風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

生存本能

2014-01-18 10:13:41 | 日々の生活
 数日前のことになりますが、都心でこの冬一番の寒さが更新されたとき、ちょっと外国で異文化に出会ったような驚きがありました。会社からの帰り道、近所のドラッグストアを通りかかったとき、ふと見ると、3~4歳の男の子が、自転車の荷台でお母さんを待っていた・・・否、待たされていた、もうちょっと悪い言い方をすると、寒空のもとに放置されていたのです。勿論、暖かい恰好はしていました。夜9時とは言え店先なので店内の煌々とした灯りに照らされてもいました。そして、親御さんは買い忘れがあって、ちょっと買い足しに店に戻っただけ、その一瞬をたまたま見てしまっただけで、見過ごしてしまえば何てことはないいつもの帰り道だったのかも知れません。
 極端な言い方をすると、最近、日本人は生存本能が衰えているのではないかと秘かに心配しているのですが、そこまで大袈裟に言わなくても、長い太平の世の末に、危機意識がちょっと薄れていることは間違いありません。ここがアメリカなら、さしずめ車の中に子供を置いたまま買い物をする光景に相当し、子供に不当な苦痛を強いる虐待ととられかねません。ここが中国なら、人さらいにあって、臓器を売りとばされてしまうかもしれない。まあ極端な譬えですね。それを見張るのもなんだか妙だと、早く親が戻らないかと何度か振り返りつつも、歩みを緩めることなく、その場を後にしましたが、問題と思いつつ関わりを避けようとする私も変? いやいや、ただの心配性に過ぎなくて、むしろ平和な日本を象徴する出来事だと言うべきか?
コメント (3)
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