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風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

ビーハグ?

2013-10-08 23:32:59 | ビジネスパーソンとして
 今朝の日経によると、企業が飛躍する過程で、外からは無謀と見えるほどの思い切った目標設定を「BHAG」(ビーハグ)と言うのだそうです(経営学者ジェームズ・コリンズ氏が命名)。Big Hairy Audacious Goalsの頭文字をとったもので、日本語に訳すと「社運を賭けた、とてつもない目標」とでもいうべきものだと。その例として、先日、亡くなられた豊田英二さんが、「カローラ」の開発・生産にあたって、どんな車になるのかまだ不明の段階で専用工場の建設を決め、月産2万台という当時としては常識はずれの量産体制を確立し、ライバル会社の度肝を抜いた・・・といった話が挙げられていました。結果として、日本にもマイカーが急速に普及し、自動車社会が到来したわけですが、ただ単に時代の流れや勢いに乗ったわけではない、時代を変えるこうした一人の経営者の英断を称え、現代においても、それが待望される、というようなニュアンスの記事でした。
 確かに、時として、漸進的ではない、ある種の飛躍や天才が、市場を創ることがありますし、社会を変えることがあるのを、感得出来ると思います。ブレークスルーという言葉で形容されるものです。今の日本では、長引く経済停滞とデフレの中で、すっかり縮小均衡に陥ってしまったかのようですが、それでも、同記事では、現代の「ビーハグ」の例として、JR東海の「リニア新幹線」や、三菱重工の小型ジェット機「MRJ」、サービス業では、大型投資で日米を跨いだ携帯サービスを構想するソフトバンクや、「宅急便」の網の目をアジアに広げるヤマト・ホールディングスが挙げられていました。アベノミクスの金融緩和が「異次元」と形容されたのは大袈裟でしたが、これらはまさに現状を突破(ブレークスルー)し「異次元」を目指すものと言えます。
 同じ企業経営の世界で、レベルが違いますが、例えば経費削減目標を、こぢんまり5%削減と設定すれば、小手先の対応でなんとか出来るレベルと思わせるために、甚だ心許ない一方、20%や30%削減を打ち出せば、ちょっとやそっとでは済まない、大胆な発想により、却って局面打開できることがあると言われるものです。
 ところで、スポーツ・ライターの相沢光一さんが、男子マラソンの世界記録が更新されたことを紹介するエッセイで、日本はアフリカ選手に完全に後れてしまった、こうなれば破天荒な選手に期待するしかない、と述べておられました。ケニア選手は2時間3分台を目標に練習しているようですが、日本人選手は、例えばモスクワ世界陸上の代表選考基準として設定された2時間7分59秒を目指すとすれば、3分台はおろか5分台とか6分台すらも難しそうだと感じてしまいます。
 目標設定というのは、なかなか難しいものですね。さて、私は、マラソンにせよ仕事にせよ、どのレベルを目指すべきか・・・。
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Unknown (あんびばれんと)
2013-10-09 00:08:29
日本発明協会が戦後イノベーション100選というのをやっているそうです。100も選ぶことの意味があるのかと思いますが、戦後から高度成長期、バブル、失われた20年と流れる中で、価値をどこに求めるのか、が変わってきて、ものづくりからことづくりへと進んでいるという理解のようです。ですが、そうした流れも目標設定があってのこと。そういう背景を抜きにイノベーションを語るのはどうなのか、と思います。これからの社会、未来の世界をどうしたいのか、を考えて目標を設定しないと、イノベーションのためのイノベーションになってしまうように思います。
(参考)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20130708/250845/?rt=nocnt
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