風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

政争(5・完)一難去って

2010-09-15 00:07:53 | 時事放談
 民主党代表選は、菅さんが国会議員票では劣勢という下馬評を跳ね返し、党員、地方議員、国会議員の全てで過半数を取るという完全勝利で、新しい党代表に就きました。
 早速、組閣と党人事に話題が移りつつありますが、今の景気やデフレや円高は、民主党代表選どころではなかったはずだと正論を吐いて憤慨していたところで、結局、政局好きの日本人としては興味が尽きません。小沢さんの処遇は、現時点では白紙と言いながら、選挙戦でここまで挙党体制を謳ってきた以上、党分裂の大義名分を与えないためにも、それなりの処遇を考えざるを得ないのではないでしょうか。こうして見ると、小沢さんとしては、党代表選に負けたところで、小沢外しを撤回させることが出来るとすれば、所期目的は達成したことになります。むしろ首相を続投する菅さんの方が、厳しい経済・財政運営を背負って立たねばならず、やっと党代表選に勝ったところで、一難去ってまた一難といったところです。
 別に、タイのようになれとまでは言いません。
 日産が新型「マーチ」をタイから逆輸入しているのは以前にも触れましたが、日産と同様に三菱自動車も、次世代小型車をタイで生産し日本に輸出するのに約400億円を投じる計画だそうです。マツダは米フォードとのタイでの合弁会社に約300億円を投資し、来年半ばから次世代ピックアップトラックの生産を始めることを発表しました。スズキは2012年春の稼働を目指して、200億円を投じてタイに新工場を建設し、9月に発売する新型「スイフト」などを年間10万台規模で生産するそうです。トヨタは既にタイで、新興国向けの戦略車である「IMV」を100万台以上生産して輸出した実績がありますが、年内にはハイブリッド車「プリウス」の生産を開始し、海外に輸出する計画だそうです。このように完成車メーカーがタイでの現地生産を拡大するに伴い、タイヤ・メーカーのブリジストンやベアリング大手のミネベアをはじめとする様々な部品メーカーのタイでの大型投資も目白押しです。タイ政府による優遇策が投資の呼び水になっているようですが、これだけ自動車産業が集積すると、熟練した生産技術者や開発技術者が育つなど、技術の蓄積が進み、好循環を支えます(以上、日経ビジネスより)。
 党代表選中、成長戦略を問われた菅さんは、企業は内部留保を溜め込まないで使うべきだと暴言を吐いていました。企業は、積極的に投資したくなる環境であれば、言われるまでもなく投資します。投資を誘発しない環境であることが問題視されていることに早く目覚めて欲しい。また、一に雇用、二に雇用、三に雇用と叫んでいましたが、雇用は派生需要であって、順番を間違えてはいけません。経済成長の先に雇用の拡大が続くわけで、雇用を先ず目指したところで、官(菅と言っても良いですが)の力では高が知れていることに早く気づくべきです。短期的には財政を悪化させるのを覚悟して、規制緩和や法人税減税などの思い切った構造改革を期待します。
コメント
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