風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

緊急地震速報

2018-01-06 12:07:15 | 日々の生活
 昨日5日が仕事始めだった。年末年始の丸一週間、火が入っていなかったビルはすっかり冷え込み、オフィスは一日中、上着が必要なほど寒かった・・・と言うと、その昔、ボストンに駐在していた頃のことで思い出すことがある。東京よりも格段に寒く、だいたい11月のThanksgiving Dayあたりから4月末まで(ひどいときは日本ではゴールデンウィークに雪が降ったこともあった)の半年近く、雪掻きされる道路以外はすっぽり雪に覆われる。オフィスには暖房が入るが、誰の感覚を基準に室温設定されるかと言うと、圧倒的多数の現地人(つまり白人WASP)だ。日本人の私はオフィスの寒さに耐えきれず、セーターやカーディガンを羽織って仕事していた。ところが、そんな温度設定にも係わらず半袖のTシャツ一枚で過ごすツワモノがいる。一枚も二枚も上手である(文字通り!)。繰り返すが、片や厚手のセーターで、片やTシャツ一枚である。同じ人間とは思えないほど冷点が少ないのかと、白人(狩猟民?)の強さを思い知ったものだった。間違っても戦争は二度としない方がいい・・・(苦笑)
 閑話休題。屠蘇気分(などと言っても死語だから、正月ボケと言うのが正しい)が抜け切らないこの日の11時頃、あちらこちらのスマホや携帯で緊急地震速報がけたたましく鳴り響き、その音の騒々しさの方にびっくりした。恐らくこれで皆、目が覚めただろう(笑)。5秒、10秒、15秒、身構えて待つが、何も起こらない。職場の同僚とお互いに顔を見合わせ、そのまま仕事に戻る。茨城県と石川県の二つの地震の地震波を同時に観測したため、地震の規模を実際より大きく予測したらしい・・・というのは後で知った。
 こうして、携帯を一人一台持つ時代が来るとは想像できなかったが、Jアラート(全国瞬時警報システム)のような情報網が完備される時代がくるとも想像できなかったし、職場のように人が密集する場ではアラームが(目が覚めるほど!)騒々しい事態になることも想像できなかった(苦笑)。緊急地震速報は、「一定の条件下で、最大震度5弱以上と推定される場合に、震度4以上となる地域を対象に発表される」ものと、あらためて知った。P波とS波はPrimaryとSecondaryの頭文字だと、今さらながら知った(これを教えてくれていれば英語の勉強にもなったのに)。そのほか、地震波の伝わる速度がせいぜい数km/秒程度であるのに対し、有線・無線の電気信号は原理的には光の速度(約30万km/秒)で伝わるため、その差を利用したものであること(当然ながら、震源に近いところでは速報が間に合わないこと)、少ない観測点のデータから震源やマグニチュードを迅速かつ精度良く推定するためにコンピュータの性能向上が欠かせなかったこと、1観測点のP波の観測データから震源やマグニチュードを推定する手法などを活用していること、なども気象庁のHPで知った。気紛れな地球の癇癪の将来予想(予報)をするより、兆しを察知して予防する時代は、テクノロジーに支えられていたのだ。
 折しも首相官邸では、「初閣議に向けて待機していた閣僚応接室で、緊急地震速報を伝える携帯電話のアラームが一斉に鳴り響き、一時騒然となった」とある。産経電子版に出ていた安倍首相の写真を見ると、スマホではなくガラケーだった。いまだにガラケーの私は、安倍さんの場合はセキュリティ目的だろうことは承知しつつ、つい安心してしまった(笑)。
 この日、深夜0時54分、かなり強い地震があり、後から届いたメッセージを見ると震度4と分かった。緊急地震速報が来なかったので、大きな地震になるはずはないと頭では理解しつつ、つい不安になる。が、揺れが止んだ後、「便りがないのは良い便り」という俚諺を思いだし、なるほど便利な時代になったものだとあらためて実感したのだった。
 新年早々、地震に揺れた!?仕事始めであった。
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