風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

物へのこだわり(5)究極の洗練・ポルシェ

2012-03-09 01:23:46 | 日々の生活
 モノへのこだわりで随分引っ張って来ましたが、最後に忘れてはならないのが、優雅な曲線のもつ美しさです。ちょっと横に張り出したお尻のふっくらと丸みを帯びた後ろ姿がこれほど魅せることが出来るのも珍しい。勿論、ちょっぴり飛び出したつぶらな丸い瞳もこの上なく可愛いですし、つんとせり出した顎のラインも、丸みを帯びてくどくなくて良い。「簡潔さは究極の洗練」と言ったのはレオナルド・ダビンチでしたが、まさにシンプルな丸みを帯びた曲線美は見飽きることがありません。
 そう、言わずと知れた車の中の車、ポルシェです。
 今のポルシェ911は、昨年出た7代目991型が最新ですが、スキがなさ過ぎるのが難点です。そういう意味で、個人的には3代目964型(1989年~1993年)が一番好き。やや骨ばって、もう少し努力すれば丸みを帯びてもっと美しくなれるだろうに(991型のように)、その手前のところでノリシロを持って控えめに自己主張しているところが好きなのです。そんなポルシェに比べれば、ランボルギーニやフェラーリのフォルムはなんとも青臭く見えて仕方ありません。ポルシェに近い曲線美の美しさを敢えて探すとすれば、フォルクスワーゲンのビートルですが、大人のもつ優雅さという点では、雲泥の差があります。
 そんなポルシェの運転席に座ってハンドルを握ったことがあります。5年ほど前、マレーシア・ペナンの展示会場でのことでしたが、思わず胸が高鳴りました。普通の車に比べれば、随分、運転席が沈んでしまいますが、エンジンを吹かせれば、スーッと音もなく優雅に走る始めるのだろう、革張りのテカテカした内装が、自分のものになって、自分の手に馴染んて来たら、可愛くて仕方ないだろうと、夢にまで見るほどでした。
 山口百恵さんは、かつて、「緑の中を走り抜けてく真っ赤なポルシェ・・・」と歌って、子供心に真っ赤なポルシェの強烈な印象を残しました。かれこれ10数年前、アメリカ・サクラメントに住んでいた頃、真っ赤なポルシェのオープンカー(多分ボクスター)に乗って、サングラスをかけた金髪のショートヘアのお姐さんが、まさに緑の中を颯爽と走り抜けていくのが、カッコよかった。そんなこんなで、記憶が入り混じって、私の部屋には、MAISTOの1/24サイズのモデルが二つ、イタリアの玩具メーカーBBURAGOの1/43サイズのモデルが3つ、Matchboxのコカコーラ・モデルが一つ、更にミニカー5台、写真集が数冊。いつかよぼよぼのおじいちゃんになって、小金がたまったら、真っ赤なポルシェに乗るのが夢です。
コメント (2)
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