風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

えげつない中国

2017-03-25 00:00:19 | 時事放談
 東京(より正確に首都圏)は、就職のために出て来て30年、人生の過半を過ごした街でありながら、感情的な物言いは何故か大阪弁に戻ってしまう。言葉のもつ魔力というか不思議であり、逆に言葉の重要性をも物語るが、それはともかく、地域大国として台頭し傍若無人な振る舞いを続ける中国を一言で形容するならば、私には「えげつないなあ」ということになる。三省堂大辞林によると「えげつない」とは、
 ①度を過ごして露骨に表現するさま。露骨で、いやらしい。 「 - ・いことを言う」
 ②やり方に思いやりや人情味がない。情け容赦もない。「商売のやり方が-・い」 〔もと関西方言。昭和期にはいり,次第に一般に用いられるようになった〕
 世界第二の経済大国として世界経済にがっちり組み込まれているから世界から疎外されるわけには行かない。しかも西欧文明への敬意なのか引け目もあって国際社会では良い顔をする。しかし域内では強面である。国内では民意を気にしながらも厳しい言論統制を敷いてガチガチの管理社会を築き上げ、近隣諸国に向かっては「経済協力」を餌に(悪徳商人風に言うならば札束で頬を叩きながら)自らに都合の悪い言動を封じ込め、小国は大国に従えと言わんばかりに力づくで軍拡と海洋進出に邁進する。力により現状を変更し、黒を白と言いくるめて平然としていられる傍若無人ぶりは、域内を超えて実は(本人も気づかぬ内に)世界に広がり始めているのだが、どの国も中国経済の恩恵に浴したいから、いまいましく思いながらも露骨に眉を顰めたり苦言を呈したりすることはない。それをいいことに裸の王様を演じ続ける。
 例えば最近、自らの意に沿わない歴史認識に基づく歴史書をホテル室内に配備しているとして日本のアパ・ホテルを苛めていたかと思えば、いつの間にか矛先を韓国に替え、THAAD配備決定への報復として、THAAD配備地を提供した韓国ロッテを苛め、ひいては3月15日を期限に韓国旅行の取扱い中止を通達する形で韓国政府を苛めている。一説によると、中韓蜜月を象徴した中国黒竜江省の省都ハルビン駅舎内に設置された「安重根記念館」を移転することに決定し、突然、工事に入ったという。「移転」なのか「撤去」なのか判然としないらしいが、報復措置の一環であることには間違いない。THAADについて言えば、盗人が隣人に「戸締りするとは怪しからん」と文句を言っているようなものだと言う人がいて、言い得て妙だが、隣人に自らがどう映るかに思いを巡らせることもなければ、隣人の自衛の権利を認めることもなく、盗人猛々しいとはまさにこのことだろう。
 そして直近では、全人代(全国人民代表大会)閉幕後に行われた李克強首相の内外記者会見に、産経新聞記者の出席を拒否する形で、意に沿わない論調の産経新聞を苛めている。全人代当局は「座席数」を理由に出席に必要な「招待状」の交付を拒んだそうだが、複数枚交付された新聞社もあり、会場には空席もあったという。
 私がネットで産経新聞を重宝するのは、ひとえに記事の全てを無料公開し、かつ過去の記事を消さずに残してくれていて検索が容易だからだ。その主義・主張は保守的なのはまあ良しとして、中・韓の細かい箸の上げ下げまでいちいち気にして取り上げて、却って癪に障って必ずしも全面的に支持するものではないが、まあ朝日や毎日や東京新聞のようにツムジが左巻きよりは余程まともな日本人としての神経を備えて親近感を覚えるのは事実だ。そんな産経を贔屓するわけではないが、言論・報道の自由が侵される事態を見過ごすわけには行かず、朝日、毎日、読売、日経、それぞれ日刊紙のサイト内で「全人代、李克強、記者会見、産経新聞」というキーワードを入力して検索してみたが、一つとして関連する記事は引っ掛からなかった。日本の記者クラブなり報道各社は揃って中国政府に抗議してもよさそうに思うが、特に慰安婦問題で執拗に責められた朝日はここぞとばかりにいい気味だと頬かむりだろうか。
 そんなこんなで、中国の嫌がらせはついに韓国・国民の間に中国への反感を高まらせ、韓国のシンクタンク・峨山政策研究院が今週発表した調査結果によれば、これまで北朝鮮に次いで「嫌いな国」堂々2位だった日本がとうとう中国に抜かれたらしい(一番「嫌いな国」北朝鮮は変わらず、日本の「嫌いな国」としての得点も変わらず)。まあ中国も中国なら、反日に凝り固まった韓国も韓国で、長年、引っ越すわけにもいかない隣同士なだけに、周囲から嫌われているとも知らず独善的であるのを恬として恥じない厚顔という意味では、似た者同士ということか。
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