風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

時差ぼけ

2017-11-24 21:40:20 | 永遠の旅人
 日曜日の夜に戻ってきて、最初の夜こそ旅の疲れがあってぐっすり眠れたが、翌日以降は狂った体内時計に従って苦悩の日々が続いている。一週間もあれば昼夜逆転でも現地の生活リズムに慣れてしまうと言われる通り、私のような老体でもそれは例外ではない。
 一般には西回りよりも東回りの時差ボケの方がキツイと言われる。西回りでは時間の流れ(地球の自転)と逆行するので「夜が長く」なり、夜更かし(=朝寝)することで調整出来るのに対し、東回りでは逆に「夜が短く」なり、早めに(眠くならなくても)寝て、その分、朝も早く起きなければならないのが辛いからだ。これは、アジアなどでの近距離移動を考えると分かりやすい。例えば日本→シンガポール→タイというように西に移動していくと、1時間ずつ夜が遅くなり、その分、朝も1時間余計に寝ていられて楽ちんなので、出張のときはよくこのパターンを使った。しかしアメリカ東海岸となると、14時間の差は言わば昼夜が引っくり返るので、東回りも西回りも大して変わらない・・・というのが実感だ。
 昼夜逆転して、昼間、当然ながら英語の会議に出ることになるので、なおさら睡魔と戦うのが辛くなる(苦笑)。現地に向かう機内では早速、現地時間に合わせるのがいいと言われるが、昼飯も食いたいし、ビールやワインをしこたま飲んで昼寝と決め込むが、昼寝程度ですぐに目が覚めてしまうし、そう簡単なことではない。そこで今回は現地で寝酒を(睡眠薬代わりに)使った(笑)。毎晩、ワインをハーフボトル開けて、無理矢理眠くさせ、なかなか寝付けないので夜遅くなるが、それでも短いながらも熟睡できる(が、朝5時過ぎには目覚めてしまうのだが)。
 ついでながら、米国滞在中、最近は滅多に使わなくなった英語に耳慣れるため、ホテルの部屋では起きているときも寝ているときも(言わば睡眠学習!)CNNやFOX Newsを流しっぱなしにしていた。
 その内、何度も流れるニュースに辟易することになる。そのひとつは民主党のフランケン上院議員のセクハラ・ニュースだ。Bloombergによると「ロサンゼルスのラジオ局KABCのアンカー、リアン・トゥイーデン氏がフランケン氏からわいせつ行為をされたと訴えていた。2006年の駐留米軍を慰問する中東ツアー中、フランケン氏から強引にキスされたほか、寝ている時に胸をつかまれ写真を撮られたとトゥイーデン氏は主張した。これに対し、フランケン氏は強引にキスした記憶はないとしたが、トゥイーデン氏が眠っている時に胸に触っている写真を撮ったことについては謝罪した」というもので、この中東ツアーで軍服を着て寝ている女性に忍び寄って胸に手を伸ばす、見るからに悪戯っ子そのもののフランケン氏の写真を何度も見せつけられ、目に焼き付いて離れない(笑)。因みにフランケン氏は元コメディアンで、2009年に上院議員になる以前の言わば冗談っぽい話なので、多少は弁解の余地があるようにも思う。実際、そのフランケン上院議員をヒラリー・クリントン女史が弁護したものだから、クリントン元・大統領の不倫話まで持ち出して、今なら大統領を辞任しなければならかっただろう、などとまくしたてる女性も出て来て、えらい騒動になっていた(アメリカはもはやプラグマティック、つまり大統領職とプライベートはそれなりに区別する・・・ことはなくなったのか)。と言っても、これはFOXニュースで繰り返されていたものなので、恐らくトランプ大統領のかつてのセクハラ疑惑の反動で民主党への反撃の一環だったのだろう。
 上の写真は、ワシントンDCでの訪問先の近くにあった、トランプ・インターナショナル・ホテルである。かつて米国の中央郵便局として使われた「オールド・ポスト・オフィス」で、ちょっとした城のような威容がある。トランプ側(トランプ・インターナショナル)は、19世紀に建設されたこの歴史的な建物の改修工事を米国政府から受託し、60年間のリース契約を結んで、晴れて昨年9月12日にオープンした。大統領選に立候補する以前から進んでいた計画だったが、2年以上前倒ししてオープンに漕ぎ着けたのは、大統領になってから話題になるのを避けたかったのだろうか。実際、大統領に当選してからというもの、マスコミから利益相反を批判されたものだったが、今やそれ以上の問題(!?)で世間を翻弄し続け、利益相反のことはすっかり忘れ去られている。
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