奈良国立博物館・特別展
「国宝 信貴山縁起絵巻 朝護孫子寺と毘沙門天信仰の至宝」展
「国宝 信貴山縁起絵巻 朝護孫子寺と毘沙門天信仰の至宝」展
毘沙門天王の聖地として聖徳太子により創建されたと伝えられる信貴山朝護孫子寺(しぎさんちょうごそんしじ)。
その篤い信仰のもとに制作された国宝 信貴山縁起絵巻は、日本三大絵巻の一つに数えられる平安絵画の名品として知られています。
山崎長者巻、延喜加持巻、尼公巻の全三巻には、鉢が空を飛び米俵が舞い上がる、剣をまとう童子が大空を駆けめぐるといった摩訶不思議なストーリーが、躍動感あふれる画面の中に次々と展開します。
この人々を魅了してやまない信貴山縁起絵巻の全貌を一堂に紹介し、その寺院縁起としての意義を朝護孫子寺の信仰の歴史の中に位置づけようとするものです。全会期中を通じて三巻すべての場面を同時公開。朝護孫子寺の寺宝の数々を関連する寺外の名品とともに公開することで、信貴山毘沙門天王への信仰が生み出した造形の魅力にも迫ります。
奈良国立博物館HPより
信貴山縁起絵巻は全長計35メートル越えだそうです。
<命蓮上人のマジカルパワー!>
仏道に励み、神通力を身に付けた命蓮上人。托鉢は鉢が空を飛びます。
醍醐天皇は病気平癒の祈願を命蓮上人に頼みます。
何十年も行方知れずだった命蓮を、姉の尼公は、東大寺大仏様の教えで信貴山への道を知らされます。
不思議な世界に触れた博物館、リニューアルされた、なら仏像館「こころ新たに、永久(とわ)の時と対話する場所」を後にし・・・。
西側から見た奈良国立博物館
鹿たちものんびり。
鹿たちものんびり。
興福寺菩提院大御堂へ向かうことにしました。
春日大社一の鳥居から、三条通りを西へ進んだ南側。道を挟んで北側が興福寺五重塔です。
塀と大きな木々が見えます
説明
木標
説明
木標
興福寺の伽藍「菩提院大御堂」
「十三鐘(じゅうさんかね)」の俗称で知られています。
聖武天皇の奈良時代、733年(天平5年)法相宗(ほっそうしゅう)を中国から伝えた玄(げんぼう)僧正が住んでいたと伝えています。
入口に、鹿よけなんでしょうか、木の柵が有ります。
柵を開けて入ります。
大御堂
現在の建物は1580年(天正8年)に再建され、
昭和45年大修理されました。
ご本尊は阿弥陀如来坐像(鎌倉時代作・重要文化財)。不空羂索(ふくうけんさく)観音菩薩、稚児観音菩薩立像が安置されています。
「稚児観世音菩薩像」額
間から、興福寺五重の塔が見えます。
鐘楼
梵鐘は永享8年(1436年)の鋳造。
かつては昼夜十二時(とき)だけではなく、明け七つと六つの間の早朝勤行の時にも打たれたことから、「十三鐘」の通称を持っています。
鐘楼の横に蓮の小さな鉢が
「奈良の早起き」は有名で、朝起きて、自分の家の所で鹿が死んでおれば、大変なことになるため、競って早起きしたといわれています。
昔、興福寺の小僧さん達が御堂で手習い(習字の稽古)をしていた時、一頭の鹿が三作の大切な草紙(習字の紙)を食べたので、三作がケサン(文鎮)を投げると、鹿の急所に命中し、鹿を殺してしまいました。
当時、「春日大社の神鹿を殺した者は、石詰の刑に処す」と云う掟があり、三作は子供とは云え、13才にちなんで、一丈三尺の縦穴を掘って、死んだ鹿を抱いて縦穴へ入れられ、石と瓦で生き埋めにされました。
三作は、父が早く亡くなって、母1人子1人で暮らしていましたが、その日より母「おみよ」さんは三作の霊を弔う為、明けの七つ(午前4時)、暮れの六つ(午後6時)に鐘を撞いて供養に勤めると、49日目に観音様が現れました。それが現在大御堂に秘仏として安置されている「稚児観世音菩薩像」です。
穴の上に建てられています
この悲話は、越前生まれの浄瑠璃・歌舞伎作者「近松門左衛門」が1700年頃(元禄年代)世話浄瑠璃「十三鐘」と題して脚本し、
有名になりました。
この悲話は、越前生まれの浄瑠璃・歌舞伎作者「近松門左衛門」が1700年頃(元禄年代)世話浄瑠璃「十三鐘」と題して脚本し、
有名になりました。
亀石の上の「三作の供養塔」
同境内地に石亀があるのは、「三作の生前が余りにも短命で可哀想で、次に生まれる時は亀のように長生きできるように」との願いにより、その上に五重の供養塔を建てられたものだそうです。
子を思う母親のー念。「私が生きている間は、線香の1本も供える事が出来るが、私がこの世を去れば鹿殺しの罪人に香華を供えて下さる方はいない。」と思い、紅葉の木を植えました。
各地に「鹿に紅葉」の絵がありますが、”石子詰の悲しい親子愛”によって、この地よリ発せられたものだそうです。
また、南側にある大木は、銀杏とけやきの未生の木ですが、母親が三作を抱きかかえている様であると云われています。
手水舎の龍
はじめて、菩提院大御堂を訪れ、悲しい物語を知ることができました。
母の愛は、強し。
すでに散っていましたが、「なんじゃもんじゃ」の大木もあります。
説明はホームページを参考にしました。