【折々の花だより】

”季節の花だより”
花たちとの出会いを楽しんでます

加保坂(かぼさか)のミズバショウ

2022-05-03 | 花だより
学術的にも貴重な、ミズバショウ自生の南西限、 兵庫県養父市大屋町加保坂。
 
市花「ミズバショウ」
清らかな水がある湿地帯にしか育たないミズバショウのイメージと、養父市の進める「自然を大切にするまちづくり」が合ったことから選定されました。

標高520m、約4,000平方メートルの湿地のあちこちでは、4月の中ごろから、約2000株のミズバショウが白い花を咲かせ、4月下旬~5月上旬が見ごろとなります。

4月28日訪れました。



ミズバショウはサトイモ科の植物で、本州の中部地方以北、北海道、サハリン、カムチャッカ、東シベリヤの温帯から寒帯にかけて分布し、山中の湿地や湿原に群生する多年草です。
ミズバショウの日本における分布の西限は、福井県勝山市の取立山にある取立平で、南限は岐阜県郡上市高鷲町の蛭ヶ野高原です。白山の南西部から南に位置しています。
加保坂湿地にあるミズバショウだけがこうした分布圏の外側(190キロ西)にある点のような形で、生育しています(隔離分布)。

福井県の取立山から190キロメートルも離れた加保坂だけにミズバショウの自生地がみられることから、本当に自生地であるのかどうかが、大きな問題となりました。
加保坂湿原の土壌にふくまれる花粉分析調査が、昭和46年に実施され、年代測定等から、1万年前の氷河期から生きのびてきた自生地の可能性が高いと判断されました。

加保坂湿原にミズバショウが残った理由として
第1にこの場所が兵庫県下は夏季低温域で、冬季には積雪が多い地域。
第2に湿原が傾斜していて堆積物が流出するために、新しい堆積が進まずに、泥炭が露出した湿潤な生育条件が持続。
第3に加保坂湿原が、蛇紋岩地帯であるために貧養土壌で、農地や植林などの人為的な環境変化が少なかった。
幾つもの良好な自然環境の条件が重なり合って、1万年も前の氷河期から静かに生き続けています。
ミズバショウ生育の基盤を作っているのが、保水力の高いオオミズゴケです。



白い花びらのようなものは、植物学的には花弁ではなく、苞(ほう)といって、花を保護するために花の直下につく葉の変化したものです。
サトイモ科の苞は、仏像の光背(こうはい)にある火炎のような形をしていることから、仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれています。
ミズバショウの白い苞の中心には、花茎が下から伸びてその先端が棍棒状に膨らんでいます。これがたくさんの花が集まった花序(かじょ)です。ミズバショウの場合、肉穂花序(にくすいかじょ)と呼ばれています。肉穂花序には小さな黄色いブツブツがたくさんついていますが、その一つ一つの花が、ミズバショウの場合は小花(しょうか)と呼ばれる花です。それぞれに4本のおしべと1本のめしべがついています。

加保坂のミズバショウの葉には、暗い緑色の横筋の斑点があります。大屋町史自然編によると斑点のないものと区別する意味で、斑入り(ふいり)ミズバショウと呼びます。






現在、1,960個体のミズバショウが生育しています。湿地の中央が少し低くなって細い水路となっており、その水の流れにそってミズバショウが密集しています。


入口






桜は散りかけです。






杖代わりに。



遊歩道が作られており、色々な花を楽しみながら・・・。






  

  

  


















ゼンマイも自生しています。


案内の方が「あれは、食べられないです」と。

ゼンマイ科の多年生シダ植物。各地の丘陵や草原に生えます。
1つの株に栄養葉と胞子葉の2種類の若芽が出ます。 ふつうの葉になる栄養葉を「女ぜんまい」、胞子を付ける胞子葉を「男ぜんまい」と呼び、食用にするのは、柔らかな「女ぜんまい」。
食物繊維がたっぷりで、茎の先がくるくると渦を巻き、その周りを茶色や白の綿毛が覆っています。巻いている渦は開いていない葉で、この部分が食用になります。


展望台へ





説明文は「グリーンロッジ加保坂/養父市」サイトを参考にしました。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

梨の花プロジェクト拠点ファーム RIKAEN

2022-05-01 | 花だより
二十世紀梨の栽培で全国の先駆けとなったのが、吉野郡大淀町と五條市東阿田町にまたがる大阿太高原。
この地は、現在も奈良県内で最大の梨の生産地です。


梨文化を発信する団体「梨の花プロジェクト」さんが運営する、「梨の花プロジェクト拠点ファーム RIKAEN」は、約1万平方メートルの敷地に、梨の花園と梨の果樹園エリアに分かれていて、花園では、花を観賞するための梨が育てられています。

二年前の、4月15日にも訪れています。
4月13日再訪しました。

=カフェあだむる=



入口~


















果樹園エリア




農薬散布用の車のようです。


カフェで、梨のスムージーを頂きます。


4月2日から開かれた「梨の花フェスタ」では、映画上演、立体切絵師さんのワークショップ等が開かれたようです。

天井に



壁に






  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする