東京電力料金値上げに伴う節電対策の実施について、といったような御触れが、私の会社でも出されました。施策はざっとこんな具合いです・・・
・執務フロアの照明50%間引き(継続中)
・執務フロアでは必要場所のみ点灯
・執務フロアの空調運転は18:00まで
・エレベーターの間引き運転
・エスカレータの停止(昼休み除く)
・給茶機の休止(継続中)
・自販機の商品展示の照明消灯(継続中)
・トイレ温水洗浄便座の温水装置および便座温熱装置停止
本社ビルでの施策なので、なんとなくセコイし暗くなりそうなテーマばかりですが、実際に、これまでブログでも触れたことがあったように、私たちの生活は電気を使い過ぎていたのではないか・・・と反省しているのもまた事実です。ただ辛いのは、執務フロアに人とパソコンが集中していて、エアコン設定温度28度と言いながら執務中の体感温度は30度を超えてしまうところで、今年も暑い夏になりそうです。
それでも原発の構成比率25%の東京電力管内はまだマシな方なのでしょう。原発を全て止めてしまった今年は、原発の構成比率が50%に達していた関西や九州で、停電(Black-out)の危機が現実味を帯び、恐らく経産省あたりから計画停電をちらつかされたせいでしょう、それは困るとばかりに産業界は腰砕けで、結果として暫定的な大飯原発再稼働を受け入れざるを得ないような雰囲気になりつつあります。しかし、民主党政権は、福島第一原発で、何が問題だったのかをきっちり検証し反省したのかどうか、その問題に対策を立てるからこそ大飯原発をはじめとする原発再稼働は問題ないと言い切れるのかどうか、不勉強ながら私にはよく理解できていません。もとより私は、長期的には脱原発の方向以外にないことは理解するも、短期的には必ずしも再稼働に反対するものではありません。しかし、事故の事実確認と再発防止策というリスク管理の基本をないがしろにした再稼働には、大いに疑問を持たざるを得ません。
以下はおまけです。
先日、ある雑誌社主催で、猪瀬直樹さんの講演を聞く機会がありました。彼を見るためにわざわざ半日休暇を取ったようなものですが、そのセミナーの本題に触れたのはごく僅かで、脱線だらけ、言いたい放題、猪瀬さんだからこそ許される、まさに期待通りの講演で、面白く拝聴しました。
猪瀬さんは、原発推進とも脱原発推進とも、感情的また政治的な意思表示をされないところが、スマートです。ただ立場上、少しでも低廉な電気を安定して供給できるよう、新電力のシェア・アップ(現状の3.5%→30%を枝野経産相に要請)と、9電力独占体制を解体し相互乗り入れを実現させることに注力されているようでした。氏の話で面白かったのは、大きな送電網やピラミッド構造は切断されたらオシマイ、だからエリア毎に生き残れるような体制を作るのだと、力説されていたところでした。東京のように重要な機能が集中している巨大過密都市にあっては、なるほど言われてみれば当然の判断ですが、あらためて卓見だと思います。引き合いに出されていたのが、六本木ヒルズで、私なんかはヤッカミ半分で見てしまいがちですが、あそこは自家発電を備えていて、自らのビルだけでなく近隣をも賄うだけの規模を誇っているらしい。何故、自家発電なのかと言うと、外資系企業がオフィスを構えていて、24時間、マーケットを追いかけるために、24時間、電気の供給を切らすわけにはいかないからだと。
それから氏が冗談半分に語ったのが東電の役所体質でした。1990年代と言えば、バブル崩壊後の失われた10年と言われますが、電力需要はその間も増えていたそうです。氏によると、経済が生活の豊かさに影響を与えるのに10年くらいのタイムラグがあるのではないかと。それはともかく、東電でも1990年代までは設備投資をやっていましたが、2000年代に入って電力需要が頭打ちになった頃から、事業に直接関わる設備投資はなくなり、代わって、瀟洒な関係会社の設立が相次いだのだそうです。実際に、東京に本社がある関係会社の数は、2000年代に急激に増えたと、それ以前の20年と比べて実証されていました(ことほど左様に、役所体質を攻めるのに数字を以てせよと)。つまり、東電は昔からおかしかったわけではない、この10年が問題なのだと。慧眼ですね。
石原都知事は、こういった率直で朴訥としていてしかも信念の人をしっかり見抜いて働く場を与えて実際に自由に動かしている、更に重要なのは世間に向かって語らせてさりげなく宣伝している、といったことを考えただけても、民主党の凡百の幹部連中とは格が違うのを感じます。何が言いたいのかと言うと、国レベルでは政治が停滞して希望が見えませんが、東京都はしっかりしているな・・・と。今年は計画停電のような野蛮なこと(と当時のブログに書きました)は起こらないことが期待されますが、首都圏直下型地震をはじめとして、いろいろ不安が多い中、政治がしっかりしていると、生活への安心感が増すものだ・・・と素朴に感じました。
暑い夏を、何とか乗り切りましょう。
PS(2012-06-03)
本稿を書いた趣旨は、皆で頑張ってこの夏を乗り切りましょう!みたいな、まるで良い子の呼びかけのように見えますが、タイトルと最後の一文は、溜息とともに呟いているものです。言外に、みなさん本当にこれでいいのかなあ~勘弁してくれよ~と毒づいているもう一人の私がいます(笑) 本文を読んでも意図が伝わりそうにないのでClarifyしておきます。
・執務フロアの照明50%間引き(継続中)
・執務フロアでは必要場所のみ点灯
・執務フロアの空調運転は18:00まで
・エレベーターの間引き運転
・エスカレータの停止(昼休み除く)
・給茶機の休止(継続中)
・自販機の商品展示の照明消灯(継続中)
・トイレ温水洗浄便座の温水装置および便座温熱装置停止
本社ビルでの施策なので、なんとなくセコイし暗くなりそうなテーマばかりですが、実際に、これまでブログでも触れたことがあったように、私たちの生活は電気を使い過ぎていたのではないか・・・と反省しているのもまた事実です。ただ辛いのは、執務フロアに人とパソコンが集中していて、エアコン設定温度28度と言いながら執務中の体感温度は30度を超えてしまうところで、今年も暑い夏になりそうです。
それでも原発の構成比率25%の東京電力管内はまだマシな方なのでしょう。原発を全て止めてしまった今年は、原発の構成比率が50%に達していた関西や九州で、停電(Black-out)の危機が現実味を帯び、恐らく経産省あたりから計画停電をちらつかされたせいでしょう、それは困るとばかりに産業界は腰砕けで、結果として暫定的な大飯原発再稼働を受け入れざるを得ないような雰囲気になりつつあります。しかし、民主党政権は、福島第一原発で、何が問題だったのかをきっちり検証し反省したのかどうか、その問題に対策を立てるからこそ大飯原発をはじめとする原発再稼働は問題ないと言い切れるのかどうか、不勉強ながら私にはよく理解できていません。もとより私は、長期的には脱原発の方向以外にないことは理解するも、短期的には必ずしも再稼働に反対するものではありません。しかし、事故の事実確認と再発防止策というリスク管理の基本をないがしろにした再稼働には、大いに疑問を持たざるを得ません。
以下はおまけです。
先日、ある雑誌社主催で、猪瀬直樹さんの講演を聞く機会がありました。彼を見るためにわざわざ半日休暇を取ったようなものですが、そのセミナーの本題に触れたのはごく僅かで、脱線だらけ、言いたい放題、猪瀬さんだからこそ許される、まさに期待通りの講演で、面白く拝聴しました。
猪瀬さんは、原発推進とも脱原発推進とも、感情的また政治的な意思表示をされないところが、スマートです。ただ立場上、少しでも低廉な電気を安定して供給できるよう、新電力のシェア・アップ(現状の3.5%→30%を枝野経産相に要請)と、9電力独占体制を解体し相互乗り入れを実現させることに注力されているようでした。氏の話で面白かったのは、大きな送電網やピラミッド構造は切断されたらオシマイ、だからエリア毎に生き残れるような体制を作るのだと、力説されていたところでした。東京のように重要な機能が集中している巨大過密都市にあっては、なるほど言われてみれば当然の判断ですが、あらためて卓見だと思います。引き合いに出されていたのが、六本木ヒルズで、私なんかはヤッカミ半分で見てしまいがちですが、あそこは自家発電を備えていて、自らのビルだけでなく近隣をも賄うだけの規模を誇っているらしい。何故、自家発電なのかと言うと、外資系企業がオフィスを構えていて、24時間、マーケットを追いかけるために、24時間、電気の供給を切らすわけにはいかないからだと。
それから氏が冗談半分に語ったのが東電の役所体質でした。1990年代と言えば、バブル崩壊後の失われた10年と言われますが、電力需要はその間も増えていたそうです。氏によると、経済が生活の豊かさに影響を与えるのに10年くらいのタイムラグがあるのではないかと。それはともかく、東電でも1990年代までは設備投資をやっていましたが、2000年代に入って電力需要が頭打ちになった頃から、事業に直接関わる設備投資はなくなり、代わって、瀟洒な関係会社の設立が相次いだのだそうです。実際に、東京に本社がある関係会社の数は、2000年代に急激に増えたと、それ以前の20年と比べて実証されていました(ことほど左様に、役所体質を攻めるのに数字を以てせよと)。つまり、東電は昔からおかしかったわけではない、この10年が問題なのだと。慧眼ですね。
石原都知事は、こういった率直で朴訥としていてしかも信念の人をしっかり見抜いて働く場を与えて実際に自由に動かしている、更に重要なのは世間に向かって語らせてさりげなく宣伝している、といったことを考えただけても、民主党の凡百の幹部連中とは格が違うのを感じます。何が言いたいのかと言うと、国レベルでは政治が停滞して希望が見えませんが、東京都はしっかりしているな・・・と。今年は計画停電のような野蛮なこと(と当時のブログに書きました)は起こらないことが期待されますが、首都圏直下型地震をはじめとして、いろいろ不安が多い中、政治がしっかりしていると、生活への安心感が増すものだ・・・と素朴に感じました。
暑い夏を、何とか乗り切りましょう。
PS(2012-06-03)
本稿を書いた趣旨は、皆で頑張ってこの夏を乗り切りましょう!みたいな、まるで良い子の呼びかけのように見えますが、タイトルと最後の一文は、溜息とともに呟いているものです。言外に、みなさん本当にこれでいいのかなあ~勘弁してくれよ~と毒づいているもう一人の私がいます(笑) 本文を読んでも意図が伝わりそうにないのでClarifyしておきます。