか、日本は・・・間違いなく遅れている。
 上の写真、ワシントンDCの通りにも(中国ほどの規模ではないが)貸し自転車がある。
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これがアメリカ~大らかさ

2017-11-11 07:55:11 | 永遠の旅人
 いまアメリカ出張中で、主(トランプ大統領)が外遊中で不在のワシントンDCにいる。彼の訪日報道のとき、この時期のワシントンDCは氷点下になることもある・・・などと聞いていたのにもかかわらず、荷物を減らすためにコートを持って来なかったら、案の定、寒さに震えている。天気予報によれば華氏30度台・・・ということは摂氏5度以下で、周りは皆、もう冬支度である。
 今回はダラス経由で入った。最近はアメリカ訪問者にはESTAというビザもどきの取得が義務付けられており、入国にあたって機械で到着確認の入力をした上で、通常の入国審査に入るので、二度手間になる。ESTAでは、パスポート番号や誕生日や連絡先のほか、両親のフルネームまで書かされて、丸裸・・・これが911以後のアメリカの現実なのだろう。しかも審査官が少なくて長蛇の列なのに、まったくお構いなしなのも、日本で観光客誘致にこれ努めているのと対照的で、来たかったらおいで・・・程度の扱いなのが、なんだか哀しい。1時間半もかかって、まわりにいた日本人の中には国内線乗り継ぎに間に合わないと騒いでいた人が何人かいた(が、国際線と違って国内線は待ってくれない)。
 タクシーを拾って、子会社に向かったのだが、運ちゃんは地図が頭に入っていなくて、だからと言ってカーナビを入れているわけでもなく、オフィスがあるのはあの辺りかこの辺りだと言い放って、実にいい加減に車を走らせる(だからといって、アメリカは密集していないので、だいたい外れることもない)。仕方なく、プリントアウトして持って来た地図を取り出して(そういう私はいまだにガラケーである)、道案内する羽目になった。おいおい、5年ぶりに来た外国人に案内させるのかよ・・・とも思うが、何ら悪びれる風はない、いい加減なところもいかにもアメリカである。
 ほんの2時間の滞在で、再び空港に戻り、昼食にサンドイッチとスムージーを頼んだら、ビッグ・サイズなのが懐かしく、アメリカに来たことを実感する。その後、ワシントンDCまでのフライトの3時間弱は、身体にとっては深夜を過ぎて明け方ということもあり、死んだように眠りこけた。空港からホテルに向かうタクシーでトラブルに見舞われ(これについては稿をあらためる)、部屋で落ち着いたのは夜11時を回ってしまい、ルーム・サービスを頼むほどの食い気もなく、ロビーのバーで軽くつまもうと下りてみると、もう食事の提供は終わっていて、仕方なくツマミを頼むと、日本では灰皿程度のナッツが丼にてんこ盛りで出てきて、ビールはサイズのチョイスはなく大ジョッキで、腹いっぱいになる、これがアメリカなのだ・・・。
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