三鷹市美術ギャラリー(三鷹駅前コラル5階)で、マリー・ローランサンの企画展をやっていると聞きつけて、行って来ました。
やはり画集ではない生の画面から受ける、彼女らしい、ふわっとした柔らかさには感銘を受けました。キュービズムの影響を受けたといわれる灰色をベースに、ピンクと薄緑との、現代風に言えばパステル調の、淡い落ち着いた色合い・・・日本人に人気があるのも頷けます。しかし、今回、あらためて感じたのは、明るく柔らかい色調とは裏腹に、描かれているモデルに見えるのは、一種の倦怠か、はたまた憂鬱か。よくよく見ると、モデルは揃って伏し目がちで、作家のマリー・ローランサンの方を向くわけでなし、目を合わせる者は一人としていません。このズレとも言うべき、マリー・ローランサンがモデルの中に見てとった感情、キャンバスに写し取った情感は、一体、何なのでしょう。モデルたちは、ときに物憂い表情を浮かべ、またあるときには哀しみに包まれて、ひっそりと佇みます。まるでマリー・ローランサンの心の内を、モデルである女性たちへの共感を、映しているかのように。
この企画展は、彼女の画家としての人生を俯瞰できる構成になっており、初期の絵は、随分、描き込んで、手が込んでいる様子が窺えますが、後半生では、良い意味での手抜き・・・これはピカソに象徴されるように、技量を超えて、もはや心で描いているとしか言いようがありません。そのあたりのプロセスを跡付けることが出来て、なかなか興味深く思います。
私が訪れたのは実は二週間も前のこと。相変わらずブログの筆が進まず、遅くなってしまいました。マリー・ローランサン展は6月22日まで、です。こぢんまりとした企画展で、観覧料も600円と抑え目で、いくつか「これは」と思える作品に出会えるとすれば、訪れる価値は十分にあるように思います。
やはり画集ではない生の画面から受ける、彼女らしい、ふわっとした柔らかさには感銘を受けました。キュービズムの影響を受けたといわれる灰色をベースに、ピンクと薄緑との、現代風に言えばパステル調の、淡い落ち着いた色合い・・・日本人に人気があるのも頷けます。しかし、今回、あらためて感じたのは、明るく柔らかい色調とは裏腹に、描かれているモデルに見えるのは、一種の倦怠か、はたまた憂鬱か。よくよく見ると、モデルは揃って伏し目がちで、作家のマリー・ローランサンの方を向くわけでなし、目を合わせる者は一人としていません。このズレとも言うべき、マリー・ローランサンがモデルの中に見てとった感情、キャンバスに写し取った情感は、一体、何なのでしょう。モデルたちは、ときに物憂い表情を浮かべ、またあるときには哀しみに包まれて、ひっそりと佇みます。まるでマリー・ローランサンの心の内を、モデルである女性たちへの共感を、映しているかのように。
この企画展は、彼女の画家としての人生を俯瞰できる構成になっており、初期の絵は、随分、描き込んで、手が込んでいる様子が窺えますが、後半生では、良い意味での手抜き・・・これはピカソに象徴されるように、技量を超えて、もはや心で描いているとしか言いようがありません。そのあたりのプロセスを跡付けることが出来て、なかなか興味深く思います。
私が訪れたのは実は二週間も前のこと。相変わらずブログの筆が進まず、遅くなってしまいました。マリー・ローランサン展は6月22日まで、です。こぢんまりとした企画展で、観覧料も600円と抑え目で、いくつか「これは」と思える作品に出会えるとすれば、訪れる価値は十分にあるように思います。