風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

都知事選の空騒ぎ

2014-01-12 20:39:07 | 時事放談
 細川の殿様、と言うよりは、ご隠居様とでも言った方がよいくらいですが、ついご乱心と言いたくなってしまう、都知事選への出馬を決意されたようです。
 前回まで二度にわたって、「アジアの声」本編とおまけで、しらばっくれるメディアについて書きました。首相の靖国参拝に対して、中・韓(・ロ)の極めてローカルな反発がまるで世界中で巻き起こり、さも中・韓の言う通りに日本が世界で孤立しかねないお祭り騒ぎには、ちょっとうんざりしてしまいますし、欧米や東南アジアが、東アジアの緊張を懸念するのは事実ですが、その背後にある、世界中で中国への経済的な依存が強まる一方で警戒心も広がるアンビバレントな文脈が、意図的としか思えないのですが、捨象される現実には呆れてしまいます。一体、何の狙いがあるのか、安倍さんの首脳外交はなかなか文句のつけようがないと思うのですが、進歩的メディアとしては政権の良いところを褒めたくない一心からか、朝日新聞のように、第一次安倍内閣では、安倍おろしが社是だと(論説主幹が)公言しながら、それで発行部数が落ちたものだから、第二次安倍内閣では、安倍おろしの旗を降ろすと言いながら、やはり政権の保守的な性格に反発したくなる反体制リベラルの本領か。
 同じように、しらばっくれるのが目につくのが、都知事選をめぐる報道です。
 今朝の産経Webに、細川の殿様の出馬の背景が解説されていました。先に出馬の決意を固めた舛添さんが自・公の支援を得て圧勝する見通しに危機感を抱き、「今回の都知事選は東京だけでなく、国にとって重要だ。有権者に選択肢を示さなければならない」と思い立ったようなのです。それほど二大政党政治にこだわりがあるのであれば、1994年に簡単に政権を放り投げるべきではなかったですし、民主党結党を見届けた後の1998年に還暦を迎えたことを区切りとして衆議院議員を辞職すべきではなかったですし、今だって都知事選ではなく国政で野党再編に動けばいいと思いますが、何故、都知事選なのか、なお素朴に疑問に思います。
 政策として聞こえて来るのは「脱原発」だけで、安全保障的観点も含めたエネルギー戦略そのものや、現実的な廃炉への道筋を考えることなく、同じように能天気にワンフレーズを訴える小泉パパとの連携を模索しているようです。しかし、石破さんが批判する通り「原発政策は一義的に国政の課題」であり、私も都民の一人として、「脱原発」だけで都知事を選ぼうとは思いませんが、自民党は争点が脱原発に絞られることに警戒を隠さないようですし、民主党まで即時(原発)ゼロに流れると党内で反発が出る可能性があると心配する向きもあるのは、本末転倒と言うべきではないでしょうか。こうしたことを勿体をつけて報じて恥じない、しらばっくれたメディアって、一体、何なのでしょう。
コメント
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